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68.旅路

弥生様のおっしゃられた「旅行」が終わった冒険者ギルドへの警告だけではなく、私にとっては「同盟」諸国にある女神信仰の神殿を聖女として訪問し現地の司祭では手に余る病人の治療を行いながら女神の教えを説いて回る巡礼の旅だった


同時に私の勇者千尋様との旅でもある宿では女性だけの旅であるため2人部屋を2部屋使う事が多かったが、近接戦闘能力に不安の有る私は何時でもゴーレムを展開できる弥生様との相部屋だった、千尋様はセシル嬢と霊体化した白狼と相部屋のため間違は起こらないので嫉妬は無いが残念だった、私は千尋様と間違いを起こしたかったのに、別の旅に2人だけて行けたら最高なのにと妄想していた


弥生さん達は現地で塩漬けになっている冒険者ギルドの厄介な依頼を片付けていき実力を見せつけていった、千尋様は冒険者マチルダとしてはSランク冒険者としての名声を盤石なものにしていった、個人的には冒険者の資格を返上すれば良いと思っていたがこの状況も悪くないと思える様になっている


女性だけの旅のため良くも悪くも様々な出会いがあったがいくつかの例外を除いで平和的に解決できた


その例外の一つは「同盟」の参加国の後継者の王子が呪いを受けその解呪の依頼をマチルダ様が受け私が解呪をおこなったその謝礼のほとんどを呪いが解けず国王から責められいたこの国にある女神様の神殿に寄進してその残りで冒険者ギルドの酒場を一晩貸切りにして現地の冒険者達にふるまっていた時だ


「お前たちが魔王討伐した後偽善の旅をしている奴らか俺たちのパーティも魔術師が呪いを受けて困っているんだ聖女様がいるそうじゃないか、タダで貧乏人共の病気を治しているって評判も聞いている治してやってくれ」


「俺たちも股間が腫れ上がる病気にかかっていてね聖女様にベットの上でで治してもらおうじゃないか、丁度他にも上玉の女エルフや女魔術師もいるみたいだ俺たち4人の治療を頼む」

こんな下種共でもこの国のSランク冒険者パーティらしい


「その呪いは私が解呪した王子の呪いが返されたものでしょう、貴女達が王子を呪った犯人のようね依頼者を吐いてもらいましょう」

「待ってユリア、私が先に彼らの病気を治してあげましょう」

弥生様がそう言うとアイテムボックスからゴーレムの手を出し彼らの病気の元をもぎ取った、続けてアイテムボックスの中から出たゴーレムに四肢を握り潰され身体の全ての穴から液体や半固形物を垂れ流しながら言葉にならない音を奏でながらちぎれかけの足を掴まれ吊り下げられる


「マスター、国王に報告してくれ王子呪っていた犯人を捕らえた引き取りに来て貰わないといけない」

今まで大きな顔をしていたSランク冒険者が瞬殺された、もしかしたら一緒になって何か悪さをしていたかもしれないこの国のギルドマスターも彼らをトカゲの尻尾の様に切り捨てることにしたらしい、最初は止めもしなかったのに素早く指示を出している


飲み直しているとなんと国王自ら騎士達を率いてやって来た、犯人がSランク冒険者という事もあるかも知れない宮廷魔術師まで連れてきている


「私が犯人の記憶を読み取りましょう」

犯人は政略結婚で「同盟」の別の国から嫁いできた第二妃に付き添ってきた侍女が依頼をしていた依頼を受けた冒険者達もその国の出身者だった妃の輿入れにあわせて移籍してきたようだ


それならば先ほどの下種さも演技かも知れない、国に所属する影の人間の様だ、その証拠に彼らは自害を図ったが私が治療しこの世からの逃走を防いだ


「なるほど任務だった訳だ、私も依頼人へのアフターサービスをしましょう、お互い仕事だから恨まないでと言っても無理でしょうね、ユリア彼らの傷を治してやってくれ、呪いも消してやって、尋問の手伝いをしてあげましょう」

弥生様が仕切って冒険者達に猿轡をして連行し城まで同行しながら冒険者に話しかけた


「ここに性転換のポーションがあるわ、君たちが祖国への忠誠を貫き拷問に耐えるなら今まで訓練してきたであろう影としての訓練とは違う苦しみを受けることになるわね、途中から喜びに変わるかも知れないわ」


「でも国王様がお許しになれば新しい人生を歩む手助けにもなるわ、しばらく女の姿で身を隠してそれから男に戻ればいわ、ポーションは4本にしかないけど今の方法だと先着2名様になるわね、そうだ、あなた達の師匠がかけた裏切り防止用の呪いもうちの聖女様が解呪出来るわ」

国王もその取引を許可した、私は彼らにかけられていた呪いも解呪した


しばらく無言だったが呪いを解いたのが効果があった様だ、無理矢理影として生きることを強いられていたのかも知れないこの国に協力するという、ポーションは今後の彼らの活動の為に使う様だ、国王と宮廷魔術師が今後の方針を話し合っている


「これ以上は深入りしないわここで知った事も他言しない、信じてくれるかしら?」

弥生様が国王に尋ねる


「この国に仕えて欲しいと言っても無理だろうな、我が国は「法王国」や「エルフの王国」と友好を結びたい、これは口止め料になるだろうか?それで良いのなら親書を準備しよう届けて欲しい報酬も出そう」

思っていたよりも優秀な国王かもしれないさっきまでの評価を改めた


「私たちの背後も確認出来きて良かったわね、急ぎで私のゴーレムでお届けしましょう、返事も貰って来ましょう」

弥生様が話をまとめてくれた、この後1週間この国の王都に滞在する事になった、親書やその返事の内容はわからないしその後の妃の処遇もそうだ、これ以上深入りすれば引き返すことが出来なくなるだろう、この後は「法王国」では審問官たちの仕事になる、本職に任せておこう


速度の出せる馬型のゴーレムでの移動であったが、各地での治療や塩漬けの依頼をこなしていったため1年くらいの長旅になっていた、最後にもう一度冒険者ギルドの本部を訪れた時には弥生様とセシル嬢と私に名誉Sランクの冒険者として冒険者の証である階級章が無理矢理マチルダ様に渡されていた、これは私たちが各地で勧められた冒険者登録を行わなかったためでもある


この時にギルドマスターのヘンリック殿から不穏な話を聞かされた、魔王討伐などの干渉を控えるよう商業ギルドに進言したためギルドマスターの座から降ろされそうになっているという、ヘグルント達のパーティもSランクからAランクに降格される方向で商業ギルドが手を回しているらしい、この名誉Sランクの贈呈が彼のギルドマスターとしての最後の大きな仕事になると言っていた


「同盟」内部の調整が終われば新しいギルドマスターが就任する予定らしい、ヘンリック殿には私の意向が正しく伝わったが曖昧な脅し文句を干渉を継続させる事の根拠に使われてしまったようだ、香織様のゴーレムも商業ギルドは幻術と断定しヘンリック達を降格させるための口実にされてしまった、確かに直接自分お目で見なければ信じられない性能と数だ「少しやり過ぎたかな」と言うのが弥生様の言葉だった


それでも弥生様は商業ギルドへの当てつけに降格されるヘグルント達に女神の加護という名目でスキルを授け魔法の授与された武器や魔道具などを与えて彼らを一週間かけて指導していた、後日ギルドマスターを解任されたヘンリックを左遷人事と見られる様に工作して「法王国」冒険者ギルドの支部の責任者として招いているヘグルントの率いる冒険者パーティも一緒に移籍してきた


ヘンリック殿は年下の奥様を伴っていた彼女は熱心な女神様の信者だという、後日になるが私が彼らの結婚3年目の記念日に神殿で夫婦の将来を祝福した、ヘグルント達冒険者達もそれを祝っていた

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