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72.出産

ついに私とイライザの子供が生まれた元気な男の子だ


名前はどうしようかと考えるとイライザが「カムイ」にしようと言う、彼女が殺してしまった勇者の名前だと言う、私と同郷だとすると漢字は「神威」だろうか少し中二病の匂いがするキラキラネームだろうか?「可夢偉」と言うレーサーがいた記憶があるが60年前に転生したのなら違うだろうそもそもまだ存命のはずだ


「神威」の意味を考えるといい名前の気がする神の威光を表している「カムイ」で決定した、スキルで強化した神聖魔法の「聖域」で完全に外部と遮断してイライザと二人でそれぞれ真名を授ける千秋様からカミラ母さんのスキルの事を聞いていたからだ


クルーゲ家のリーゼロッテさんとエリザベスさんも無事に出産したリーゼロッテさんは双子の女の子だ一族の為に娘を産むように魔法でコントロールしていると言っていた、その効果なのかは分からないけれどリーゼロッテの望みが叶ってよかった私に名前を付けて欲しいと言う「ハルカ」と「カナタ」に決めた安易かも知れないが2つの世界を越えて結ばれたのだ相応しい名前だと思う、カムイ同様に真名も授けた


エリザベスさんも娘を出産したこの子の名付け親はリーゼロッテだ「ロクサーヌ」と名付けられた、彼女達の為に「聖域」で安全に真名を授ける場所を提供した


カムイの誕生を知ってスーザンが三つ子の娘たちを連れて来た、イライザは最初警戒していたが直ぐに安心して一緒に遊ばせている、スーザンの娘たちは半年が経ちもう離乳食どころか普通に食事が出来る確かに危険を感じても仕方ないが早太郎の血が強く出たのか白い毛皮で私にも良く懐いてカムイを守ってくれる


スーザンは別の意味で娘がカムイを食べる事を期待している様だ、まだ早すぎるだろうが将来は本人たちに任せよう、イライザは男の子なら相手は何人でも良いと母親失格な事を言いだした、この世界の倫理感からしても間違っているだろう、教育方針で喧嘩する事になるかもしれない


用心のために毛皮の色に因んで「真白」「虎白」「白羽」と名付けて従魔契約も交わした3人はスーザンが鍛えている自分は嫌がって耐性スキルの獲得をサボっていたのに私に協力してくれと言う、丁度良いからクロエ達も巻き込んで毒抜きのレベルを調整して訓練を始めた、勿論スーザンにも参加させた娘の手前拒否はしなかった


神殿から朝が五月蠅いと苦情が出る位にコカトリスも増え、スーザンがつまみ食いしても大丈夫になった事もありメニューも豊富だ、まずは豚の生姜焼きだ生姜の代わりにマンドレイクをすりおろしてタレにしているリーゼロッテが連れてきたシェフが活躍してくれた


クロエの神聖魔法の訓練にもなり良い事ばかりだ、少しずつ毒を強くしていくため麻痺や石化は一定数発発生するし、リーゼロッテが様々な毒を試してくれたおかげて私も「蟲毒壺」も大満足だスキルに意思が目覚めたのが分かる、新たな魔増具が生産出来るようになりスキルの「のれん分け」も可能になった


のれん分けの1号店はリーゼロッテだ涙を流しながら感謝された一族の悲願なのだと言う、のれん分けしたスキルで獲得した毒などの情報は親である私の「蟲毒壺」にも共有される、2号店はアンジュに許可を出した


「ママ、アンジュも「蟲毒壺」のスキルがほしいでち」

私の血で育った可愛いアルラウネだ従魔契約を交わして私が名付けしている勿論許可を出した、アンジュの従魔である蜂達に毒を供給する事も出来る様だ、頼もしい成長が楽しみだ彼女も私の娘みたいなものだ


弥生さん達が旅から戻る頃にはみんなに耐性スキルが生えていた素晴らしい成果だと喜んでいると弥生さんから叱られたスキルの「のれん分け」が駄目だった、考えも無しにこれ以上スキルを渡してはいけないと詰められた


「このままいくと暗黒神の介入も無しに魔王として覚醒しかねない」

と説教された、そんな気は毛頭無いのだクロエに授けた錫杖の話をしてスキルの有効性を主張したら更に怒られた


「これ以上暴走するならカーリア様のスキルで「蟲毒壺」を封印する」

と言われ渋々今後の「のれん分け」や魔道具の作成には弥生さんの許可を取ると約束して許してもらった、弥生さんは暗黒神のスキルでカトレアさんを魔王にしたり好き勝手しているのにと不満が無いわけではないが、私を気遣ってくれているのもわかる確かに暴走と言われても仕方ない事をした


多少自制しているのだが「蟲毒壺」に毒や呪いそして病魔が蓄積されていく、渡す予定の無い魔道具を作成してはアイテムボックスに放り込んでいく安全の為対魔物特化の武器にしたドラゴンスレイヤーや対ゴーレム用の鈍器も作成した次は何を作成しようか「蟲毒壺」と相談しつつ素材となる毒や呪いに病を集める、細菌やウイルスもリーゼロッテから集まってくる、アンジュが使役している昆虫や植物由来の毒もそうだ


確かに危険なスキルだ特に「のれん分け」は危険だった効率が良すぎるのだ、ねずみ講の様に機能している、リーゼロッテとアンジュが孫を造ったアンジュがリーゼロッテに血を提供して貰い新たなアルラウネを1人生み出しスキルを与え、リーゼロッテはエリザベスさんにスキルを与えた


流石に怖くなり弥生さんに相談してこれ以上の孫を造れない様に封印して貰った、効果は重複するが親のスキルで制限もした、一応「蟲毒壺」が独断で子供を造らない様に封印して貰った、このままではいけない神聖魔法の修行に力を入れよう、ミネアが短剣に打ち勝った様に「蟲毒壺」を従え自分の支配下におく、このスキルは更に進化する筈だ私もそれに相応しい主人に成長しよう





「ママはおうぼうでち」

「蟲毒壺」の能力に制限をかけられた、リーゼロッテねえさんもそうだ、せっかく造った孫スキルをも親の「蟲毒壺」に回収された


「アンジュとリーゼロッテのスキルは回収しないから我慢しなさい」

リーゼロッテねえさんはママのいいなりだ粛々と決定に従っている、何とか別の方法を考えないと・・・そうだ、良いことを思いついた


「カオリママ、スキルを増やすのはあきらめるでち、だからママの血をわけてほしいでち、ねえさんの血と一緒にマンドレイクに与えて仲間を増やすのは認めて欲しいでち」


「仕方ないわねアンジュの願いだし叶えてあげる、リーゼロッテさんはそれでいいの?」


「私と香織様の血でアルラウネを育てられるのは光栄です」

うまくいった、これで毒を効率的に集められる、リーゼロッテねえさんにも優秀な使い魔が誕生して「魔導国」の領地での細菌やウイルスの研究も捗るだろう


「蟲毒壺」の子供同士でも直接会えば情報の共有が出来るリーゼロッテねえさんとは強固な同盟関係が成立しているのだ、2人で新しいアルラウネを育てた


私達の計画通りだと思って喜んでいたら落とし穴が待っていた、カオリママの血の力が強すぎたのだ、育ったアルラウネ達はあたちとねえさんを監視して何かやらかすたびママに報告するのだ


こんなことならカミラママに血を貰えばよかったと思うがもう遅い、しばらく大人しくして安心させた所でこの子達はヒルダママに引き取って貰おう、「カオリママ魔王育成計画」まで露見する訳にはいかない、この子達に密告されて「あんまりな事をするとしばらく聖水で「水耕栽培」するからね」と脅されたのだ下手をすれば実行され逆にあたちが毒抜きされてしまう

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