184.格付
我々の城にあの人間がやって来たのは10日ほど前になる、魔力が高く美しい生娘だった久々の御馳走だ人間を狩りすぎ辺境に出向かなければ手に入らなくなっていたため、眷属の中で争いすら起こりるのではと思いもしたがそんな事にはならなった、先ず王が塩の像に変えられた、次いでお妃さまと2人の側近が同じ目にあわされた
それでもまだ食欲と主への忠誠で戦いを挑んだ者達も同様に塩の像に変えられるた
「ノミやダニに等しい下劣な下級吸血鬼に文明を授けてあげましょう」
ふたりの明らかに高位のバンパイヤが現われた
「クロエ様後は私達にお任せください、カトレア様より人間を消費する事でしか存在を繋げないグールに等しい愚か者を矯正するよう命じられております」
抵抗を諦めた我々には瓶に詰めれれた血が振舞われ、薔薇の花束が渡された
「まずはマナーを学んで貰いましょう、最初に蚊の様に直接牙を突き立てて血を吸うという下品な真似を禁止します」
2人の眷属なのだろうメイドの衣装に身を包んだ四人の吸血鬼がグラスに血を注いでくれた
広間に残っていた12人の吸血鬼の前にグラスが並ぶ男女ごとに違う瓶の血が注がれている
「お召し上がりになって、今まで飲んだ血との違いを感じて下さい」
警戒心もあったがグラスに注がれた血の匂いがそれを忘れさせた、中には勧めれれる前に飲み干した者もいる、言葉の通り今まで吸って来た血とは別物だった初めての味わいだ冷やされているのに生命力を感じる首筋に牙を立てて吸う血とは違う味わいがあった
「浅ましい事で、長くなりそうだわ、次に血の代わりともなる食材を賞味して頂きます、見本をお見せします」
用意されたていた薔薇に手を伸ばし香りを楽しむようにそれに満ちている生命力と魔力を吸収していく、花は色を失いドライフラワーになっていた
「私共の世界では花びらを散らすことなく元の姿を保ったまま味わう事が至高とされております、不要な不純物を避けて命を取り込んだ証なのですから、それを体現した先にこの薔薇が血を越えた最高の糧として我らの新たな道が開かれるのです」
テーブルの上に色を失うも形を変えることなく薔薇が残っていた
自分も挑戦したが、ます薔薇の持つ生命力と魔力に驚き気が付けば手に残るのは枝だけだった、最後に微かな後口の悪さを感じる、次の花で再度挑戦するが今度は花に色が残ってしまった、慌てて残っている生命力と魔力を吸収したが恥ずかしくなった
仲間の一人が異世界の同族が見せたように花の形を損なわずにドライフラワーに変えて見せた、その所作を美しいと感じていた、最初に目せられた時にはその凄さが分からなかったが、自分で挑戦した後ではそれの価値に気付かされた、これは繊細な魔力操作に通じるモノが有るのだ只の食事では無いのだと
自分の遥か先を進む者であっても研鑽を積めば届く可能性のある同族のとの実力差が私の心を叩きのめしていた、それは主を塩に変えた恐ろしい人間が与えた衝撃とは別のものだった、憧れと言っても良いだろうあの場所に立ちたいと
彼等でもあの人間には敵わないだろうが、対等に付き合ってはいる様だ、敵対せざるを得ない障害を乗り越えて共存の道を見つけ出したのだろう、そうでもなければ共に行動出来る訳が無いのだから
チャンスが訪れた、あれだけ威張り倒していた虎獣人が人間風情に尻尾を振っている、俺が王になる機会だ何が「客人をもてなせ」、何が10将だ、何が獣王だ、笑わせてくれる
「手前ぇら行くぞ!お客様を歓迎しねぇとな」
臆病者が止めるのを振り切り手下と10人程で広間に踏み込んだ
「元気が良いな踊り食いとは粋な歓迎だ、姉御、俺が捌くから待っいてくれ、熊の肉がいける事は俺の舌が保証するぜ」
人狼のメスが戯言を言っている
「スーザン皮を剥いで足の一本くらいで許してあげなさい、私が治すから派手にやっていいわ」
人間のメスまで寝言を言い出した
気が付けば俺たちは気を失っていた、後で話を聞くと人狼のメスに気絶させられ生きたまま皮を剥ぎ取られたらしい広間に俺のの自慢の皮が広げられて干されている、自分たちの足がいま焚火で焼かれているのが見える
驚いたことに今手足は全て揃っている皮は人間の魔法で回復したが毛はまた生えそろうのを待つしかないまるで毛を駆られた羊の様だ、いやそれより酷い有様だ顔の毛まで無くなっている
「姉御に感謝するんだな本当は手前ぇらの肝が食いたかったんだがダメだってよ、もう一度歓迎してくれねぇいか?少し肉の量が足りなさそうなんだ」
「スーザンこれで我慢しなさい」
空間魔法だろうか?石像が出て来た床に落ちて砕けあと肉塊が転がる、見ればオークがバラバラになり転がっている3人分は有るだろうか
「これだけあれば十分だ、少しあまりそうだなお前らも食うか?食わねぇいと毛が生えねぇいど、禿げると冬に寒ぃだろ」
恩着せがましく言うが残飯の片づけを押し付けられただけだがオークの肉は屑肉でも美味かった、出所は考えない事にした
「姉御ドラゴンは食っちゃダメか?もも肉を少しばかり切り落としてくれてもいだろ」
石化したドラゴンを叩きながら人狼が無茶を言ってやがる
「私も味見したいところだけど後が面倒だから駄目よ、機会があればスーザンの分も肉を残しておいてあげる」
俺達を瞬殺した人狼も化け物だがこの人間も対外だ何故俺はこいつらに喧嘩を売ってしまったのだろうか?何故自分が獣王になれると思ったのだろうか?よく命が助かったモノだ
「トカゲの知能ならこいつらと同じで姉御に逆らう馬鹿もたくさんいるだろうな、楽しみにしとくぜ」
人狼の軽口が悪意も無く俺の心をえぐる
俺は馬鹿だ、臆病者は獣王に相応しくないが敵の力量を測れない愚か者はそれ以上に相応しくは無いのだろう




