51.復讐戦
対「魔導国」の作戦に区切りがついたほぼ目的を達成し「魔導国」の実権は魔人ニブルヘイムと井上美咲が握ることになった、八大貴族のうちキュヒラー家とクルーゲ家・ローゼンベルク家の3家を私の影響下に置くことが出来ている、今後の方針も話し合い日本へ逃げたヘルマンはカミラを通して千尋とミネアにまかせることなり、皆がそれぞれの本拠地に引き上げていった、私も引き上げるとしよう、カトレアを迷宮に転移させた後に香織が私に勝負を挑んできた
「これで2人きりですね、隙をつかせてもらいます、先ほどの続きをやりましょう」
スキルで神聖魔法の聖域を強化し「蟲毒壺」でポーションを生成する気なのだろう短剣を出している
「良い度胸ね、相手をしてあげる、だけど私も大事なカーリアの身体を綺麗なままにしていたいのよ女同士の勝負でいいでしょ」
女同士というと露骨に残念そうな顔をする、勇者として魔王に勝利したいのではなさそうだ、昨晩覚えた楽しみを私相手に味わうのが目的のようだ、私が元凶だが化け物を生み出してしまった
責任を取って女の悦びを教えてあげよう、そう思って私の寝室に誘った、結果は私の敗北だった、これは千秋のせいだ私の方が先に女の悦びを知ってしまっている、香織にそれを教えたころには私は昇天していた、化け物に新しい獲物の味を教えただけだった
それでも満足して寝室を出て行ってくれた、この状況を生かして男になって二回戦目に突入されたらカーリアにあわせる顔が無い、すぐに立ち上がれそうにないためベットに寝ころんだまま今回の戦果を頭の中で整理することにした
思っていた方法と違うが香織がクルーゲ家から絶対の忠誠を獲得した彼女の成長は有り難い、早太郎もいるし私が餌付けしている香織の従魔である人狼のスーザンも戦力として数えることが出来る、十分魔王に対処出来る戦力だろう
聖女ユリアとルイーズとオスカーの姉弟の3人に優秀な神殿騎士を3名も加えれば第二の勇者パーティが出来上がる、それに加えて魔人ニブルヘイムと美咲達のパーティもいる、私にはゴーレムが有り一人で対応が可能だ
いつ魔王が誕生してもその軍勢を含めて殲滅できるだろう
ただ一つ予定外の事故が起きたヘルマンをヒルダが深手を負わせ追い詰めたが日本に逃げられた事だ、逃がしてしまった事ではない、深手を負わせた事が予定外だ、無傷で日本へ逃走し復讐のために魔王として帰還してくれれば私のシナリオ通りだった
今までの魔王はこの世界の住人の魂に暗黒神が力を与える事によって魔王を誕生させている、次もそうなるだろう多くが魔人でダークエルフが選ばれることもあったが数人であるが人間から魔王になった者もいるヘルマンは最適な魂だったのだ、魔法も満足に使えない役立たずでは暗黒神を釣り上げる事が出来ない
カミラとヒルダ・ニブルヘイムと美咲達からしても討伐すべき最高の魔王が誕生する筈だっただけに残念だ何のために情報をリークしたか分からない
ヒルダの対応が予想を超えて素晴らしかったのもあるが、逃走すらまともに出来ないとはヘルマンがゴミ過ぎる、ここまで使えない奴とは思わなかった、カミラやヒルダは深刻に考えているがその内日本にいるミネアや千尋が見つけ出すだろう、自分を探している猟犬をこの世界に帰還する道具と勘違いして襲い掛かるだろう、死にぞこない狐の様なものだ魔王になることなど出来る筈がない
自分の迷宮で次の手を考えているとダリアがやって来た
「エア様、お客様です、サキュバスの身体を使っていますが強力な魂です、大広間でお待ちいただいています」
復讐を成し遂げるまで父の残してくれた二人の腹心には「エア」と呼ぶように命じている、何者だろうか?
「誰かしら、暗黒神様が陣中見舞いに来たのかしら?」
冗談で返しながらポーションを飲み心身を万全の状態に回復して大広間に向かうスキルで自由に階層を入れ替えられる、千秋を出迎えた時と同じ場所だダリアに幾つかの接客できる部屋につなげる権限を与えている、大広間に案内するということは戦闘になる可能性がある相手だ
「はじめまして「迷宮の主」アシュノットです、今日はどういったご用件でしょうか?」
「「魔王アシュノット」とは名乗らないのですね、私の愛しい初めての敵よ、別れの挨拶に来たわ」
また嘘から出た誠だ、私の言葉には「言霊」でもあるのだろうか?
「使い魔越しといえ、暗黒神様にお会いできるとは光栄です、「別れの挨拶」ですか自ら敵を倒しに来たのですか?」
面白い、武器も揃えている「言霊」を信じる訳で話無いが受けて立つつもりで返事をかえす
「神が自分で武器を手にして戦うところまで追い詰められたらもう勝負はついているわ、言葉通り「別れの挨拶」よ、本当につまらないもので悪いけど手土産も持って来たわ」
紫水晶だろうか?宝石をテーブルに置きこちらに滑らせてくる、見れば魂が封じられている日本に逃げ出したヘルマンの魂のようだ
「惜しかったな、無傷で逃げ伸びていれば、罠として機能したかもしれんが餌に鮮度か足りない流石にこれに喰いつくほど愚かではない」
「確かにつまらないものね、カミラに持って行って貴女の魔王になって貰えば良かったのに」
「そのゴミと同じで負けると判り切った馬に賭けたりしないの、神力の無駄遣いも良いところだわ」
「あらそう、少しとはいえ神力をつかって私の故郷でゴミ拾いをしてくれたのね、お礼をしないといけないかしら?」
「流石私の愛しい敵だ、変な言質も取らせてくれない、だから最後に賞賛を送ろう、お前は私が産みだした魔王に必死で対応するだけの女神などとは違い私を狙って復讐を実行に移した」
「初めて私の手駒を壊されるではなく奪われたわ、私と共に別の世界に渡らない?魔王として世界を手にすればいい、別の暗黒神の勝利した世界に光側の神として乗り込んでもいい、貴女ならその世界を救済出来よう。私を女神にでも神にでも出来るだろう、好きに信仰で作り替えればいい、憎い相手を道具に出来る、私も同様だがな愛しい敵が頼もしい味方になる、私を好きにして構わないわ」
「魅力的な提案ね、私の軍団が戦う相手がいなくて暇そうにしているところなの、でも貴方と組む気はないわね、見送ることにするわ、餞別にスキルと神器を差し上げるわ、スキルは「蟲毒壺」よ今の勇者のスキルを複製したわ」
「父が倒した勇者がスキルを複製するスキルを持っていたの、今では私のスキルよ、男女も異性同姓も関係なく一夜を共にすればスキルを複製出来るの、スキルの子供を産むイメージかしら、勇者はこのスキルを使えずに二重の意味で童貞のまま死んだわ」
「神器は父が女神の能力を解析して私が完成させたものよ、異世界から魂を召喚出来るわ、相手の同意が必要で説得時に嘘はつけないけどね、別の世界で女神様にでもなれば良いんじゃないかしら」
「大した餞別ね、私の持って来たゴミとは釣り合わないでしょう、代償はなにかしら」
「貴女はサキュバスの身体でここに来ていて、私は勇者が腐らせていたスキルの能力を説明したわ、これ以上の説明が必要かしら?」
「私から暗黒神の座まで奪いたいのね、魔王アシュノット様は女同士と、私が男に変化するのではどちらが好みかしら?」
「折角だからすべての組み合わせを試しましょう一週間くらいかかるかしら?」
「良いでしょう好きなだけスキルを複製して暗黒神になる資格を獲得すればいいわ」
暗黒神相手にカーリアの身体を使う訳にはいかない、里帰りの時に自分の遺灰を回収して前世での身体をベースに「魔王坂本弥生」の身体を準備している、楽しい復讐戦が始まった相手も喜んでくれたようだ、お世辞なのか本気なのか判らないが口説いてきた
復讐戦の結果としては引き分けだろうか?私が暗黒神のスキルを複製したため、別の世界に行くのでは無く私に暗黒神の仕事を押し付け、ヒモのように居座ろうとしたので追放してやった、ザマァをするために戻ってきたら返り討ちにしてやろう




