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197/200

197.魔弾

お互いに武器による接近戦を選択していた、狂気に落ちいっても矜持が残っているのだろうか?直接自分の手で家族だろう2人の敵を切り刻みたいのか?1対1の戦いが始まった


ロラン殿もセシルも割って入る様な無粋の事はしてこない、そういう意味では殺すのではなく無力化しようとしている私だけがこの戦いに真摯では無いのかも知れない相手のレイピアを受け流しながら少しづつ後退していく


「気遣いは無用です、殺して開放してやって下さい」

ロラン殿が私が押されていると思ったのだろう声をかけてくる


何とか相手の突きをギリギリで躱してレイピアを握る腕に傷を付ける


「毒か、必殺の毒もわずかに痺れるだけだ、暗黒神に魂を売った代償としては些か不満だが私が先に裏切ったにしては温い事だ、じっくりと復讐を味わいたいところだが少し急ぐとするか」

哀れな事に古エルフや私をダークエルフと認識している様だ


多少毒に対する耐性も得ているらしく石化までには至らない、香織からこの短剣を貰ったのは5年程前の事になるが短剣の能力は固定で進化はない、使える毒等の効果や強さは作成時の香りのスキルに依存している。私に出来るの事はそれを組み合わせ調合する事までだ


だからこそこの戦いを長引かせなければいけない、もう少しで手札の補充が完了する、相手は決着を急いで精霊魔法も合わせた戦い方に切り替えてきたが、相手に付き合って純粋な武器での戦闘だったがイザベルの身体は精霊魔法の方が戦闘力を発揮できるため少し楽になった


最初から殺す気なら竜巻を起こして終わっているだろう、多少森を傷つけるが早く勝負を決めれば結果的に森への被害は少なく出来ただろう、今の相手の魔法で火災が起き、私の起こす風が木の枝を切り裂いている、互いに魔法を躱して互いの距離が離れて詠唱を伴う強力な魔法の準備に入った


大人しく勝負の行方を見ていたロラン殿やセシルも距離を取りながら心配そうにしている、共に駆けつけた古エルフの戦士達は非戦闘員の避難を誘導している、ここまでの戦いで邪魔なモノは無くなり私の準備は整った


「これで決着だなダフネ3人纏めて地獄に堕ちろ」

右手に完成した火の精霊魔法が宿っている


「そうね決着の時間よ」

私の言葉と共に魔法を放とうとする男の右肩を弾丸が貫いた、遅れて銃声が聞こえる


制御を離れ暴走する火の精霊魔法に水の精霊魔法をぶつけて被害を軽減させる、後には手足を石化された状態で呆然と立ちすくす老いた古エルフの姿があった





どうやら決着が付いた様だ、眠らされ脂汗を流しながらうなされ苦しんでいる古エルフ達を夢を見ない程深い眠いに導いた所でアンジュが合流した


「珍しい毒でち、この世界は新しい発見と出会いが沢山あるでち」

盃に残る酒を下で舐めて喜んでいる


「夢魔を呼び込んで悪夢を見せる効果が有るみたいでち」

アンジュが毒の解析を始めている


即死する毒では無さそうだし応急措置ではあるが悪夢からは解放されているので急ぐ必要は無いためアンジュに任せる事にした


「サンプルも沢山いきた状態で残っているでち、複雑な組成でも再現可能でち、夢魔も捕獲出来そうでち」

何か魔法的加工を施した水晶を出した


次に眠っている古エルフ達の頭冷に氷嚢を置くように置いてまわっている見ていると透明だった水晶が薄紫に染まり次第に色が濃くなっていく最後には黒に近い濃い紫に染まっていた


「終わったわ、流石5年の間に毒も進歩しているのね」

ポーションで銀髪を金髪に変え肌の色をエルフらしい白に変えたヒルダ姉さんが声をかけてきた


「狙撃用のライフルは魔力で強化した素材に置き換わっているのに火薬の弾なのね?銃声が聞こえて来たわ、魔法を封じ込めた弾の方が威力が高いって話じゃなかったの?」


「相手は狂気に染まっていたけど魔法には敏感だったわ、出来るだけ気付かれない様にしたかったのよ」

ヒルダ姉さんが私の疑問に答えてくれた


毒は効果はあったのみたいね、後は古エルフに任せて問題なさそう?こっちのお眠さんの解毒はもうすぐ終わるわ、今アンジュが夢魔を捕まえたところよ」

アンジュが解毒を始めないので私が神聖魔法で治癒した


「カオリママ、夢魔を師支配出来たでち、悪夢を癒すために今度は楽しい夢をプレゼントしようと思うでち、古エルフには新しい命が必要だと思うのでち」

アンジュが馬鹿な事を言い出した過去のやらかしが思い出される


「待ちなさい、安全が確保されるまで子作りは待たないと駄目よ」

見れば水晶の色が濃ゆいピンクに変化している


「そんな、夢魔もやる気になってくれているのでち」


「後でダフネさんにあげれば良いでしょう、有効につかってくれるでしょうから」

また暴走しそうだから軌道修正を測る


「カオリ様、良ければ私にその夢魔たちを譲って頂けませんか?」

ドライアードのセフィーさんが言って来た


「アンジュその水晶を貰えるかしら」

渋々渡したくれた水晶を浄化して悪意を消した後に暗黒神の支配が残っていない事を確認する


アンジュが上手く支配術式を上書きしていたのでそれを解除して完全に開放した後で支配の術式を組み上げて主人としてセフィーさんに託して水晶を渡す


「ありがとう御座いました、古エルフはなかなか子孫を残すための営みをしないもので」

多少複雑そうな笑みを浮かべながら感謝の言葉を伝えてくれた


「私の森の不始末に巻き呑んでしまいました、この御恩は忘れません」


「ここまで来たのでもう少しお節介をさせて貰いましょう、お互いに利益がある関係を築いていきましょう、後は此方の世界のドライアード達と話し合って貰いましょう、私は迷宮に引き揚げますので」

ヒルダ姉さんが答えてアンジュを誘って世界樹の下の根で造られた通路に降りて行った


確かに落ち着けは外見を変えただけでは敏感な者は正体に気付く者もいるだろう、今までダークエルフと長く深い因縁が有るのだろうから猶更だ、人間の私は大丈夫なのだろうか?ドライアードの2人と共に行動しよう

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