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180.厄介払い

この忙しい中でもう一つ問題が起きた、ゴブリンの群れが周回遅れで魔王に馳せ参じたと言う、イライザは嫌悪を隠さず処分しろと言い出したがそれは余りに後味が良くない、何とか穏やかに解決出来ないかとカミラ母様に相談したがイライザと同じ意見だ


処分法は南方の密林に開拓と言う名目で呪いをかけて追放すべきと言う、イライザの意見よりましだが実質的に殺せと言っている、これは私がこの世界の現実を解っていないからだろうか?


この問題を報告した如月も転生者で考え方が甘いのだろうか?こんな時こそ内政チートの出番だろう、私責任の下でゴブリンを飼う事にした


周囲の反応は良くない、まるで子供が虫を飼うと言い出した母親のそれだ、手に殺虫剤をもっている姿が浮かんで来る、多少理解を示す者も猫を飼うなら避妊はしないと駄目よと言うように、繁殖能力を奪うべきだと主張する、確かに人間の国に被害を出す訳に行かないと言う意見はもっともだ理解出来る


「呪いで生まれる子供の数を絞れば良いでち、カオリママならそれだけの高度な呪いを扱える筈てち」

アンジュが一番穏やかな解決案を出してくれた


「そっれなら、雌一匹に対して子供は一匹だな」

イライザが冷たい事を言い出した


「1万匹近く居ると言う話だろ食わすだけで大変なんだ、今すぐ間引かないといけないくらいだ、これ以上は認められん」

イライザが追い打ちをかける


「私が農業を教えて見ましょう、様子を見て今後の対応を決めましょう、自給自足出来るのであれば呪いを緩めていく方向で、駄目ならもっと厳しい処置が必要になるでしょう」

如月はどちらの味方なのだろうか?


いや敵か味方かという風に無理に白黒付けてはいかない、これがバランスの取れた合理的な意見だろう、個人的には夫婦で2人の子供は認めてやりたいところだが最初は1人で始めよう


「仕方が無いですね、その代わり死産が無いように、そして成人までは無事に育つように加護も与える事にします、それで良いですね」

不満そうだがイライザも認めてくれた


「それでは私は技術支援を始めます、武器を取り上げて農具を支給する事に致します」

如月が答えた


どうやら刀狩りを実施する様だ、現実的な対応だろう基本的には彼女に任せておいて問題なさそうだ、これは丸投げでは無い、私も適切に呪いと加護を与えるのだ、アンジュの蜂を活用して確実にゴブリンに呪いと加護を届ける事にしよう





香織の甘さには困ったものだ、ただでさえ繊細な気遣いが必要な時だ、「法王国」内は魔王討伐に沸いているいるが、実態を知れば評価が変わりかねない、ダークエルフの勢力は維持されており、ツクモ殿がアンジュの迷宮に居を構え異世界のダークエルフの面倒を見ている


一部はこの世界に根付いてしまうだろう、いっそ異世界に渡ってダフネ殿と結ばれた方が後腐れが無いだのだが、裏切りの露見を防ぐという名目でこの世界に残されているがダフネ殿の中では未来のための布石でも有るのだろう


この世界でツクモ殿が部下に対する影響力を強めれば、ツクモ殿を夫に迎える際に必然である反発が押さえられる上に部下を鍛える事が可能なのだ、ツクモ殿はアンジュと相性も良い様だ今後世界を越えた交流が継続するかは様子を見る事になるが迷宮を通じて行き来が出来る以上向こうの情勢を把握しておく必要がある


最悪なのはあちらでダフネ殿が権力の座を追われこの世界を頼らなければいけない状況に追い込まれる事だ、これ以上爆弾を抱えたくはない、娘の千夜も魔王と勇者の番を手駒にしているのだ表沙汰になれば面倒だ、最古司祭を継いだセーラ殿はそれを把握している様だが公表できる様な事では無い


恐らく頭痛のタネとなっているだろう、周囲を安心させるために悪い言い方をすれば人質として聖都に招きたいと打診されている、親が言うのもなんだが魔王シグネを筆頭に暗部や暗殺者を懐柔どころか支配する化け物だ身近で監視すれば安心出来る様な可愛い子供では無い


内部から「法王国」を侵食し乗っ取ってしまうだろう、俺の見る限り血生臭いこと事は好きでは無さそうだ平和的に進行してくだろう、もう手遅れだ、娘の勝利が確定していると言えば目出度い事でもある、息子のカムイとも今のところ仲は良さそうだ、兄妹喧嘩で国が亡ぶような事態にならない様に気を付けよう





如月がゴブリンを仕切る事になった様だ、些か数が多い様に思うそこでいい考えが浮び如月に助言をした、戦闘に向く個体を選んでダフネ殿の世界に送りつける事だ、武器を手放す事を拒んだ奴らを望み通り活躍できる世界に送る事にしたのだ、これはイライザ様も賛成してくれた様だ


それに合わせて預かっているダークエルフにゴブリンの戦闘部隊を編成させた、後方で訓練を施して戦力に仕上げた上で送り出す、最近預かっているダークエルフ達が某に余計な期待を持つ様になっている、一部に置き去りされた事に不満を抱えても居るようだし故郷に帰りたい者もいる様だ


某にダフネ殿を支える事を期待している者まで居る、その上で某の部下として自分の栄達を叶え様と考えているのだろう、順次入れ替えていけば総数に変化は起こらないし妙な派閥形成も防げるだろう、アンジュに頼んで迷宮から送らせれば目立つことも無いだろう


順調に事は進み参勤交代の様にダークエルフ達も入れ替える事にした、アンジュは如月に迷宮を介したゲートの開き方を伝授していた、これで弟子を指導してその成長を喜ぶ穏やかな余生を送る事が出来そうだ、その弟子の中からダフネ殿を支える強者が育てば一番収まりも良い着地点だろう

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