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32.返礼品

朝起きると千尋さんだけが部屋に残っていた、千秋様たちは見合いの始まる12時までに自分の用事を片付けるらしい、彼女たちはアイテムボックスがあるので手ぶらで出かけられる、私も女神様よりアイテムボックスのスキルを授かっておりその便利さはわかっている、何か買いこんで持って帰るのだろうか?これ以上物騒なものを持ち込むのは止めて欲しい


「香織、基本的には私を今まで通りお母さんと呼んでちょうだい、その方が自然に見えるでしょ」

「それにしても、千秋様たちには振り回されて大変だったわ、貴女も私との事を含めて大変だったでしょう、良く眠れた?」

「大丈夫よ、お母さんは寝てないの?」

「あの後みんなのドレスを仕上げてその後コンビニで食事を調達してATMで現金を下ろしたり大変だったのよ、お札が新しくなっててひと騒ぎあったし」


「その金貨が現金の代わりだって、おいてあるのは貴女の分、宿代だって言ってたわ、買い取りショップに持ち込むのは手間だけどその価値はあると思うわ」

机の上に金貨が置いてあった、それなら貰っておこうかと、アイテムボックスしまう、ふと見ると流しにカップラーメンの空容器が2つ置いてある


「千秋様と坂本さんよ、この世界に戻ってきて無性に食べたくなったって、香織は夜食は食べないっていってたわ」

私の視線に気づいたのだろう千尋さんから声がかかる


「前川さんに宜しくね、ドレスはともかく宝石の事で聞かれたら、母さんの海外が海外の友人から手に入れたって説明しておいて、投資で十分に資産が有るから大丈夫だって」

「大丈夫かな?へそくりってレベルじゃないと思うけど」

「へそくりレベルじゃ無いのは否定しないけど、前川社長は私が資産家だって気が付いているはずよ、問題ないわ」

前川さんそこまで私たちの事調べてるんだ、私はこの時その程度にしか思っていなかった


「お母さん、前川さんのところに行ってそのまま会場に案内して貰うから、早太郎の散歩もあるしあとはお願いします」

「ええ、私もタクシーでお父さんを駅まで迎えに行って会場に行くわ、父さんは今日こっちに来るから」


「おはようございます、母が以前衣装を頂いたお礼にとドレスとそれに合うアクセサリーを渡しておくようにと預かってきました、こちらがそうです、サイズは私と同じなので大丈夫だと思いますが着てみてください、母が見合いの席で来てもらいたいと私のドレスと合うように仕立ててくれました、昨日ドレスを選んで頂いたのにすいません」

前川さんの家に向かいドレスを真理さんに預け、有紗ちゃんとお父さんの誠一さん共に早太郎と雪ちゃんの散歩に出かけた、散歩を終え帰ってくると真理さんの目の色が変わっていた


「香織さん、このドレスはどこで手に入るの?、あの宝石頂いて大丈夫?香織さんもドレスも着て欲しいの、早く着てちょうだい」

次々と言葉が出て来る、その勢いに逆らえす、急いでドレスを着てアクセサリーを身に付けた


「あなた、私達の姿をみて、すごいの今まで来ていたドレスがかすんでしまうわ、なによりこの布が素晴らしいのシルクだと思うけど私の知ってるシルクと別物よ」

「真理の言うとおりだ素晴らしい、宝石も一流品だ香織さんこれをどこで?」

困った、異世界の素材を魔法で仕上げたなんて言える訳がない、不自然にならないように説明しなければ、何とか無理のないカバーストーリーを作って回答した


「アクセサリーは母が海外の友人から手に入れたそうです、ドレスは昨日母が友人のデザイナーさんを連れて来てくれて、事前に神戸で用意していたパーツを私のサイスに合わせて完成させてくれました」


「これは柳行李かな、和風の旅行道具にドレスをしまうセンスが良いこれの出来栄えも素晴らしい」

「あなた、入れ物の事はいいから、デザイナーさんを紹介して貰いましょう、そうよ、デザイナー本人ならそれを作った職人のことも分かるでしょう」

男性と女性で興味を持つ対象が違う様だ、私は女だけれど柳行李の機能性の方にも興味が引かれていた、軽くて丈夫な旅の道具は素晴らしい思う、この世界にきてアイテムボックスを貰った後でも、魔王討伐の旅に対する備えを意識しているみたいだ、駄目だ感傷に浸っている時間は無い、真理さんが喜ぶ返事を考えないと


「デザイナーさんは今日、朝早く観光に出かけられました母なら連絡が取れると思います、電話で母に聞いてみますね」

スマホで母に連絡をする


「もしもし、お母さん真理さんがドレスのデザイナーさんを紹介して貰いたいとおっしゃっていて、連絡を取ることは出来そう?」

「香織、真理さんと変われるかしら?私からお話するわ」




めんどくさい事になったわね、香織も千秋様も出かけてしまっているし、確かスマホとか持ってなかったわよね、彼女たちはお互いは念話で連絡が出来るでしょうけど、そうだ早太郎なら香織に念話で連絡できる筈だわ


「もしもし、香織の母の千尋です、初めまして香織がお世話になったようで、ささやかなお礼の品です、気になさらないで受け取ってください、そのドレスのデザイナーは私が海外で知り合った私の友人で、たまたま日本に招待していたもので、無理を言ってドレスを仕立ててもらったんです」


「彼女が自分の作品を実際に着こなしている姿を見たいというもので、見合いの会場となるレストランを私が同じ時間に予約してあります、事前に話していくべきでしたね、前川さん達がよろしければその時に紹介させてもらいます」

「千尋さん宜しくお願い覚ます、お義父さんには私から説明しますから大丈夫です」

「すいませんが香織に伝えないといけない事がありまして電話を替わって頂きたいです」




「香織、貴女だけに伝えないと駄目な事が有るけど今大丈夫?」

「大丈夫よ、そのまま話して」

「私は外出中で千秋様たちはスマホを持って無いの、早太郎の中にフェンリルの魂がいるでしょ、念話で千秋様や異世界帰りの香織に連絡して説明欲しいの、難しいなら私の番号を伝えて連絡して貰ってくれないかしら」

「わかったわ、対応するね」


「真理さん、母が私の部屋に合鍵を置き忘れたみたいで、お見合いの時に持って来て欲しいと。今取りに行くので少し待って貰って大丈夫ですか?」


一度着替えてマンションの戻り念話を介して千秋様に連絡を取った電話番号を伝え説明は千尋さんに任せようとしたが、公衆電話が見つからない、小銭やテレカが無い、と言われ、念話で伝言ゲームになったため最後のはスキルを使って部屋に現れた


「こんなことになるならのスマホも用意しもらうべきだった」

と千秋様が愚痴を漏らされた私もそう思う

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