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196.狂気

愕然とした、結界の中に邪悪な魔力を持った何者かが侵入し暴れている、イザベル殿や彼女の率いるドライアード達の関与が頭によぎりもしたがもうその必要は無い筈だ、世界樹の一部であるセフィー様も心を開いていおり地下から結界内への出入り口さえ提供しているのだ


セフィー様が私が偽物や支配されていない事を証明してくれる、後は頭の固い長老達を説得すれば正式に部族の長として今後の話し合いが出来ると喜んでいた所だ、目障りな長老を黙らせるために自演をする等と言う必要は無い所まで事前の交渉も進んでいたイザベル殿に利点など存在しない筈だ


優先すべきは侵入者を倒す事だ可能であれば捕らえて目的と侵入方法を吐かせたい、そうすれば今後の信頼関係を構築する助けになるだろう、幸いな事に侵入者は1人と思われるがまだ有効な時を測り潜伏している可能性は否定出来ないが伝わってくる魔力は大きく1人だけでも十分な脅威だ


「ロラン様ご無事だったのですか?」

部族の戦士達も対応すべく武器を手に取り侵入者に対応すべく動いていた


「無事に決まっているだろう、異世界からの援軍を連れて来た向こうの世界で魔王を打ち取った勇者達だ、同士討ちが無いように気を付けてくれ人間の女がその勇者だ」

少しでも混乱を未然に防ぎたい


2人のハイエルフは我々古エルフと同じ立ち位置の者だから我が部族の者達も仲間と認識しやすいが、人間の女勇者は古エルフからみて異質だ、ドライアードも見慣れた同胞であるがアルラウネに対してはそうでは無いだろう


ドライアドの2人は消火作業に当たってくれている敵対行動とは思わないだろう、勇者殿とアルラウネ達には世界樹の側でセフィー様と共に倒れていた部族の治療を頼んでいるのでいきなり戦闘とはならない筈だが不安は残る


戦闘の音は部族が日常生活をしている区画から聞こえてくる、イザベル殿とセシル殿が同行してくれているため十分対抗できる筈だ、部族の戦士と共に急いだ、目の前に水の壁が立ち上がった、イザベル殿の精霊魔法の様だその直後に炎が襲って来た壁の半分程が蒸発して水蒸気が視界を遮る





転移が終わり憎むべき妖魔の巣に辿り着いた、意外なな事に樹高の高い森だ雑草が生い茂る湿原と思っていたが生意気な事だ、怒りで視界が歪む先に私も見つけて武器を取るでは無く私の理解出来ない言葉で叫びながら妖魔の雌が逃げ出していく


残さず駆除しなくていけない穢れた森に火の精霊魔法を放ちながら一定の距離を離れて後を追う、そのまま妖魔の巣に案内してくれるだろう、少しの間追い立てれば武器をもった戦士が出て来たそいつ等の前で、雌の妖魔を炎に包んでやると倒れ地面を転がりながらすぐに動かなくなった


かつて私が妖魔の族長を倒した後に報復で森を焼かれた時の事が思い出された私の妻や娘はその時に焼き殺されたのだ、あの時の妖魔を率いていた雌が今の妖魔を率いている筈だ、このまま戦士達を仕留めて行けばその内出て来るだろう、目の前にいる戦士も先ほど雌と同じ方法で炭に変えてやった


「お前らの矢などが私に届く訳が無かろう」

風を起こして飛来する矢を弾く


その風は目の前に転がる燃え殻から新たな火の精霊を呼び出して暴れさせる助けとなる


「炎よ私の手となり敵を灰と化せ」

私の腕に炎が絡み付き巨大な腕を形成する


私の腕も焼けるが木々や妖魔を掴み灰にするとその火傷が消えて行く、私もいずれ燃料として燃え尽きるがその時はこの森とここに住む妖魔が燃え尽きた時だそれまでもっと薪を与えなくてはならない、それまで私は炎と共に踊るのだ


そうしていると強力な魔力を持つ妖魔が近づいてきた、拳を握りしめその魔力の方向に振り上げた腕を振り下ろすとその動きをなどって炎の腕が振り下ろされるが水の精霊魔法で防がれた





「妖魔らしくない魔法を使うでは無いか、炎の精霊魔法同士で力比べをしないか」

暴れる侵入者が大声で喚いている


「暗黒神は悪趣味な事をするわね、近づく死の恐怖で追い込み若返りの外法で惑わして魔王擬きに仕立て上げたのでしょうね、ロラン殿あの愚か者に心当たりは有りませんか?」


「考えたくない事態ですがイザベル殿の様子が正解かと、残念ですが顔では誰かと断言は出来ません魔力も邪気に浸蝕されたのか心当たりは無いのです、捕らえる事は出来ませんか?」


「努力はしてみますが期待しないで下さいよ」

殺すだけならそこまで苦労は無さそうだがどうしたものか?


香織から貰った短剣毒が通用するなら楽な話だが試してみよう


「1対1で遊びませんか?」

水の精霊魔法で火を消した後誘ってみた


「見つけたぞダフネようやく出て来たか、先ずはお前の男と娘の前で切り刻んでやろう、安心しろ後で2人も地獄に送ってやる、ヘラ、イシスようやくお前達の敵がとれる」

明らかに正気では無いと分かる言葉が返って来た


話が通じてはいない様だが1対1の勝負には乗ってくれる様だ、手に魔剣と思われるレイピアが握らている


「まさかロイド様?そんな馬鹿な事が・・・」

ロラン殿の呟きが聞こえて来た


今の話しに心当たりが有る様だ、暗黒神は過去の恨みも巧みに利用して操り人形に変えたのだろう、下手に殺せば何か呪いが発動する恐れもある、取り押さえる方が良さそうだ


短剣を両手に構える、毒で行動を縛るか短剣の能力で魂を抜き取る事が出来れば殺さずに確保出来るだろう仕える手札は出し惜しみせずに行こう

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