13.撤収
拠点の神殿のある町に送り込んでいる間諜とつなぎをつけたのだろう、イザークから随時報告が入る、すべて良くない知らせだ
1 目に言える範囲の動きとして相手の神殿から早馬や伝書鳩が送られている一羽鳩を仕留め確認したが暗号のようで内容はわからない
2 翌日神殿騎士と思われる60騎が6台の馬車を伴い峠を越えた南に向かった
3 2日目に審問官と思われる一団が神殿に入った、注意のため暗黒魔法を使える間諜を街から退避させた
4 3日目に北からフェンリル二頭を伴いとんでもない魔力を持った者が1人が神殿に入り先の聖女候補と思われる者を伴い空を駆け南に向かった
面倒だ、1つ目の事はまあいい普通の対応だ、2つ目は数が想定より少しい多いがこれは誤差の範囲だが敵の意図が読めない、正確にはこの後相手の今後取りうる選択肢が多く対応が難しいこの時点でこちらの初手の襲撃は終わっていない、しっかりこちらの二の矢も考慮している様だ、敵の想定が暗殺・襲撃までであることが救いだ、こちらで待機させている戦力を五割増しして備えるよう、今後の敵の動きによっては中止もあり得る、3つ目は間諜狩りと神殿内部への襲撃への備えだろう普通の間諜や自覚のないまま情報を持って来てくれる者もの残っているイザークがうまく対応してくれるだろう
最後の4つ目が最悪だ女神が使徒まで投入してきた恐れがある、例の聖女候補が母や母の手の者ではなく明確に敵だと分かった、
ここまで集まった情報をボールペンを指で回しながら整理する、何時のも癖で気が付いたら回している、そんななか北部の拠点の神殿でもフェンリル二頭ととんでもない魔力が持った者を確認したと報告が入る、ある程度の経験があれば魔力を隠蔽することは出来る使徒ともなれば出来て当たり前だ、意図的に見せつけている?
これ以上の手出しは許さないと言う威嚇行為か?こちらの手をどこまで読んでいるのかは分からないが手が出せなくなった、待ち伏せを掛けたら馬車の中から魔力を隠蔽した使徒とフェンリルが出てきたら目も当てられない、次に西部の拠点の神殿を見張るものから報告が入る使徒を確認したとのことで使徒『チアキ』だ20年前に魔王討伐を果たした勇者だ、その後女神の使徒となっているその時は母の代だが少なくない被害を受け母は早々に魔王を見捨て停戦し難を逃れたその被害から回復しここからリベンジしようとした矢先に出鼻をくじかれた
潮時と判断しイザークへ作戦中止を伝える、他の作戦行動中の刺客たちにも引き上げるよう指示を出す、今なら判定勝ちの勝利で終われるだろう
いや終わって欲しいと願って自分を騙そうといるだけだしっかり「手打ち」しないといけない、名目だけの族長で力や魔力は高いが役立たずの父を生贄に差しだしたらあの使徒は許してくれるだろうか?
5年前の降臨の際にあの使徒のやばさを目にしている、その時はオークキングが誕生し「エルフの王国」を襲い一部は隣接する「ハイエルフの森」にまで被害を与えていた
その救援のための降臨で使徒は「法王国」からの援軍を率いた修道僧を中心とした部隊で最短距離となる
山道を各神殿から最低限の装備でハイエルフの森に現地集合させる
神殿騎士は街道を装備を整えたうえで「エルフの王国」に向かわせた、使徒の魔法の支援を受けスピードを重視し兵糧すら持たずに身軽な状態で到着した修道僧たちはオークキングの軍に襲い掛かるりそれをハイエルフの森から駆逐し押し戻した、彼らは食料を現地調達した、打ち取ったオークの肉だその場で被害を受けたオークキングの軍に見せしめとして解体し
「あの豚共に自分の身の程を教えてやれ、狩る側でなく狩ら食われる側だとな」
とオークが進軍のためにり切り倒していた木々を薪にして「バーベキュー大会」を始めた
この光景はオークたちを震え上がらせ、同時に切り倒された後とは言え大切にしてきた森の木々を燃やされたハイエルフの反感を買った彼らに提供した薬草入りのスーブに塩をぶち込み肉のタレにし、この肉を善意ではあるが避難していたエルフ達にも勧めたためさらに反感を強めた、この時私は魔法でエルフに化け避難する者たちにまぎれチャンスがあればハイエルフを暗殺する為単身潜入していた、避難を誘導していた冒険者経験のあるエルフと共に私もご馳走になったがとても美味しかったが私たちダークエルフと違い基本的にエルフは肉食をしないためこれを食べたのは一部の者たちだけだった
これで目立ってしまったのか初めからわかっていたのか使徒から声をかけられた
「こんな所で会えるとは思わなかったわ、母君が亡くなったと聞いているけれど彼女が簡単に死ぬわけがないわ、縁があって何度か母君と遊んだこともあるのよ、きっとどこかで楽しく生きていのてしょう?特別故郷まで送ってあげましょう」
と「ダークエルフの森」を見渡すのに絶好の位置にある山の上に魔法で私を連れて転移した
「貴女ならここまで送れば自分で帰れるでしょう?気を付けて帰ってね」
生きた心地がしなかった、ここから使徒が強力な魔法を使えば甚大な被害が出る手を引けと言う警告だ
この時母は秘密裡の停戦ではあるが魔王の支援から手を引いた事を正当化する為、表向きは勇者との戦闘で負った傷が悪化し死亡した事にして種馬扱いにしていた父に族長を譲っていた今でもそうだ、母と停戦した経緯と戦力回復のため大人しくしていたからだろう私は見逃された様だ、命がけの戦いを「遊んだ」と言う使徒から感じた恐怖は今の憶えてる
この後の事は直接見たわけではないが使徒はオークキング倒したあと剥製にしてハイエルフの族長にトロフィーとして送ったが族長は扱いにこまり「エルフの王国」に押し付けた困ったエルフ王は援軍への感謝のしるしとして「法王国」に送った扱いがもはや「呪いの人形」になってしまい実際に瘴気を集めだした、「法王国」は最高司祭の手で浄化する羽目になった、このあと趣味の悪い商人が寄付の名目で買い取って喜んでいるらしい
私は父に進言して自分達の森でも「バーベキュー」を取り入れた、同じ陣営であるが一部の発情した豚が森にやってくることがあるそんな馬鹿へのいい見せしめとなっている、成人の儀式にも取り入れた1人でオークを狩り森で解体して部族にふるまえば成人と認められる、今までは「中位以上の精霊との契約」と「黒狼を従魔にする」の二つだった「エルフの王国」では王族など上位の者と冒険者として国外に出るものなどの一部にしか残っていないが「ハイエルフの森」では同様の風習が守られているあちらでは黒狼ではなく白狼になる、私は6歳で上位精霊と契約を交わし実力を示したどちらか1つを達成すば良いのだがこの時「黒狼を従魔にする」にも成功している
指でボールペンを回しながらかつての悪夢のような体験や自分の過去をおもいだした後、気持ちを切り替え今後の方針を真剣に考えようと頭を切り替えたとき
「ヒルダ様、只今戻りました」
とイザークが帰還した情報を共有し今後の方針について話し合っていると
「困っているようねヒルダ、女神の尻尾を踏んで使徒が来たみたいじゃない?手伝ってあげましょうか?」
と背後から声がかかる




