54.イライザ
「弥生様!一大事だイライザだ!姉御と一緒にいた、このままじゃ姉御が食い殺されちまう!」
カーリアと楽しく語り合っているとスーザンが駆け込んできた、いつもの様に狼の姿ではなく人狼のままだ、相当慌てている
「すぐ行くわ、カーリア、封印を解いて魔王の力だけでいいから」
「何があったの?イライザって誰なの?」
「急いで、香織の命に係わるの、あとで説明するわ」
カーリアが渋々力を解放してくれた、急いで香織の部屋に向かう、イライザは単身で魔王を殺した化け物だ、私がニブルヘイムから魔王の力を受けついだ時に歴代の魔王の記憶も受け継いだ、特に印象的な記憶しか残っていないスポーツのハイライトシーンのような記憶であるが
1人の魔王が側近を蹴散らされたあと拉致され全てを吸いつくされたて殺された記憶が残っている、イライザはスキルも魔力も生命力も奪い取った、目的はわからないがその化け物が香織と一緒にいる
「へ~、お前が香織を振った魔王様か、うまく力を隠していたんだな、今まで気が付かなかった」
部屋を出て扉の前でイライザが待っていた
「香織は無事なの?魔力は感じるからまだ死んではいないようだけど」
「さっきまで2人で楽しいでいただけだ、素晴らしい贈り物を授けてくれた、香織には感謝している、魔王様も祝福してくれ」
笑顔で返事が返って来た
「そう、なら貴女を殺して取り返す」
スキルは奪われた様だ、アイテムボックスから直接首を狙って魔槍を繰り出すが首に届く前に十字に着いた穂先の根元を掴まれた
「危ないな、私じゃなきゃ首が飛んでる所だ何か恨みでもあるのか?60年前の魔王の事などお前に関係無いだろ」
「とぼけるな香織のスキルを奪っておいて何言う」
アイテムボックスの中のゴーレムを起動しゼロ距離で包み込むように12体分の拳を叩きつけるが打撃が反射されゴーレムの腕が破損した
「大したスキルねそれは誰から奪ったスキルなの?」
「人聞きの悪い事を言わないで貰えるか、私のスキル「贖罪」の効果だ攻撃や相手のスキル魔法も反射出来る、用途も幅広くてね、お前の言っている他人のスキルを奪う能力は私の身体を乗っ取ろうとしたサキュバスのスキルを反転して譲ってもらった、お礼に昇天させてやったよ」
「そいつが命を代償に呪いをかけてくれて迷惑している、必要ない程男にモテる、自我を失って襲ってくるくらいだ、そいつらから全てを奪う力も譲ってくれたから祝福でもあるかな」
「なかなか楽しかった、遊びたかったからあえて誤解は解かなかったが満足したしもういいか、香織からの贈り物は強力な子種だ、私の中で食われることなく受精させてくれた、正直期待していなかったが素晴らしい結果だ」
「ふざけるな、結果的に香織が助かっただけで、力を奪うつもりだったという自白でしょう、貴女は危険すぎる」
話しの間にゴーレムを修復した、今度は武器を持たせて襲う、カーリアから複製した封印のスキルでイライザの反射を妨害できるはずだ、それで駄目なら封印を破って暗黒神のスキルを持ち出さなければいけない、カーリアと一晩過ごし力を封印しているスキルを複製しある、そのおかげで封印を破る方法も解かっている
反射の発動を封じた上での攻撃が結界で防がれた、その結界は同時にイライザを拘束している
「弥生さんイライザは私が責任をもって飼うので武器を納めて下さい」
香織が騒ぎに気付いて部屋から出てきていたようだ、この結界も彼女のものだ、2人の戦いを止めた後で面白い事をいっててきた、イライザを飼うとは命知らずにすぎる
「香織さん、飼うというなら躾もしてくれるのでしょうね、スーザンみたいに放し飼いは駄目よ、イライザが神殿にいる男たちをつまみ食いをしたら保健所に連れて行ってもらうからね」
「酷い言い草だな、魔王様よ、保健所ってのはなんだ、呪いを解いてくれる場所か」
「貴女に保健所って言っても通じないわね、そうね病気の予防もしてくれる所よ、香織さん、サキュバスの呪いを解いておいて、あとは好きにしたら良いわ」
香織がサキュバスの呪いを解除し「蟲毒壺」に吸収したようだ
「最初に呪いを解いておけば良かったのですが、呪いだと気が付かないほどイライザさんに馴染んでいました、その事も含めてサキュバスの呪いなのだと思います」
香織が説明してくれた
「そうか、勇者達や魔王を殺させたのも、その後神殿に向かわなかったこともサキュバスの呪いか、私の聖女としての力が足りなかったのが全ての原因だ、香織、私を救ってくれて感謝している」
「それなら、償って下さい、貴女が奪った命の代わりに私の子を産むことが少しでも償いになるでしょう」
「香織、良い話のように聞えるが、考え方が同族を殺した女冒険者を捕らえた魔物のそれだが本当に勇者か?」
ひとまず危機は去った様だ、イライザを救った化け物いや勇者は私が育てた、私がイライザを救った言っても過言ではないだろう・・・駄目だな流石に過言だ、自分を騙すにも限界がある
それでも運がいい、この後香織の相手をしなくて済みそうだ、あのイライザを孕ませる化け物の相手をしていたら私はどうなっていたことやら、サキュバスに宿った暗黒神より手強いだろう、単純な暴力が最高の知恵や技術を越える事が有る、化け物同士で幸せになってくれれば有り難い
後で何か贈り物をしよう、そうだ、迷宮作成のスキルで香織のマンドレイク畑の近くに彼女たちの新居を作ろう少し離れた所で幸せになって貰うのがお互いの平和のためになるだろう、私にはカーリアがいるそれで十分だ




