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26.坂本弥生

私は、この世界に無理矢理呼び出された、勇者の魂を贄の中心として様々な触媒を使い聖女の身体を依り代として、女神の奇跡を自らの手で再現しようと試みたエルダーリッチの仕業だった


その儀式は不完全であったが一部の点で女神の奇跡を越えていた贄となった勇者のスキルを引き継ぎ私自身の魂に由来するスキルも生み出された、私の魂由来のスキルは前世で熱中していたミニチュアゲームの影響だろう兄が手を出したがランダム性が高く趣味に合わなかったため私にまわって来た、それぞれの駒のコストと能力を元に自分の軍団を編成し対戦する、駒に塗装を施して自分だけの駒を完成させる、それが私のスキルの「軍団」の基になった、それだけではなく多くの触媒が私の能力を引き揚げてくれていた


エルダーリッチも馬鹿ではない聖女の魂に契約で自分に逆らえないよう首輪をつけていたそれを私の魂に刻み付ける予定だったが聖女と私の魂の相性が悪かったようだうまく融合せず聖女の魂は不完全な状態で残り契約の首輪も破損していた、私の魂も世界を渡る際に傷ついていた、その傷を癒すために私はエルダーリッチの魂に喰らい付いた、今までに贄にされたものや実験台にされた者たちの怨念が私を助け突き動かし、エルダーリッチの足を引っ張ったその結果私は彼の力も手に入れた、知識や技術・研究に対する執着と共に、喰らった魂で私と聖女の魂を修復する事が出来たが聖女の魂は破損が大きかったため不十分だったがそれが幸いして身体を共有することが出来た


エルダーリッチの執着は私のスキルの進化への執着に変わりミニチュアゲームでネクロマンサーの軍団もあったこともあり相性も良くアンデットだけではなくゴーレム・異界からの恐怖など様々な軍団を手に入れ磨き上げていった、魔王からの参戦要求は撥ねつけた、これはカーリアの願いでもある、適当にエルダーリッチのおさがりのアンデットを送ることで納得させたが、状況が悪くなったのか救援要請に変わったが無視した、怒ったとて、こちらに差し向ける戦力などない、刺客を送ろうにもダークエルフからも見捨てられていた


聖女の身体は実験をかねて様々な呪いや加護、寿命の延長などをエルダーリッチが施していたが役に立つものだけを残して最適化した前世で駒を塗装して仕上げる様に丁寧に、その後私は迷宮を整備しながら自分の研究を進めた、カーリヤはエルダーリッチの被害者の魂を救い遺体を埋葬していった、私達二人はそんな暮らしの中次第に信頼や友情を深めていった、魂を融合することも今後の選択肢の中に上がっていた、そんな中使徒が私達の迷宮を訪れた


私がこちらに来る少し前にこちらに来た勇者で魔王討伐を果たし使徒となった、彼女のお陰て私は魔王や他の魔王軍の介入を受けずに自分のやりたいことが出来たともいえる、エルダーリッチは私を勇者にぶつける気でいたのか、魔王の座を奪う道具にしたかったのか彼の記憶の残骸にいくつかの野望が見てとれた


世界の状況を把握するため使い魔や超小型のゴーレムを私の目や耳としてはなっている、女神の奇跡と比べれば魂の状態が安定しないためカミラやカインの持つ短剣は危険で目障りだ常に監視している、そして絶好のチャンスがやって来た


神殿騎士がカインの短剣を弾き飛ばした、それに合わせて短剣とカインの繋がりを弱めるためゴーレムを通して魔法で短剣に干渉した、上手く聖女候補が短剣を拾い上げカインを返り討ちにしてくれた、護衛の神殿騎士を含め彼女たちが優秀で助かった


これがカミラの持つオリジナルならこうはいかない飛ばされた短剣を自由に回収できる、投擲して一人の敵を倒しすぐに手元に回収して別の敵の喉を切り裂く場面を監視していて見たことがある


その後彼女たちの動きを追っていると使徒が降臨して楽しい悪巧みをしている歓迎の準備をしよう、使徒の顔とカミラがスキル発動の際に彼女の前世での名前を言っていた、使徒は知らないだろうが縁がある人物だこの世界で初めて会う同郷の魂だ、聞いてみたいこともあるし趣味も合いそうだ


会談の結果ほぼ予定していた結末に落ち着いたカーリアの魂を女神の元へ返すことが出来た、副産物として魂の不安定さも消えたカーリアとの別れはつらいが新しい人脈も拡がっていくだろう、そろそろ20年の引きこもり生活から抜け出そう


さて、この後の謁見までのに処理すべきことがある、カミラは使徒の前世の名前を調べ上げる手段を持っている、その気になれば私の前世を調べることも出来るだろう使徒の様に真名を守るような命名をしていない、生まれ直すか、自分で自分を生み直すのが確実だが魔法で時間を短縮できるとしても無防備に時間が出来る事は避けたい、胎児の状態で母体を操る事目できるが最終手段だ、胎内回帰の儀式で名付けをすることで対策としよう


謁見での自分の立ち位置を明らかにしないといけない今までエルダーリッチが健在であるように装っていたが使徒に私が迷宮の主だと話している、魔王にも説明する必要があるだろが使徒の意向も確認しなければならない極端な事を言えば陣営を鞍替え出来る絶好のタイミングでもある、エルダーリッチのスキル「迷宮創造」から私が育てた派生スキルで迷宮を丸ごと引っ越しできる両陣営の境界付近に緩衝地帯として居座っても面白そうだ


迷宮の入り口を一時封封鎖しの深層で急ぎ儀式の準備を整える、疑似的にだが死後に魂が肉体を離れ輪廻転生を果たし受胎し誕生する流れを体験する、そのあと自らに名付けを行う「坂本 カーリア ■■■■■ アシュノット 弥生」聖女の名と「異界からの恐怖」に由来する人間では発音できない名前、そしてエルダーリッチの名を加え新たな真名としたこれで「坂本弥生」と安心して名乗ることが出来る


儀式が終わり、その片付けをしていると迷宮の入り口が騒がしい使徒が来ている

「坂本さ~ん、遊っそっぼ~!」

使い魔を通して使徒の声が聞こえる、謁見の日程でも決まったのか?カーリアの魂を女神の元に返した後急に距離を詰めてきた、距離感がバグっている遊ぶとはどういう意味だろうか?扉を解放し広間に向かうと使徒が出しっぱなしだったテーブルに座り私を待っていた謁見では魔王たちにはエルダーリッチの代理という名目で参加して欲しいとの事だ、使徒がエルダーリッチと話を付け弟子の私を使者として送るという筋書きのようだ5年後を見据えた仕込みを始めている


「坂本さんなら対戦できるよね、貴女の兄が妹にスパーリングして貰っていると言ってたし、貴女のデッキもあったんでしょ?私のスキルで再現出来るから遊んで欲しいの、女神様は相手してくれないし、あなた経験者なんでしょ?」

「三澤様、サボっていて大丈夫ですか、降臨には時間制限があるのでしょう?聖女候補や神殿騎士の遺体を回収されていたようですし、仕事が溜まっているのではないですか?」

「詳しい事は言えないけど、彼らの死体は状態を保全する魔法をかけているし、奇跡で復活させる者の選定やその後の所属について最高司祭達の意向を調整して貰っているの、復活させる仕事はその結果待ちなのよ、勇者も優秀なようで人狼のボスを手懐けたから、私の仕事は順調よ、将来的な仲間と親睦を深めるのも仕事の内だよ、だから付き合っ欲しいの」

と言いスキルの発動の許可を求めてくる


「少しなら付き合っても構いませんが、その勝敗で相手を服従させるような能力はないですよね?それと別の話しですが私のデッキは対戦相手を不快にさせる事がありますが構いませんか?」

「坂本さん、まず「三澤様」を辞めにしない、千秋と呼んで、貴女が気にしてる能力もあるけど試合前に双方の同意が無いと発動しないから安心して、デッキの事は気にしないからだいじょうぶよ」

「でしたら千秋さん私も弥生とよんでください」

「真名を教えて大丈夫?最初にあった時警戒してたじゃない、スキルの事は気にしてたのに、距離が近づいたからって油断しない方がいいわよ」

「ご心配無く、対策済みです、距離が近づいているので逆手に取るために悔しがる振りはやめておきますね」


「そうなんだ、親切に教えてくれて嬉しいわ」

「そういう事なら弥生さん、3本ゲームの2本先取でゲーム間で入れ替え用カードのチェンジもありでやりましょう先手はゆずるわ」

千秋が兄達と大会でで対戦していたレギュレーション、サイドボード有の大会ルールでの対戦となった、千秋のスキルで当時のデッキが再現される


私のデッキは手札破壊デッキだ、相手の手札を捨てさせデッキの中心となるカードを除外、相手の操るクリーチャーを除去して何もできなくなったところをクリーチャー化できる土地で少しずつ確実にダメージを与え勝利する、土地破壊デッキと並んで嫌がられるデッキのひとつだ、1ゲーム目を勝利し対戦相手のデッキの情報も手に入れる、サイドボードから投入されるであろう対策カードを無駄にするため手札破壊カードをクリーチャーカードに入れ替え2ゲーム目は使えないカードを手札に抱えた千秋を速攻で殴り倒した


「まさかここまで一方的に負けるとは思わなかったわ、貴女のお兄さんより強いんじゃないの?」

「そんなことは無いですよ、今のは初見殺しみたいなものです、貴女のデッキの内容は知っていましたし、兄とのスパーリングで使って動きも知ってますどのカードを捨てさせればいいかも良く解かりますから、次は同じデッキでのミラーマッチはどうですか?」

その後少しではなく丸一日楽しみ、寝室を用意した


「いつもカーリアが側にいたからさみしくて、一緒に寝てくれませんか?」

と誘ったら受け入れてくれた、その後寝室での対戦も楽しんだため一睡も出来なかった、千秋のファンだった兄が知ればどう思うだろうか

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