31.女子会
「ミネアさん明日お見合いだと聞いてるの、私のせいで面倒なことになってないか心配で、千秋様がこちらに来るという事だから一緒に来たの、大丈夫だった?」
香織さんが申し訳なさそうに聞いてくる、さっきまでこの部屋で話していた事は終わったかのように、話題を変えようとしてくれているのか?本当に香織さんの中では終わった事なのだろうか?私は彼女たちに付いて行くことを諦めかけた、これ以上関わってはいけない人たちだと
ミリア殿を蘇られてきてくれた千秋様や私と魂を交換してくれた香織さんまで恐ろしいと感じている
この世界で私は弱くなってしまったのだろうか?
幸せになることで失うことを今まで以上に恐れているのだろうか?
違うそれじゃ駄目なんだ!幸せを守るために強くならなければいけないそう思い直した、私は聖女候補として旅をした、カーライル殿と南神殿まで辿り着いた、千秋様と共にフェンリルで空を駆け使命を果たしミリア殿を蘇らせたんだ、そしていま私はこの世界にいるんだ、必死に自分を奮い立たせる
「大丈夫です、今日見合いの一足先に本人とお目に掛かりました、素晴らしい出会いでした、感謝しています、私が香織さんに謝らないといけないくらいです」
この言葉を返すまでにしばらく時間がかかってしまった、胸を張ってこの世界で幸せになる、香織さんが私の故郷を好きになってくれる為にも未練や不安を残してはいけない、千尋さんの娘になれた事を誇れるように生きなければいけないそれが今の私の使命だ、使命を果たした時には心からお母さんと呼べるだろう
「それならよかったわ、私も向こうの世界で楽しんでるわ、早太郎に恋人が3人も出来て喜んでるの」
香織さんも楽しんでいるみたいだ、気持ちが軽くなった、ああ明日が楽しみだ、私も楽しんで生きようこの世界が私の新しい故郷になるんだ
「香織、前川さんから衣装を頂いてばかりででしょ、気にしなくていいとは言われてるけど何かお礼をしなければと思ってるの貴女がなにか出来ない」
「お母さん、急にそんなこと言われても私に出来ることなんて・・・」
「異世界土産とかあるでしょ、あっちの美容液とか作れないの?無理ならカミラ様からいただくことにするけど」
親子で相談している、黙って聞いていると私に話が来た
「ミネアさん前川さんが喜びそうなものに何か心当たりがあるかしら?」
「真理さんはお洋服がお好きみたいですけど、私と服のサイズが同じで明日のために彼女の服を着させて頂いた時に初めてお話したくらいで、それ以外の事はわからないです」
「香織、女神様から生活魔法を貰っていたわよね、素材は私が出すのでドレスに仕上げなさい、専門の裁縫スキルじゃないけれど、スキルレベルが高ければ十分満足してもらえるものが仕上がるはずよ」
千秋様が解決策を出された、そうして私をマネキン変わりにしてドレス作りが始まった
「折角だからミネアもドレスも仕立ててもらいましょう」
千尋さんも乗り気の様だ、坂本さんは錬金術で宝飾品を作ってくれるみたいだ
まず私のドレスの仕立てから始まった、千秋様が白い布を用意して、香織さんが生活魔法で裁断し縫製を行う、百合がモチーフのようでスカートに6枚の布を縦使い動きやすくなるように出来ていた、まっすぐ立てば蕾のように、歩くとスカートが揺れ、一回転すれば花びらが開いたように見える、布には光沢があり絹の様だが強度が違う、千秋様が言うには特別な蚕が作る繭から出来るらしい
防具としての効果も高く、その用途に使い加工や魔法を付与すれば鎧以上の強度をもち魔法への耐性も付けることが出来る素材とのことだ、今回は物理的な防御能力だけが付与されている、少しデザインを変えもう一着仕上げて頂いたそれらに似合う宝飾品を坂本さんが作ってくれる宝石まで錬金術で作成してくれた、人造ではなく天然の宝石に見える仕上がりだった、ここで入手しようとすればいくらかかるのだろう、守護の魔法もかかっているように見える
「千秋、あとで私たち用にペアでドレスを仕立ててもらうから、それで借りを返してもらうわ」
坂本さんも楽しそうだ
「香織、そのままでは持っていけないから、これで柳行李みたいに仕上げてちょうだい」
千秋様が何か植物の素材を出して香織さんに渡す、見事な衣装ケースが仕上がったドレスと宝飾品を保護用の布で包みぴったりと収まった、明日見合いの席で真理さんと着る衣装にとの事だった
千尋さんが明日の見合いの会場となる料理店にを3名で個室を予約している、千秋様と坂本さん・香織さんが見合いを見守るためだ、私たちも大人数用の個室だが魔法で様子を見ることが出来る
「ミネアさん先に休みなさい、時間をとってしまってごめんなさい、明日早い訳ではないけど睡眠不足で見合いに出るのは失礼だわ」
この後、千尋さん達の衣装を仕立てる様だ、ワンルームだが香織さんが魔法で遮光と遮音をしてくれた、静かでいつもより環境が良くすぐに眠れるはずなのになかなか眠れなかった、さっきまでの緊張と明日の見合いが楽しみで心が高揚しているのだろう




