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47.状況開始

一悶着あったが「魔導国」の八大貴族の内乗っ取り済みのハインリヒ家以外の7家の割り当てが決まった、勢いで私が魔王の力を継承してしまったため、帳尻合わせが必要になる、聖女ユリアを中心とする「法王国」の対魔王の戦力と、聖女カーリアに恩義を感じて私のために力を貸してくれているルイーズとオスカーの姉弟に「魔導国」に手を出す大儀を示さないといけない


順序も真実も逆になるが本当の魔王に乗っ取られた「魔導国」を救うため、魔王が召喚し当主に入れ替わっているドッペルゲンガーを討伐する、魔王の手を逃れたハインリヒ家の当主が私に支援を求め、本当の魔王が邪魔になるため利害の一致する魔王ヒルダが子飼いの戦力を出して対応するということにした


千秋様が魔王ヒルダを擁立して和平を結んだ事は「法王国」の上層部の人間なら知っている、もちろん聖女ユリアもそのことをわかっているから私の下で指導を受けているのだ、魔王ヒルダの戦力を使うための「人間の国家間の問題に発展することを避けるため「法王国」の戦力を動員する訳にはいかない」と言う説明も筋が通っているだろう


2年間かけて信頼を掴んでいる私の言葉なら信じてくれる、私が魔王を討伐した際、最後の力を使って私を乗っ取ろうとした魔王の呪いに打ち勝ち逆に力を奪うことが出来た、いささか都合が良すぎるが納得させることが出来るだろう、エルダーリッチを救済した私と聖女カーリアの逸話は、カーリアが使徒になったことにより新しい奇跡として語られているのだから


香織の実戦訓練相手にはクルーゲ家を選んだ、代々毒や病の魔術を研究している家で女性が当主を引き継いでいる優秀な者を身分や種族すら気にせずに取り入れ、異世界転移者だろうとエルフであろうと力が最優先だ、そのおかげもあって美咲の対しても純粋に能力で評価して敬意を払っていた、逆に言えば能力が無いと見なされれば実の娘であろうと道具として使い捨てにする、ヒルダの復讐への優先順位も低くこちらに協力するのであれば見逃しても構わないと確認も取れている


私が担当するゴーレムの研究をしているキュヒラー家もさほど異世界転移に関与していない様で、私の好きにしていいという事だった、格の違いを見せつけて従属させよう、「魔導国」を救うという大義名分のためには人間の当主も必要だ美咲にも確認が取れた、彼女とは出会う機会が少なかったようで確執は無く忠誠さえ誓うのであれば当主を消すまでも無いらしい、この家に対するヒルダの考えもクルーゲ家と同様だ


この2家以外の5家の当主は捕られた後、ドッペルゲンガーに記憶をコピーされ能力を奪われた死んだ方がましな生き地獄に招待する、ヒルダ達や美咲達の気が済むまで死んで楽になることも許されない、その場で抵抗し殺さなければならない実力者も魂が残っていれば私の死霊魔法からは逃げられない、途中に生きたまま地獄を見るか見ないかの差で最後は魂が磨滅するまで楽になることは出来ないだろう




弥生さんが話をまとめ「魔導国」に対する復讐戦を始めることになった、この国がいかにヒルダ姉さんや他の多くの人間を苦しめたのか聞かされている、私が相手にするは比較的この非道に手を貸してはいない貴族だ、毒と病の魔術を極めた一族で、私が状態異常耐性のスキルを持ち神聖魔法を使用出来るため相手をすることになった


新しく手に入れたスキル「蟲毒壺」が相手の十八番を奪うことが出来る、当主のリーゼロッテ=フォン=クルーゲを分からせるのに適任だともいわれた、魔王であったニブルヘイム様が私のスキルの事を知って


「本当に勇者なのか?スキルが育てば魔王になれる潜在能力のあるスキルだ」

と驚き、褒めてくれた、あまり嬉しくない、コカトリスやマンドレイクを主食にしていたら勝手に生えてきたスキルだ、食材の毒抜きに使えるスキルとしか思っていなかったが、呪殺や毒殺、様々な状態異常を自由に使いこなせる危険なスキルの様だこの使い方が本来の使用方法だろう、意図していなかったが私の食事やスーザン達の食材の毒抜きでため込んだものが壺を満たし毒々しいでデザインの短剣が生まれた


この短剣をを魔法の杖の様に使えば好きな様に私が食べたり治療したり解呪した毒や病、呪いの効果を与える魔法が使用できるし、その効果を持った無色透明の濃縮されたポーションも作成できる、カミラ様の短剣の様に体内にしまうことも出来た、私が克服した毒物のシンボルがタトゥーの様に腕に絡まった状態で私に使われるのを待っている


自由に見えなく出来るし好きにデザインして刺青の様な模様を表現することも出来た調子に乗っていろいろな毒を試した、バジリスクやダークエルフ秘伝の毒薬も試している


私の血で育ったアルラウネ達も危険な昆虫やモンスターを誘引してくれた、昆虫食も悪くなかった良質なタンパク質が取れる、極彩色のキノコや見た事の無い木の実も収穫してくてた、このキノコは本当に美味しかった、美味しいから他のものに食べらえれるのを防ぐために毒を持つというのは本当の様だ、12色のクレヨンですらなかった私のタトゥーはフォトショップに進化していた


この世界に海はあるのだろうか?この世界のフグを肝ごと食べる日が待ち遠しいクラゲも楽しみだ、元の世界でも食べてはいけないカニやタコが生息していたのだ、この世界にはまだまだ私の知らない食材との出会いが待っているはずだ


スーザンと彼女の子分を二人連れて4人のパーティーでクラーゲ家の邸宅にお邪魔する予定だ

「突撃!貴族のうちの晩御飯!」

間違った気合を入れている、この言葉も弥生さんが教えたようだ、実益と毒殺に役立つため異世界出身の料理人やパティシエを保護して雇っている、それを聞いて付いてくることになった、毒入りの料理で歓迎してくれるかもしれない、毒や状態異常の効果を肩代わりする神聖魔法を事前に3人にかけておく、最悪の事態の備え行動不能になッた場合に自動で帰還できる魔法も自分を含めみんなにかける、その時には聖女ユリア様の待機する神殿に戻ることが出来る


もうすぐ作戦開始の時間だ、弥生さんが転移の魔法陣を用意してくれている、カミラお母様とヒルダ姉さん達も準備を整え待っていた、ニブルヘイム様と美咲さん達は時間を合わせ「魔導国」内で動き出す予定だ


「状況開始!」

銃器を装備したダークエルフの戦士を率いたカミラお母様とヒルダ姉さんそしてイザークさんがそれぞれの目標に向け転移する


「突撃!貴族のうちの晩御飯!」

その真剣さに水を差すような言葉をスーザンが叫ぶ、それでも苦労してダークエルフ達の転移が終わった後で叫ぶ程度の気遣いが出来るようになるまでに躾けた、最後に転移する弥生さんやカトレアさんと留守を預かるダリアさんが笑いながら見送ってくれた

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