16.マイターン
状況的にダークエルフのターンが終わり私のターンが回ってきたような場面だ、さて優先順位を考えよう、あまり待たすのは犬飼さんに悪いが女神様が対応してくれるだろう嬉々としてスキルの話をしているだろう
ミネア嬢のところに行く前にやるべき事があるフェンリルを選定し北部にある拠点の神殿(正式には街の名前が冠されるのだか)通称「北神殿」に向かう入りこんでいる間者に見せつけるため到着時に意図的に魔力を解放しフェンリルで空を駆ける航空ショーの様に周囲を飛んだ後神殿に入る、優秀な敵なら泥沼の様な消耗戦は望まない筈だこちらの意図を見抜いてくれるだろう
そこを任されている司祭に状況を説明し対応を指示する魔法での連絡は届いており初動の対応は終わっている様だ、先発の騎士達に自分達自身が狙われる恐れがあると伝えられないのは無念だが、もう手遅れだがこれ以上の被害を出す訳にはいかない、「東神殿」「西神殿」でも同様の行動を行い最後にミネア嬢がいる「南神殿」に向かった、ここでは駆け付けたミネア嬢の武術の師匠にあたる審問官が到着しており対応の修正も終わっていた、他の3か所の拠点の神殿にも審問官を派遣しているとの事だが入れ違いになっており私いった時にはまだ到着していなかった
最高位司祭直下の部門であるため神殿騎士とは指揮系統が違うが内部の監視も審問官の役目のためそこからこの事態に気が付いたのかと聞けば少し違う様だ、個人的に情報源にしている馬鹿な司祭が南神殿を束ねる司祭を蹴落とし自分がその地位にとって代わろうと思ったのか、彼女のミネア嬢への対応を非難する連絡をすぐに魔法で伝えたため事態を把握できたようだ
ここで審問官と打ち合わせを行う今回の復活させる聖女候補や神殿騎士の中で暗部の仕事の適正のあるものを引き取って貰うためだダークエルフから見えない手札を補充することが出来るし奇跡による復活は女神様への信仰心高める事になるが目立ちすぎるとこちらが守らなければならない対象が増えてしまう、相手がダークエルフの場合暗殺の的が絞られてしまう、ミリア殿もそうだろう本人の意向を確かめてから対応を考えよう、今回復活させる全ての聖女候補・神殿騎士に言えることだが先に復活だけ行っておき、その後の成長を見極めてから公表することも出来るだろう
ミネア嬢と合流しミリア殿の眠る宿場街に向かう、見せつける様にダークエルフが網を張っていた峠の近くを魔力を見せつけながら空を駆けるしばらくして今度はフェンリルのものも含め魔力を隠蔽し目視による発見を疎外する魔法を掛けた、短剣が弱っているためだろう彼女の騎乗能力への恩恵が無くなっている様だが、宿場町から南神殿へ向かい夜も馬で駆けた経験は彼女に残っていた、安全のため魔法で支援したうえで共にフェンリルで空を駆けた、女神様から頂いた霊薬は死後3日以上経過していたがその効力を発揮しミリヤ殿を蘇らせた、そこから関所の街の神殿に立ち寄り転移のための座標となる陣を描き南神殿は戻り別れの挨拶をミネア嬢と交し女神様のもとへ彼女の魂を送った
次に早太郎の引き起こした問題の解決だ『魂の交換』の終了を待つて犬飼嬢と共に対応良しても良いが此方になれない状態では事態を悪化させかねないこちらの掴んでいる事情を考えれば彼女は早太郎側に付く可能性が高い折角現世に降臨しているのだ私が解決しよう5年前の降臨で私が支援してエルフ達を助けている相手の心象も良いだろう、
霊薬を一つ女神様より送って頂いてハイエルフの森に向かう2頭のフェンリルの内1頭をミネア嬢の身体を守るため南神殿に残した、ハイエルフの森の外縁部に付き警戒中のハイエルフを見つけ取次ぎを頼んだ歓迎するような対応であったが何故か恐れているような、煙たがられているような空気を感じる私はハイエルフに何かしたことがあっただろうかと頭を捻りながら族長のもとへ案内される、事態の解決のため孫娘の従魔の白狼の復活を行う旨を告げ許可を得た、彼女の白狼「スノードロップ」は墓の前ででブツブツと呟きながら虚空を見つめている彼女の精神を癒すため神聖魔法を使うへたりこみ私を無言で見つめる彼女の前で私は「スノードロップ」を蘇らせた世界樹の近くに埋葬されていたことと霊薬の力で「スノードロップ」は精霊語を話せる様になって復活した
私は定まらない視線のまま立ちすくし「スノードロップ」の敵のフェンリルと黒狼の倒す事ばかり考えていた心配して近くまで届けられた食事も手を付けすブツブツと恨み言を吐き出していた、そんな時誰かがやってきて何か魔法がかけられた心が穏やかになり怒りと恨みだけが支えていた私は立っていられなくなりへたりこんだ
わたしの心を癒した方は使徒『チアキ』様だった5年前にオークキングの軍を駆逐してくれたお方だがその際の「バーベキュー大会」の影響で私たちは彼女に恐れと悪感情を抱いているっ私もそうだ5年前12歳だった私は「スノードロップ」と共に育てられていたが契約を結ぶまでには至らず、戦いに向かう父を見送来るよう言われた、こっそりあとを追い遠目からであるがが「バーベキュー大会」の騒ぎをみた、その後も父や周りの者からよくこの時のことを聞かされていた
「我々はもっと強くならねばならないそうしなければまた『チアキ』様が来てしまう」とハイエルフの中では語られているその使徒様が私の目の前て「スノードロップ」を甦らせてくださった神聖魔法による癒しと精霊語を話せる様になって復活した「スノードロップ」との会話で歪んでいた私の認知は正された
通常大事に育てられる私たちハイエルフの成人は遅く早いもので20歳くらいだが「スノードロップ」と共に育ったため私は17歳で契約を交わし成人と認められてしまったそれを私の実力と勘違いし調子に乗って私は森の外へと「スノードロップ」を連れ抜け出そうとした「スノードロップ」は私を止めようとしていたが気にせず外へ出たそんな時に黒狼を連れたダークエルフに遭遇した自分の力をしめそうとこちらから戦いを挑み実力不足のため私を庇って「スノードロップ」が倒された、私が「スノードロップ」を殺したんだ、もう少し私が強ければ、調子に乗ってこちらから仕掛けなければフェンリルの支援も間に合ったはずだと気づかされた泣きながら「スノードロップ」に抱きつ着いたそのまま私は三日ぶりの眠りについた、めが覚めた時にはもう『チアキ』様は居られなかつたがその時の光景は私の心に深く刻まれた
私の成人は「スノードロップ」のお陰だあの時フェンリルを巻き込んで黒狼へと放った風の精霊魔法は中位精霊の力を使うものだが正式な契約が出来ていないため容易く相殺された「私の成人」は偽物でしかなかった、あの「バーベキュー大会」の後ダークエルフに話が伝わり奴らの成人の儀式に加えられた、父など野蛮なダークエルフと馬鹿にし奴らは我々と遠い祖先は同じだったとする伝説を否定し、ダークエルフは魔人が戯れにゴブリンの牝を胎まして生まれたまったく別の種族であると信じている、あれは力を求め暗黒神を信仰した我々の遠い親戚なのだという伝説を思い出すあのような肌になりたくは無いが肉食位はしてもいいような気がしてきた『チアキ』様だけではなく「エルフの王国」の冒険者経験のあるエルフもオークの肉を食べていた私をオークを狩り本当の成人になろうと心に決めた
疲労が回復し正式に風の中位精霊と契約を交わした私は父に言えば反対されるだろうと族長である祖父にちょ直接オーク狩りの許可を願い出たが反対された、「ダークエルフでも成人の儀式にオーク狩りを選ぶのは男だけで女はしない」と、私が強く望むと、また抜け出されては堪らないと護衛を引き連れた狩りを行いそのオークは道案内の務めた人間の冒険者に譲られ食べる事は許してもらえなかった、いつか実力を高め今度こそ1人で自分の仕留めたオークを「スノードロップ」と一緒に食べようと思う




