123.千夜
私は類稀な両親から生まれて力を授かった様だ、生まれて1年ほどで自分は他の子供とは違うと気が付いた私の持つスキルが教えてくれたのだ、私は両親に望まれて生まれた、千夜と言う名前が表している
両親は何度も愛し合っているが私が産まれるまでの夜は命を産み出すことが出来すに朝を迎える、その過程で多くの可能性が消えていった、その生まれる事が出来なかった可能性の上に私は生まれた、私のスキルは言う、禁じられていた可能性が私の誕生に合わせて道が開かれたと
そのスキルは私と共に生まれた子供なのだ、私はこのスキルを家族の1人と認めて共に歩むことにした、私の陰で生まれる事が出来なかった多くの家族がいて逆に私が産まれる事で誕生を果したスキルが私と共に歩むのだ
「千夜、いっぱい飲んでね」
と私を抱き乳を与えてくれる、
普通の人間なら死んでしまう様な成分が入っているのだが既にへその緒を通して私の身体とスキルが覚えている、私だけが飲むことが出来るモノだと思っていたら私のもう一人の母に少し横取りされた
「イライザ、千夜の分は無くなったらどうするの?」
「良いだろ、カムイはもう飲まないから俺の乳を飲ませてやるから大丈夫だ、香織も飲んでいいからな」
両親から乳を与えられることになってすくすくと成長した
そんな中初めて自分と同じような赤ちゃんにであった、生まれて2年と私の倍生きている、寿命から考えると誤差なのだけど同じ女の赤ん坊でも1歳と2歳の差は大きいそして向こうはダークエルフの転生者だという
それでもスキルが私を助けてくれた、相手は母親と同じスキル「蟲毒壺」を所持している様だが母親のそれと比べるとまだまだ所持者と同じく赤ん坊だ、私と母親の胎内にいる時からお互いを熟知し二人三脚でささえあってきたスキル「ファミーリー」の方が成長している
私を子分にとでも勘違いしている様だ分からせてやる、二本足で立ちお腹にあるもう一つの顔で言葉が話せるくらいでマウントが取れると思うなよと心の中でつぶやく
「だ~」
精霊魔法を使いダークエルフの赤ん坊に水をかける、ずぶ濡れになって泣きだすがいい、この精霊魔法は汚れたオムツを自分で綺麗にするために身に付けた、今私の付けているオムツが綺麗な事を感謝するがいい、私が粗相をしていたら身体を洗うついでに汚物まみれにしていたところだ
「きゃっ、きゃっ」
狙い通りにずぶ濡れにして勝利の叫びを上げる
「こらっ!千夜、ヒルダちゃんに何て事するの!」
母親に叱らてしまった
ヒルダと言うのかこの無礼なダークエルフのガキは、そう思いながらもまずは逃げ出そうと、水をまとってスライムの様にベビーベットの柵を飛び越えたところ片手で首を掴まれ子猫の様にぶら下げられる
「千夜!ヒルダちゃんにごめんなさいしなさい」
母親が私をぶら下げたまま言う
見ると生意気に泣きもせずヒルダと言うガキがこちらを睨みながら火の精霊魔法で濡れた体を乾かしている
「あ~い」
仕方が無いので私も母親から見えない事を良いことに睨みながら形だけ頭を下げた
「いいのよ千夜ちゃん、これからはうちのヒルダと仲良くしてやってね」
このクソガキの母親だろうもう一人の子供を抱きながら声をかけてきた
「お前にも人面疽を分けてやるから文句があるなら直接行ってみろ」
クソガキが煽って来た
「五月蠅い、そんなものは不要だ」
精霊魔法で水と風を操り胸像を造り上げてその口から返事を返した
「大したものじゃないヒルダと喧嘩させたらどちらが勝つのかしら?」
余裕のある言葉でヒルダの母親が言う
ここにきて正確に敵の力量を測ることにした、集中して相手の魔力を測る
「冗談はやめてくださいよ、カミラ母さん」
私の母親が止めてしまった
気に入らないが仲直りしないといけない様だ、お詫び代わり風を起こして乾くのを手伝う事にしたお互いに気まずい時間が過ぎていく
「ごめんなさい」
乾いたころを見計らって私から謝ることにした
「年上として謝罪を受け入れようでは無いか、今回は許してやろう」
偉そうにクソガキが
「年齢を重ねた余裕がありますね、転生されている様ですが本当は何歳なのですか?」
私と同じ女だ歳の話しは嫌味になるだろう、無邪気を装い聞いてみた
「前世込みで100歳くらいかな、人生の大先輩になる敬うがいい」
平気で受け流された、もしかして前世は男だったのだろうか?
「今回は女性を選ばれたようですね、素晴らしい好奇心と探求心ですね、私の兄と仲良くして下さいね甥っ子か姪っ子を楽しみにしています」
「お母様に早く孫を見せてあげて下さいね、年長者の先を越さない様に私は弁えておりますのでお先にどうぞ」
この言葉は聞いている様だ、お腹の顔が何も言わなくなって本当の顔が悔しそうに歪んでいる、この先も付き合っていく事になりそうだ
「男に戻してあげましょうか、性転換薬を創ることも出来ますよ」
関係を改善するために提案してみた
私の「ファミリー」は両親の「蟲毒壺」と「聖杯」のスキルの一部の能力を持って誕生したスキルだ専門的な事はそれぞれのスキルに敵わないがポーションや薬の調合は両者の長所を引き継いでいる
「お前の手を借りる迄も無い、私のスキルで男に戻って見せる」
私に借りは作りたくないのだろう
強がりなのかとも思うが言葉からは自信を感じた勝算があるだろう、それでも今はまだ出来ない様だ、それまでに兄が口説いてくれたら面白いのに
「お前こそ、俺の様に早く前世を思い出せたらいいのにな、真っ新な人生も良いかもしれんがその力と知恵から見るにお前も転生者だろう、良ければ手伝ってやろうか?」
ヒルダが言ってきた
本当のところはどうなのだろうか?
「じっくり楽しむことにします、そちらこそ女の自覚が産まれる前に男に戻れればいいですね、私の記憶が戻るのとどちらが早いか楽しみね」
こうして2人の顔合わせが終わった
そういえばもう一人赤ん坊がいたがあれは誰なのだろうか、あのクソガキの弟か妹だとは思うが母親も含めて紹介するのを忘れていた様だ、私が聞いていなかっただけかも知れないがこれからもあのクソガキと一緒に育つのだろう苦労するに違いない、他人事ではあるが可哀そうに思った




