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55.贖罪

ついに子供を授かることが出来た、まだ受精しただけだが確かに感じる事が出来る、その幸せを噛みしめていると香織が付いて来てくれという、使徒が私に聞きたいことがあると言っている、昨日やりあった魔王も一緒だ四人で邪魔の入らない様にと神殿の奥に案内された


「招待に応じて頂いて感謝いたします、女神の使徒カーリアと申します、一応聖女として貴女の先輩になるでしょうか、道半ばでエルダーリッチに捕らわれた未熟者ですが、魔王討伐を成し遂げたイライザ様と話せる機会を頂き光栄です」

気に入らない挨拶だ、私はもう聖女などでは無い、それでも未だに心残りが有るのだろうボロボロになった神官衣を着ている複雑な気持ちを隠すように無言のまま視線をカーリアから魔王に移した


「私は坂本弥生、ニブルヘイム殿から魔王の力を引き継ぎました、魔王の座はダークエルフのヒルダに担当してもらっています、別の使徒がヒルダを擁立して和平を結んでいる関係で少なくとも和平の期限までの三年はそのままになります」


「さて、退屈な挨拶は此処までにしましょう、私達2人の聞きたい事に答えてくれれば貴女の聞きたい事にも答えます、貴女にも知りたいことが有るのでは?」


「いいね、だが先に私の質問に答えて貰うとしよう、貴様は暗黒神の力も持っているな今後それを何のために使う?」

封印の存在は感じるがその気になれば簡単に破れる程度のものに見える、今使う気が無いからカモフラージュしているだけだろう


「カーリアこの部屋の盗聴防止の結界を最大にして欲しい、どんな存在に対してもね、特別にこのままここで話を聞いていて構わない、出来ないというなら部屋を出て貰うわ、その場合は私が結界を強化します」

どうやら話す気は有るようだ、どんな野望を持っているか楽しみだ


「では一度席を外します女神様に知られたくない話が終わりましたら読んでください」

使徒が席を立ち部屋を出ていった


「勇者様に聞かせて良いのか?女神様側の人間だと思うが」

「構わないでしょう間接的に聞かれても真偽は分からないわ、記憶を操作する力が有るのよ、カーリアだけがそれを阻める力があります、もしかしたらイライザ殿にも通用しないかも知れませんが気にしなくていいでしょう」


「暗黒神の力ですが部下の強化には使うつもりです、力を使う事で私にどのような影響が有るかの検証も行います」

正直に答えてくれた案外平和な使用法だ暗黒神としては失格だが、人間として見ればそんなものだろう、つまらない返事ともいえる


「さしあたってカトレアを魔王として覚醒させて、迷宮の最深部を神域化しましょうか、平行思考の力を得ていますし、身体を少なくとももう一つ作って、表に出せないスキルを集めてカーリアの目から隠しましょう、こんなところでしょうか」

続きがあった、それでも大人しい方だろう、正直に言っているならばと但し書きが付くが


「今度は私の番ね、何処で香織のに目を付けたの?」

終わったことだしどうでもいいことだ教えて構わない


「たまたま「魔導国」に居たら楽しい祭りが開催されていてね、そこで行方不明の魔王を見つけた、祭りの後で魔王を頂こうと思ったが、魔王としての力がないように見えた、それでも折角だから食っていこうとしたら、異世界出身らしい女がもっとおいしい獲物がいると教えてくれた、クルーゲ家の当主がたっての希望で子種を授かった勇者が居るとね、スキルで性別を変えることも出来るという」


「有り難い情報だったのでニブルヘイムは見逃してやった、それほど期待はしていなかったが見事に私を孕ませてくれた、本当の目的は性転換のスキルだったよ、自分が孕めないなら孕ませればいい、まずは私を上手く操ったと思っている異世界人に相手をしてもらうつもりだったんだ、それでも今回は期待以上の大当たりを引かせてくれたんで見逃してやるつもりだ」


「そうだ、昨日スーザンがイライザをみてすぐに逃げだしたんだけど何かしたことが有るの?」

香織が自分を殺す気でいた話題の後に呑気に聞いてくる、大物だ私を孕ませただけの事はある、おまけに一人では満足していないようだった先が楽しみだ、今度は私が孕ませてやろう、妊娠中に香織に女の悦びを教えてやれば自分から求めてくるだろう、私の男としての初めてをプレゼントしてやろう


「人狼とやりあった記憶が無いんだがな・・・そういえば「異種交配」のスキルを奪うためにオークロードを食い殺した事がある、腹は減ってなかったから近くで狩りをしていた人狼に肉をくれてやった、その時にオークロードに名乗っていたかもしれない「お前を食い殺すのはこのイライザだ、もし孕めば産んでやる」いつもの口癖みたいなもんだ」


「そうだ、暗黒神様、使徒を呼ばなくていいのか?彼女にも質問したいことがあるんだろ」

「イライザ、暗黒神は止めてくれ、弥生と呼んで構わない」

「香織さん、悪いけどカーリアを呼んできてくれるかしら」

すぐに使徒が戻って来た


「イライザ様、本神殿に魔王討伐の報告をお願いできないでしょうか?弥生にも本神殿でエルダーリッチを救済した奇跡を報告してもらうのです、御一緒して頂けるのであるであれば私も嬉しいのです、気乗りしないとは思いますが、曲げて承知しては頂けないでしょうか?」


「暗黒神を封印したカーリア様と弥生様の前座として場を温めろと?確かに気乗りしないな、断りたいところだが欲しいものがあるそれを貰えるのなら引き受けよう」


「欲しいものとは、何でしょうか?個人の神殿を建立することなどであれば叶うでしょう、弥生のスキルで望みの場所に造らせます、これは女神様の威光を高める効果を狙っているので強制ですが、イライザ様の希望を仰って下さい」


「香織が欲しい、聖女には勇者が必要だろう?私が呪われたせいで勇者達3人の命を奪ってしまった、香織からも私が命を奪った分、子供を産むことで償うように言われているんだ、正式に香織の協力をもらうことを認めた上で最高司祭様から女神様の祝福を頂けるのであればそれ以上の喜びは無いだろう」


「素晴らしいですイライザ様、感動しました、使徒カーリアの名に懸けて貴女の尊い願いをかなえると誓いましょう、そうですね表向きは女神様の奇跡による処女受胎とさせてください」


「悪くない話だが、カーリア様には私が処女に見えるのか?」


「問題ありません、私のスキルで身体を最高の状態に再生できます、特別な神聖魔法を使る状態に戻すための効果を使えば処女に戻せます」


「なるほど、それで弥生様の身体がきれいなんだな、何度でも楽しめるとは羨ましい事だ」

気まずいのか嬉しいのか使徒の方が顔を赤くしている


「カーリア様のご厚意に甘えることにします、カーリア様と弥生様にも女神様の祝福の有ることを不肖ながらこのイライザにも祈らせてください」

60年前の口調で最後に祈りをささげた


香織が私のものなるなら多少見世物にされてもにも耐えられる、今1人分受精している残りの2人分の償いは私がもう1人、最後の1人は香織に産んでもらえばいい


魔王たちの償い不要だ、それも償えというなら弥生かヒルダに手伝わせてやる、私が種をまけば力を持った子供が期待できるだろう悪くない話の筈だ

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