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124.ヒルダとカイン

勇者が娘を産んだ様だ将来の自分の栄達の為に関係を結んでおきたい、母のカミラに願い出会う機会が欲しいと頼んでいたのだが娘の1歳のお祝いと言う言名目で挨拶に行く機会がやって来た


有難い事なのかは実際にあってみないと分からないが、赤ん坊とは思えないほど魔力が高くまだ自分の足で立ち上がることも出来ないのに精霊魔術を使って好き勝手に暴れているという、どうやら両親の言葉も理解しているらしい、私の様に何者かの生まれ変わりかも知れない


魔王と敵対した相手であれば何かと面倒だ、私自身が敵対した相手で無くともかつて魔王討伐中に倒れた勇者パーティのメンバーだったりしたら最悪だ、あの2人の子供が魔王に対する遺恨を抱えたままだと成長した後で何をされるか分からない


今回の目的は2つ転生者なのか否かの確認と、自分好みの女になりそうな相手であれば唾を付けておく事だこれは「蟲毒壺」を使った呪術的なモノも選択肢に入る、とは言え相手の親が厄介なため危険な行為だ友好的に関係を構築していく事になるだろう


こちらから出向いて私の母と相手の母を交えて顔合わせが始まった、お互いの紹介が親同士で進んでいくが千夜と言う赤子は一度私を見た後興味がなさそうにしている、流石にこの時点で相手の将来の美醜は分からないが親の顔を見る限り合格ラインは越えるだろう


人面疽を使って挨拶をすると千夜のスキルが勝手に起動して私を値踏みしている様だ「蟲毒壺」に似た気配だが少し性質が違って見える、そのスキルの効果もあり呪術に対する耐性は十分に備えていると見える現時点で転生者なのかは不明だが、私の弟よりはこの時点で魔力も超えている油断は出来ない


「だ~」

精霊魔法が発動して私に水がかけられた、「蟲毒壺」が反応しない所を見ると毒が含まれているような事は無い様だ何が気に入らなかつたのだろうか、前世の恨みでも有るのだろうか?


「きゃっ、きゃっ」

と嬉しそうにしている


「こらっ!千夜、ヒルダちゃんに何て事するの!」


母親に叱らてている、その後水をまとって飛び上がるが母親につかまった


「千夜!ヒルダちゃんにごめんなさいしなさい」

わたしの前に首を掴まれてぶら下がられている


遊びのつもりなのかもしれないが礼儀を教えてやらなくてはいけない、この先も交流する機会はあるだろう、舐められる訳にはいかない


相手は水の精霊魔法を使いこなして見せた、こちらも精霊魔法を披露すべきだがこの状況で相手に怪我をさせる事は出来ない、火の精霊魔法で濡れた身体を乾かすことにしよう


「あ~い」

親に従い形だけだろうが頭を差出てきた


「お前にも人面疽を分けてやるから文句があるなら直接行ってみろ」

不満がありそうなので話しかけた


「五月蠅い、そんなものは不要だ」

精霊魔法で頭の代わりを作り出して返事が返ってきた


口の利き方も知らない様だが親に叱られた為だろう渋々風の精霊魔法で身体を乾かす作業を手伝いだした


仲直りの為だろうか?それとも二種類の精霊魔法を使えると見せつけるためか?表情を見るに後者の様だが、このままではキリが無かろう、ここは年長者として余裕を見せるべきだろうか、相手が転生者か確かめるための質問をしてみたが相手は記憶が戻っては居ない様だ


それでも精霊魔法を使いこなし、まともに意思疎通が出来たと言って良いかは疑問が残りが十分に会話が出来る様だこれが転生者で無いなど考えられない


そう思っていたら向こうは私の事を転生者と確信してい様だ、前世と性別が違う事にも感づかれ、嫌味も言ってくる、男に戻そうか?とまで提案してきた、ここで貸しを作る訳にはいかないだろう、もったいないが我慢する事にした


何だかんだで、ある程度は友好的に顔合わせが終了した、今後あの小娘にすらなっていない赤ん坊と私が結ばれる未来は有るのだろうか?あれが言ったようにあれの兄を狙った方は良いのだろうか?向こうは競争率は高そうだが


私は何を考えているのだ私は魔王エミルなのだ、ヒルダでは無い、こんな事を考える様では駄目だ、八つ当たりに弟のカインを蹴ろうとしたがよけやがった、気に入らない、生意気な奴が多すぎる、このままではいけない事だけは分かるがどこから手を付けていいのか分からない、そのまま2歳の身体は眠気に襲われ抗う事ができないまま弟と並んで眠りについた





記憶が少しずつ戻って来たどうやら獲物だと思っていた聖女候補の小娘に返り討ちにあった様だ、有難い事にまた同じ母親の息子として誕生する事が出来た、状況を確認すると忌々しい事に双子の姉がいる、妹だったヒルダも俺の後で仕留められたのかと思ったが別人の様だ


俺を召使の候補と思っていやがる、だがそれだけの事をやるだけの力は持っている祖先である魔王エミルが俺の双子の姉として転生したのだと母が話しているのを聞いた、今魔王軍は「法王国」の前に屈辱的な和平を突きつけられている様だ嘆かわしい事だ


母やヒルダそしてイザークは俺の死んだあと何をやっていたのだ?ここで冷静に考える、逆なのだ、何も出来なかったからではない、やり過ぎたから女神を怒らせ使徒にここまで追い込まれたのだ、姉と勇者の娘がじゃれ合っている、魔王の生まれ変わりが何て様だ


俺がしっかりしないといけない、前回の様な失敗を繰り返す気は無い、生まれて2年間で姉は正面から戦う事を選択肢から除外してしまった様だ、俺も状況を把握することから始めよう、手始めに姉の蹴りを躱して見せた


この姉を自分のモノにするのも面白そうだ記憶が戻るまでの間良いようにしやがって、女に生まれた事を後悔させてやるのも楽しみだ、そんなことを妄想していたら眠ってしまっていた、前回は妹のヒルダと連携が取れずに俺は返り討ちにあった事を夢に見てうなされていた


目を覚ますと姉が俺の身体の上に足を乗せて寝ていやがる、お返しに腹を蹴ってやろうとしたら抱えあげられた


「やっぱり別々のベットにしないと駄目かしら」

母が俺を抱き抱えてため息を付きながら言っている


どうして今までそれに気が付かないのだと思ったが、そのまま母の乳を飲み再度眠りについた、朝になり起きた時にはまた隣に姉が寝ている勘弁してくれ、せめてベットをもう少し広くしてくれないものだろうか

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