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156.転職活動

遠征に向かわれていた師匠が侵攻先の世界から迷宮のゲートを開かれた、迷宮を介して世界を越える能力は私が開花させたスキルで、魔王様にも秘匿していたモノだ非常時以外は使用しない事になっている苦戦していたのだろうか?


ゲート越しに外を見ると師が創造し私が編制したアンデットの軍勢が存在していない、師はアンデットを創造していれば満足で軍事的な運用を考慮して軍勢を造る事を考慮しないからだ、師の姿が見え隣に妖精種だろうか外見だけは少女の様な初めて見る強力な存在と共にいた


師が1人で迷宮内に入って来た同時に迷宮内に何かが侵入してきた、見た目は蜂だが高い魔力を隠蔽している間違いなくモンスターだろう、迷宮内であれば私の力が増幅されるためそれ気付くことが出来た、護衛のアンデットを戦闘状態にして外の様子も探る、周囲に船が砂上に浮かんでいる見たことなアンデットだ幽霊船だろう師の造り上げたモノでは無いそして極めて強力なアンデットが空中に浮いている


一目見て欲しくなった、瘴気が身体を構成していて腐肉も残っていない、完全に骨だけにした上でスケルトンではなく受肉させている何としても手に入れてたい、私はアンデットを創造する事は苦手だが運用は得意だ、アンデットに限らず私の「人形使い」のスキルで操れる、自我の少ないアンデットやゴーレムなどと相性が良い不意を付けば支配権を奪えるだろう


師匠を出迎えながら外に私の糸を伸ばす、相手の蜂は迷宮の壁に止まり中の様子を探っている様だ、迷宮内にいるバフの恩恵を受けながら空に浮かぶクジラにもう少しで手が届くと言うとこで私の糸が力なく風に流され地面に落ちた


私に対する迷宮のバフが低下している、外にいる少女が笑っているのが見えた視線が合う訳では無いが明らかにこちらを見ているそうか侵入した蜂は使い魔として少女の目や耳の役割を果たしている、いけないすぐにゲートを閉じなければ駄目だ、ゲートを維持するための魔力供給を止めるだけで閉じてくれる、あの少女がどれだけ強くとも世界を越えて追っては来れないだろう


門の維持のための魔力供給を止めて愕然とした、ゲートは閉じてくれないし低下していたバフが今では完全に消え今ではデバフとして私の力を抑制していたあの少女が大蛇を召喚した上でそれを従えてゲートを通ってゆっくりと私の迷宮に土足で侵入してくる


「お邪魔するでち」

明るい声で話しかけられた


「挨拶の言葉を間違ったでち、ただいまが正しいでち、もうこの迷宮は私が管理しているのでち、命は助けてやるから敷金と礼金を払って欲しいでち、初回は家賃も三か月分先払いするでち」

笑えない冗談が私を絶望に突き落とした


バフがデバフに変化した理由が分かった、勝てる訳が無い、迷宮を奪われる事等考えた事はなかったが実際に目の前の化け物が支配しているのだ、迷宮内に保管していたアンデットも動かせない、側にいる2体は何とか支配権を維持出来ている様で動かせるが師を含めても抵抗など不可能だ


「抵抗はしません、何がお望みでしょう、貴女がこの世界の魔王様でしょうか?」

早々に降伏した無駄に抵抗する意味は何一つ無い


「ドラゴンの骨が有ると聞いているでち、敷金礼金はそれでいいでち、アンデット化の実演をする約束を果たすでち、迷宮をリホームして中でやるでち」

そんな事を言いながら私達を置き去りにして作業が進んでいく


師が目を怪しく輝かせてそれを見ていいた、それは正に圧巻だった、儀式を行うでは無くゾンビでも造る様に気安くドラゴンゾンビが創造された、空を舞っていたクジラのように瘴気で身体が構成されていた


「こんな感じでち、参考になったでち?」

師が呆然としている


確かに素晴らしい技術と力だが参考にはならない、力の差を見せ付けられただけだ


「家賃はカオリママに忠誠を誓うなら特別にタダで勘弁してやるでち、契約が終われば迷宮の管理権限も貸与するでち」

完全に自分の迷宮気取りだ


実際に目の前で奪われたのだ文句も言えないが悔しさがにじむ、相手が魔王では仕方が無いと自分を慰める


「カオリ様、貴女に忠誠を誓います」

私がそう言うと不思議な顔をされた


「違うでち、流石のあたちでも一人称がママなんて痛い事は言わないでち、そういえば挨拶がまだだったでち、あたちはアンジュ、カオリママから名前を頂いたのでち」

少し考えててこちらの意図を察した様で名乗ってくれた、どうやら彼女がカオリママと呼ぶ方が魔王なのだろう


「魔王カオリ様に謁見させて頂くことは可能でしょうか?」

機嫌は悪くない様だ早い内に忠誠を誓い身の安全を図りたい


「「魔王カオリ様」いい響きでち、全ての者がカオリママを魔王様と讃える日が早く来れば素晴らしいのでち」

私の言葉で上機嫌となり自分の世界に入ってしまったようだ


この状態では何を言っても無駄だ、師も研究中にこの様な状態になる事があるがこの後大成功か大失敗の極端な結果になる事が多かった、変に水を差すべきでは無いだろう巻き込まれは堪らない、私にはこの状態を隙と捉えて攻撃する気力も残ってはいなかった


「そうでち、「カオリママ魔王育成計画」を再始動する時が来たでち、カオリママのために有能な家来を勧誘するでち、お前の世界で強い奴のところに案内するでち」

嫌な予感が当たった馬鹿な事を言い出している


新たな主人と主従関係を結ぶ前に自分の世界に敵を引き込めば既に裏切り者になった上で乗り換えた新たな主人から庇護を受けられない可能性がある


「アンジュ様、私に「魔王カオリ様」にお会いする名誉をお与えください、侵攻に協力しない様な臆病者は後でもすぐにカオリ様に跪く事でしょう、急ぐ必要は御座いません」

取り入るようで嫌だが協力した挙句に手柄と認めれない様な事に成り兼ねない


「う~ん、それはそうでち、カオリママに紹介するでち、カオリママは幼稚な勇者ごっこをして才能を無駄にしているのでち、お前からも正しい道に進むように進言するのでち」

少し不満そうではあったが希望は叶えられそうだ


しかし「勇者ごっこ」とは何なのだろうか?目の前の化け物を産み出した存在が勇者の訳が無い、同じ妖精種だとすれば倒した勇者に寄生して身体を操っているか、力やスキルを奪っているのだろう、目の前のアンデットの出来栄えをを見ると別の可能性も考えられる


勇者を生きていると誤認さうる状態のアンデットとして使役して遊んでいるのだ、無垢なまま強力な力を手に入れた子供が魔王の地位を得ればそんな事も考えられる、たまたま今は表面的に平和な世界が成立しているだけだ、いつ玩具に飽きて戦争ごっこを始めるか分からない危険な魔王だろう


この世界に侵攻して新しい遊びを教えてしまったのではないだろうか、私にもまだ少しは人間としての倫理観は残っている、元の野望で動く魔王の方がまだましかもしれない、私は敗北が濃厚になった時点で焼け石に水と言う状態で勇者として神官たちに召喚された


神の力は低下し神官達は生贄でそれを補った、その結果私は勇者として神官の期待を越える力を持って世界を渡った、だが私に彼らの願いに応える義理など無い、召喚に組み込まれた誓約に私を縛るだけの力は無かった即戦力を期待し多くの生贄を捧げたためだろう


神官に従い魔王と戦う事など有り得ない事だった、元の世界に帰れないと分かり私の怒りは彼らの神殿を破壊して皆殺しにしていた、そこで出会ったのが神殿を包囲していた今の師匠だ「人形使い」のスキルで師のアンデットを奪い無理矢理弟子として転がり込んで今の地位を得た


不満も有るが迷宮の管理も任されてそれなりに快適な生活も手に入れた、魔王からも忠誠と引きかえに地位を保証され2つの世界を奪う事に貢献したと言うのにこれだ、だからこそこの後の謁見は間違えることの出来ない分かれ道だ


私の未来がかかっている大切な転職活動だ、社長面接には進むことが出来た、よりホワイトな労働環境を勝ち取らなければならない、前職での功績は積んでいるアピールできるスキルもある、迷宮を通して世界を渡れる能力がそれだ安売りはしたくない

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