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195.悪夢

神同士の交渉で半年の準備期間を定めたが予想以上の手際で光の神側の勢力のために地盤固めに動かれている、いずれ魔力の供給も途絶えて何の影響力も消え去る筈だった古エルフに肩入れしている様だ、この調子で終わりなく支援が続くのであれば問題だがある程度の範囲で終わる様にも見える


放置しても問題が無さそうだが目障りに過ぎる、少し嫌がらせをしておこう神力の備蓄も充分だし手札として魔王の覚醒も残している、今後も多少の変動が有るだろうが私の神力は増えて行く1人くらい使い捨ての魔王を送り込んでも問題が無いだろう少しくらいは楽しませてくれるだろう


介入して来た女神の僕である勇者達の対応力も見てみたいところだ、この程度のお遊びで機嫌を悪くするような安い女神では無いだろう、遊びに付き合ってくれるならそれでも良いここ最近生活に張りがある、敵の不在は思った程快適なモノでは無かったのだ


使い捨ての魔王の当てはある寿命が尽きてまだ命にしがみつく馬鹿だ、じわじわと送り込んだ瘴気の効果が表れたと見える、結界も万能ではい様で完全に防げる訳では無い、このままでは直ぐに気付かれ対応されるだろう、元は取れないだろうが損切りついでにひと暴れして貰おう


自分の力で新たなダークエルクを産み出す経験はそれだけで価値がある、偉大な先達は部族単位でそれを実現したが現状では本人だけになるが個人としてある程度の戦果として道連れにしてくれるだろう、世界樹を枯らすところまでは望むべくも無いが実験出来れば十分だ





最後のチャンスだ古エルフとして有るまじき行為だとは分かっているが、後継者が無能なばかりに私の命が終焉に近付いているのだ、もう少しましな後継者が居れば違う結果になった筈だ、私が先代のダークエルフの族長を打ち取った英雄であるのにだ


私も唆した神は代償として同族を生贄に求めたそのための毒薬も賜った、覚める事の無いた眠りにつき終わらない悪夢の中で苦しみながら死ぬまでその苦しみを捧げいずれ死に至るという、私が活躍した事で生まれる事が出来た若者達だいずれ死ぬ定めであるなら私の役に立って死ぬべきなのだ


それはこの先長い時間を変えてこの森と共に滅びる事と比べて何が違うと言うのか?その長い苦しみを短くしてやっているでは無いか、これは救済でも有るのだ恨むのであれば今の無能な族長を恨めば良いのだ、私は救済者なのだ、そして20名の優秀な若者を集めた


「族長は悲しくも敵の慈悲を乞うもそれは叶わず敵の手に堕ちてしまった、最早このまま結界に籠っていた所で未来は無い、私がここで敵を引き付ける間に落ち延びて欲しい最後の別れの盃を交そう、お前たちは逃げる訳では無い未来を繋ぐ希望なのだ」


「心配するな今すぐにこの森が滅びる訳ではない、あまり多くの人数では気付かれる恐れがある古エルフの未来を頼む」

私の簡単な嘘に踊ってくれた


涙を流し毒を混ぜた盃を飲み干し皆の意識は悪夢の待つ眠りへと沈んでいった


かくして約束は果たされた少しづつ身体が若返り身体が軽くなっていくのが分かる年のせいで干からび枯れ木の様に元々白かった肌が色を失っていたが今はシワ1つない、違うのは黒く変化した肌と最盛期を越える魔力だ


力さえあればダークエルフも私を向かてくれると神は言うが、そこまで堕ちるつもりは無いこの穢れた力で忌まわしい妖魔を皆殺しにしてやろう、それだけが私が裏切った古エルフへの最後の置き土産だ私は生き残り古エルフの再生を見守ろうお前たちの命を無駄にはしない


悪夢に苦しむ若い同族から更なる魔力と力が送られる、その反動だろう眩暈がするがしばらくして収まった時には私のいや古エルフの悲願である忌まわしい妖魔の殲滅のために転移魔法が脳内に浮かんだこれ以上古エルフに被害を拡大する訳にはいかない


詠唱も魔法陣も必要とせず魔法が発動する、精霊魔法とは違い魔力さえあればいい様だ私の身体を蝕む瘴気が心まで犯すまでに皆殺しにしなくてはならない、闇の神は私が思う程甘くは無いで私が私でいられる時間には限りが有る様だせめて可能な限り殺して最後に魔王に成り果てた自分を処分しなければならない





結界の中に炎が拡がっている、魔法の暴走だろうか?それとも結界に中に侵入した者が居るのだろうか?滞在している古エルフのロラン殿に知らせるべきだろう、中に入るとヒルダ姉さんとロラン殿が既に完全武装でドライアードとアルラウネを引き連れて地下に向かって行くところだった


「カオリママ、結界の中でダークエルフが暴れているみたいでち、セフィーちゃんが気付いて地下から森に向かう所でち」

アンジュが私に報告してくれたが知らない名前が出て来た


「セフィーちゃんとは誰の事?」


「あたちの娘が仲良くなったこの世界にのドライアードでち、カオリママも一緒に救援に言って欲しいのでち」

いまいち話が分からないが対抗すべき事態なのは間違いない


アンジュがこの迷宮に芽が出た卯月との間の生まれた子供を移植しているのは知っていたがもう地上に出てきている様だ後で名付けしてあげなくてはいけないが、先ずはヒルダ姉さんの後を追い異常に対処しなくてはいけない


迷宮の階段を2層分駆け降りると根で覆われた通路が見える、アスファルトを突き破る雑草の様に結界の中まで通路を貫通させた様だ、その通路の途中で別の植物の根に変わっていく、結界の中から私達のために道を切り開いてくれている様だ


通路先から爆発音が聞こえる、何者かが派手に暴れている様だ、通路を駆け昇ると大きな木の根元に出たあたりが火が燃え拡がり煙が立ち込めている、ドライアドが水の精霊魔法で消火にかかっている横を駆け抜けて戦闘音がする方向へ急いだ

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