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174.ピエロ

異世界にいる千尋から連絡が来た早太郎とスーザンが向こうに飛ばされた様だ、弥生殿の主導で香織に魔王軍の全権を掌握させるための大芝居に巻き込まれ魔王城から森に疎開している状態だ、慌ただしく貴重品を優先して持ち出したり未だ落ち着いては居ないがスキルを使用して迎えに行った


いつも千尋が集めてくれた物資を受け取り香織が作成した商品を運ぶ場所に着くと、食べかけの肉や魚が良い匂いを漂わせている、スーザンが両手に食材を抱えて私の「次元牢獄」に土足で踏み込んだその後に尻尾を振りながら早太郎が口の周りを舐めながら付いて来る


「カミラ様助かったよ、魔力こそ含まれていないが美味い肉だ一緒に食おうぜ」

スーザンが私の神経を逆撫でする


早太郎が申し訳なさそうに私を見つめて来る、礼儀として口を付けたが確かに美味しかったが感じた不快感が消えない


「弥生殿から香織の出番を奪わない様に伝えておくように言われているのよ、後は大人しくして頂戴」

言ったところで行動を変える事は無いだろうが伝言は伝えなければいけない、あとは本人達の自由だが伝えない訳にもいかない


「面倒くさい相手だったから姉御に任せるよ、楽しい勝負にならなかったしな、そうだあいつはヤバくなったら逃げ出すような奴だと思うぜ、姉御や弥生様なら事前に防げるが俺には相性が悪そうだから邪魔はしねぇよ、タイマンでやらせてくれるって事なら手伝わせて貰うぜ」

本音の様だし安心出来そうだ、今も持ち帰った肉を食っている


「カミラ様、根回しが不十分で手間をかけてしいました、スーザンは食料に出来ないアンデット相手には動かなと思っていまして情報共有が出来ていませんでした」

そんなときに弥生様が転移して来た


「弥生様よ、あの魔王はなんだ仕込みって事か?俺だって縄張りを犯す馬鹿を放置するほど怠け者じゃ無いんだよ」

私より先にスーザンが反応した


「アンジュは大丈夫か?姉御を信奉しているしあいつは俺より手札が多いしやり口が陰険だ、正直俺もあいつと事を構えたく無ないからな」

スーザンが解かりきった指摘をする、そんな事は周回遅れな懸念だ


「問題無いわ、仕事が無いとむくれるからアンデットを提供させたの、だからまだ大人しくしているわ、噛ませ犬の運用がなって無いとぼやいていたけどね」

弥生様は無視せず相手をしている


仲間外れにしていたからフォローの意味も有るのだろう、人狼は執念深い種族だかスーザンはいつも好き勝手に生きているためか例外的にさっぱりしている、だが本性は分からない正しい対応だろう


「そういえば、俺が仕掛ける前に色々な場所にアンデットをばら撒いていた様だが対応は出来てるのか?姉御から人やエルフは食わない様に言われているから食い物が減る訳でも無いし俺の知った事じゃないんだけどな」

食事をしながら平気な顔で弥生様に話かける、こんな事はスーザンにしか出来ないだろう


「大丈夫よ、転移魔法に干渉して問題無い場所にしか届いていないからもう処理したわ、それで手一杯で貴女達の転送先は比較的安全な場所に行先を変える事しか出来なかったの」


「それで人目に付かない場所に出たんだな、現地で対応も早かったし珍しい物も味わえたから文句はねぇよ、動物園とやらに寄れなかった事が残念なくらいだ、珍味を味わい損ねちまった」

そんな軽口を言って早太郎に叱られていた





「香織、いい加減介入したら良いだろう「法王国」は防御に専念して反撃に出るのにまだ時間がかかりそうだクロエも個人的には動きたいのだろうが神殿で待機させられている」


「弥生様と千秋様が3日待ってくれって言うのよ、馬鹿が魔王に合流するのを待っているんだって、被害も出していないし、後2日の我慢よ」

イライザに事前に話していたが遊びたくて仕方が無い様だ


「あの程度、転移魔法さえ気を付ければ面白みのない雑魚でしょ、アンジュでも討伐できる程度の力しか無いわ、イライザじゃ面白みも無いでじょ」


「そうは言うが、今更あの程度の餌に釣られる馬鹿は居ないだろ、下手をすれば遺恨が有る「魔導国」の王妃様が片付けてしまうんじゃないか?」


「そういえば前座の魔王の中味は「異世界転移」の主犯だったわね、ヒルダ姉さんが逃がした「魔導国」の八大貴族の当主だった男、なら遺恨が有る者が倒せば良いでしょう、弥生様の事だしどうせ隠し玉もあるでしょ、つい半月前に遊びに来た奴とか使える死体が残っている筈よ」


「成程アンジュや卯月、千秋にも隠している訳か、千秋様は知っているかも知れないが秘密は守れるか、

アンジュは俺たちへのミスリードかなあの女らしいな、なら出番を待つことにするよ」

イライザも落ち着いてくれたし準備をしようかしら


「折角だし、2人で準備運動をしましょうか、退屈していたでしょう?」

私はダフネと遊んでいたがイライザは満足していないだろう





「シグネ、俺達の出番は無さそうか?間抜けが踊らされているが巻き込まれたくはないのだが」


「無いわよ、あんなピエロ放置で良いわ、世界樹の守り人が準備をしている、「魔導国」と連絡を取っていた様だし邪魔をすすれば怪我じゃ済まないわよ」

拓真が心配しているが出番など無い


大人しくしていれば良い、千夜様に従う元暗部や暗殺者だった者達が情報を収集して精査していた千夜様のスキルの恩恵でスキルが開花している「魔導国」の王妃が仲間を率いてヒルダ殿の森に向かって出発した事も掴んでいた、何もする必要は無い気楽なものだ


私が魔王だった時のダークエルフの情報網より優れている「法王国」とも情報を共有している様だしアンデットを相手にした所で千夜様の家族が増える事は無いためスキルも積極的に動く気は無い様だピエロが血迷って手を出して来ない限りではあるがその時は千夜様が道化師を家族として迎える事になるだけだ

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