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22.アフレコ

私はこの魔法の無い魔物のいない平和な国にやって来た聖女候補に選ばれて試験を兼ねる旅に半ばにダークエルフの短剣に呪われそれを克服するためここにいる、克服したのち再び戻る選択肢もあるにはあったこの平和な世界から私に変わりに故郷に渡ってくれた魂、その魂が宿っていた身体にわたしの魂が宿っている


ここで呪いを克服し彼女が戻る身体と彼女の生きる場所を守れば帰ることも出来るはずだ、彼女には見合いの話が進んでいた条件は良いらしいが彼女は乗り気ではない様だ、それとは別の事情が彼女にあり私が育った世界でこなさなければいけない仕事があった、だから私にこの身体を貸してくれたお互いの事情を話し合った、その結果私たちは故郷に未練を残したままではそれぞれの路をまっすぐ歩む事は出来ないと帰還を諦めそれぞれの路を進むと決めた


だからといって彼女の家族や友人の事を気にせず自分の事だけを考えて自分勝手に生きる訳にはいかない、祝福であるこの平和で私を幸せにしてくれるはずの世界は短剣の呪いにかわる新たな呪いでもある


ここへ導いてくれた女神様はこの世界で苦労しない様にスキルを送ってくださった言葉に困ることは無いここには先に私の世界から渡って来たフェンリルの魂が彼女の愛犬の身体に宿っているスキルのお陰で意思疎通も出来る、わたしの頼れる先達だ、彼女の記憶を把握できた私はこの世界で「犬飼香織」として生きるのだ


スマホに着信が入る初めて見るこの魔道具、いやこの世界の機械の使い方もわかるい致せり尽くせりだ、はじめてなのに問題なく通話を受ける

「もしもし犬飼です」

「おはようございます、佐々木です今日午後からのアフレコの件でお電話致しました、13時に迎えに行きますのでよろしくお願いします」

「解かりました、楽しみにして待っています」

「では失礼します、よろしくお願いします」

会話を終え通話を切る、彼女がとても楽しみにしていた、私にはその感覚が分からない、勇者の活躍を広める人形劇が私の世界にあった、そのようなもののようだ」


約束の時間の10分前に再びスマホがなった迎えに来てくれたようだ彼女の自動車に乗りスタジオに向かう、彼女が会いたがっていた声優さんに握手して貰いサインを貰うそしてアフレコの見学、の後私がゲストとして一話限りの脇役に声を入れる、自分自身にはたいして思い入れは無いがその道のプロが真剣に行うものは美しいと魅入られた


「アドリブで好きにやってもらって大丈夫よ、こちらが合わせるから」

と彼女憧れている声優が声を掛けてくれた

わたしの役割は聖女候補の指導役だ、彼女たちに魔王討伐の厳しさを教えるというものだったアニメの内容に不思議な縁を感じる「異世界転生」した聖女が拳と身体強化で勇者の出番をを奪いながら魔王を倒す話、そんなことが出来れば苦労はしないと苦笑する、好きにやっていいようだ注文通り現実を教えてやろう私のセリフで鼻持ちならない貴族出身の候補に現実をわからせ朝食べた食事を吐き出す、気にせず気にせず平気な顔で主格が評価される流れだ、私は背後からのカットで聖女候補の正面を写すため唇の動きにタイミングを合わす必要はない気楽にいこう

「聖女候補の諸君、出された朝食はしっかり食べたか魔王討伐に料理人はついてこない、あれでもましな方だちなみにの素材はオークの希少部位だオスから取れない珍味だ旨かっただろう?」

「うっ、おええっ~」

「今は吐いたやつ荷物をまとめて帰れ!聖女候補としては失格だが察しの良い利口な頭は別の場所で役に立てろ!」

「まだ残っいてる、冷めた状態でもそれが食えるやつが合格だ」

「まだ食べていいんですか?美味しかったです、嬉しい~」

「貴女あれが何の肉が分かっていないのですか?オークのペニスなんですわよ」

「「「おえっ~~」」」

「今吐いたやつもお帰りだ!荷物をまとめろ!」

調子に乗ってやり過ぎたが流石プロしっかり合わせてくれた

監督からもOKが出た映像を編集して使うらしい一部の音声には「ピィーーー」と修正を入れる様だ、何故か評判が良かった


アフレコが終わり佐々木さんか

「来週制作発表会が有るんですがコスプレして参加して貰えないですか?出演料も出しますので」

詳しく聞くと主役のコスプレで神官衣を着て空手の型を披露して欲しいようだ予定も空いている露出も無いし承諾した佐々木さんに送ってもらい食事をご馳走になった、少し遅くなったが散歩を済ませその日が終わった



「やりましたよ制作発表会でコスプレして空手の型の演武をしてもらえますよ!」

「そうかよくやった」

「ほかに仕込みの準備をしています楽しみにしていてください」

他に人はいないが上司に報告を入れる、喜んでいる様だが同時にメールで関係者にも報告する、今回も手柄は譲らない



制作発表会の日が来た衣装のはデザインは少し違うが私のもとの世界で着ていたものに近い、舞台で型を披露する、写真や動画を取られている様だ、司会のお姉さんが私の紹介をしている「美人JDリアル異世界転生」とは何の話だ?聞かなかった事にして脇に控える、私がアフレコに参加したことも紹介され「井階香」の名も発表された


監督や原作者、出演者の挨拶が続くなか観客の中に妙な男がいた舞台に近づき奇声を上げながら舞台に上がる、素早く駆け寄り投げ飛ばす持つていたナイフを取り上げアイテムボックスにしまう制作発表会を台無しにしてもいけない

「私も前で悪事が出来ると思うな私が許すまで隅っこでスクワットでもやってろ」

神聖魔法でスクワット2時間の使命を与える魂交換のお陰で無詠唱で使える様になっていた力も上がっている、ざわついていたが演出と思われた様だ舞台袖で佐々木さんが青い顔をしているその横で上司らしい人佐々木さんの肩をたたきサムズアップしている


しばらくすると質問タイムが始まったその内の一人がわたしを指名して質問をしてきた、大きな男で学生相撲の選手か悪役プロレスラーみたいだ

「僕が異世界転生したらどうなりますか?」

と聞いてきた

「お前などオークに転生するのがせいぜいだ冒険者に狩られてしまえ」

「僕には根性があります勇者は無理ですか?」

会場も沸いている

「なら舞台に上がって腕立て伏せしてみろ」

本当に上がってきて腕立て伏せを始めた、司会のお姉さんが空気を読んで回数を数え出した

「少しは根性が有るようだな褒美をやろうろ」

と言って彼背中に私が座るそれでも腕立ては続いた、30回を超えたので背中から降り

「確かに根性は有るようだハイオークに転生して主人公の故郷の村を襲えるだろう」

と言ってやった、観客から拍手が上がり気が利く司会のお姉さんが褒美にアニメのグッズのセットを渡していた

その後私は隅っこでへばっている襲撃者の尻を蹴り上げて

「おい犯罪者お前も根性を見せろ」

と言いながら彼の疲労を神聖魔法で癒すとスクワットが再開した後はイベントが終わるまで無言でへばるたびに尻を蹴り上げてから癒すを繰り返した


「釈放だ二度とこんなことはするな常に私が見ているとおもえ!」

イベントが終わるとスタッフ様に用意されている飲み物のの中からスポーツドリンクを数本投げつけ家に帰る様使命を与え追い返した、ここでも笑いが起きていた、みんなイベントの仕込みだと信じている様だ



「佐々木、よくやった少々やりすぎだが受けていたじゃないか、犬飼さんも素晴らしかった」

どうしよう私はそんなこと仕込んではいない、私が仕込んだのはハイオークの方だ犬飼さんに質問してくれと頼んだだけだあれも受けていたが本当の襲撃事件の前では霞んでしまった


出演する声優が最近結婚発表していた、彼女のマネージャーに連絡を取り注意喚起する、後日マネージャーから連絡があった、声優のSNSにDMを送り付ける厄介ファンがいたようで殺人予告が直前に送られていた、今回の事件で推し変したようで今後は大丈夫だろうと、マネージャーも話を大きくしたくないらしい声優本人にも黙っておくそうだ、SNSの管理もやっている様で殺人予告も削除したらしく、お祝いや見せても大丈夫な程度のお気持ち表明に埋もれて声優は気付いていない


問題は推し変の相手だ犯人のSNSを確認すると「井階香」のファンになっていた

舞台で投げ飛ばされスクワットをさせられながら尻を蹴り上げられる、すると普段から運動不足でとへとへとだったのに元気がでる、ついにイベントの最後まで続けることができた、最後にペットボトルを投げつけられた、素晴らしいご褒美だ、デビューに立ち会えて最初のファンになれるこれは運命だ、それ以外にも気持ち悪い投稿が並んでいる


急いで犬飼さんに連絡した、しばらくすると解決したと連絡が入ったどう解決したか判らないがその後気持ち悪い投稿は無かった、彼女の空手の腕前ならもしもの事が有ったら大変と逆の心配もしたが、普通の投稿は有るので闇に葬った訳ではない様だ、これ以上は触れないでおくことにした



「今日は素晴らしい日だった新しい推しに出会えた、ファンを裏切つて結婚発表する様な尻軽とは違う彼女にもっと尻を蹴り上げて貰いたい」

前の推しのCDや写真集をボロボロにしながらネットで新しい推しの情報を集めていた、住所を調べ花束を持ってマンションで出待ちする



「井階香さん、ファンです、またボクの尻を蹴り上げて下さい!」

イベントでスクワットさせた犯罪者がやって来た、佐々木さんから気を付けるよう言われていたがここまで来るとは思わなかった、事前にフェンリルと相談した対応を試すことにする


「感心ね、ここじゃ邪魔になるから駐車場の方に行きましょう」

フェンリルに見張りをお願いして、他の住人や防犯カメラの死角に移動し、尻をこちらに向けさせて跪かせる


「少し痛いわよ、目を瞑りなさい、いつ蹴られるか分からない方が気持ちいいでしょ、せっかくだから別の御褒美にしようかしら、すこしチクッとするわよ」

大人しく目をつむった男の首に短剣を少し突き刺す、一度魂を抜き取り元々の推しや私に関する記憶を消す、魂交換の影響か短剣の能力を使いこなせるようになっているみたいだ、想定通りの結果が得られた

傷を癒し気を失っている状態で魂を身体に戻したあと偶然発見したふりで彼を起こす


「大丈夫ですか、こんな所で寝ていると車に轢かれますよ」

「えっと、どうして僕はこんなところに、あっ ありがとうございます」

彼に駅までの道を教えると花束を持つて来たことも忘れているようだ置いたまま帰っていった、花束に罪は無いのだが気持ち悪いので駐車場のゴミ箱に捨てた


上手く言ってよかった最悪の場合アイテムボックスに死体をしまって処理しなければいけないところだった、間引いた方が世間の為になる人間だが流石に後味が悪すぎる、この時少し魂を傷つけていたようだそれが幸いしたのか彼はこの後真っ当に人生を歩んでいった

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