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109.交渉

またセーラ様に説教をされている、前回の魔道具をイザベル達に魔道具を渡した時と比べればマシだ、正座させれらてはいない普通に椅子に座っているしイライザと言う弁護士もいる、いや少し違う強気に反論する共犯者がいてくれる、いつの間にか私をおいて2人でディベートになり交渉になり最後には値引きを行う商取引になった


セーラ様が問題視したのは邪神の生贄にされ魂を捕らわれていた神官を独断で蘇らせたからだ、安易に奇跡を安売りすべきでは無いと言う主張だ、1人目をイライザと共に「聖杯」のスキルを使い蘇らせた後にこの部屋に連れてこられた


残る2人も蘇らせるというイライザの主張は残りの2人は転生の儀式を行い成人の後に前世の記憶を取り戻す様にする事に落ち着いた、最初の1人はセーラ様の言葉で言うと「もう手遅れなので認めるしかありません」とため息交じりに認めてくれた


その後、今回の活躍に正式に感謝の言葉をかけたあと、「魔導国」から訪問して今回の事件に巻き込んでしまう事になった美咲さんとリーゼロッテさんに対しての謝罪と今後の対応についての会談の準備に取り掛かる為に私達2人を置いて席を立たれた





歓迎の宴の最中に事件が起きた原因を調査した結果は自国の伯爵が生贄を捧げて召喚した邪神の仕業だ、犯人を拘束して後は裁きの準備を進めるだけと安心していたが本人が貴賓用の牢から抜け出していた、今も行方不明であるが、イザベルから聞き取った情報を加えて考えると、もう召喚した邪神に操れた挙句自らも生贄としての最後を遂げたと推測される


幸いな事に主賓のミサキ様とリーゼロッテ様は無事であったが2人の力が無ければ最悪の結果を迎えていたかも知れない、外交的にも我々の落ち度であり、何らかの譲歩や利益の提供が必要になるだろう頭が痛い、用意した館まで送り届け、事後の話し合いを明日に行う事で話をまとめた後に別の頭痛のタネに悩まされることになる


その頭痛のタネは勇者カオリだ、またやらかしやがった、と言っても前回の危険な魔道具と比べればマシだ、少し状況が違えば賞賛して成果をを喧伝したほどの奇跡でもある、犯人と言っては何だが勇者カオリが関わっていなければそうしたかもそれない


今回の不祥事を目立たなく出来る程の奇跡なのだ、そのため判断に悩みもしたが釘を刺しておかないと今後の更なる暴走を許すことになるだろう、2人目の復活の準備を進めるカオリ様とイライザ様を止めて説教を始めたがイライザ様が私の意見に耳を貸さない


結局残りの2人を奇跡によって成人後に記憶を取り戻せる形で転生させる事まで妥協させられた、それでも簡単に復活出来るなどと周囲が誤解すれば後々面倒な事になるだろう、国中から死体が神殿の持ち込まれては対応出来ない


「寿命を終えていない全ての者を生き返らす気ですか?」

と問い詰めイライザ様を納得させる事が出来た


「私なら大丈夫です、任せて下さい」

カオリ様が真顔で恐ろしい事を言い出した


この問題児を止めてくれたのはイライザ様だった同じ問題児だが多少考え方に差が有る様だ、流石にイライザ様に止められて主張を引っ込めてくれたが今後も悩ませれる事になると思うと嫌な気持ちになった、いっそ使徒にでもなってくれれば良いのにと思ってしまう、この前に最高司祭の後継者候補にと考えた私達は何を考えていたのだろうか


カオリ様が最高司祭になり私が補佐している所を想像する、「イライザ様、最高司祭様は何方におられますか?」と、事有るごとに居場所を探す事になるだろう、本神殿で大人しくしてはくれないだろう


私が後継者になる方がどれだけマシな事か、その上で私は後継者として相応しいだろうか?現時点でそうなるべく引き継ぎをしている最中だが私は聖女として今の彼女に力の足元にも及ばない、彼女が聖女として勇者エレノアを導けばどうだっただろうか?


無意味な妄想だと思考の沼に沈みそうになる自分を引き留めた、今自分がやるべきことは「魔導国」への対応だろう、今後は私が「法王国」の舵取りをするのだ、魔王カトレアと対峙した時も思えば相手の用意したシナリオに乗せられたと分かる、その結果イザベルを奪われたとも言えるのだ





「リーゼロッテ殿、今日は助かりました貴女が私の石化を解除してくれなければあの化け物に取り込まれ異様なヒュドラの首を増やす糧にされていた事でしょう」


「香織様が駆けつけてくれたのも貴女との関係があっての事ででしょう、貴女と共に「法王国」を訪れていた事が幸いしました」

用意された館でリーゼロッテ殿に感謝を伝えた


「お気になさらないでください、強敵でしたがお陰て私個人としては得るモノがありました、それでもカオリ様と比べれば僅かなモノですが」

彼女から返事が返される


私はあの騒ぎの中で何も出来ていない、結界に傷を付ける事は出来たがそれが無くともあの勇者は結界を砕き化け物を退治しただろう、この口惜しさは「法王国」に八つ当たりさせてもらう事にしよう


「明日の戦場は机の上になるでしょう、今度は私が戦果を獲得する番だわ、リーゼロッテ、相手の出方を探れないかしら?」

リーゼロッテの力で「法王国」側の手札を探れないだろうか


「今日は香織様が本神殿に滞在されていますので気付かれると面倒です、相手に手札を渡す事になるかも知れません」

リーゼロッテは乗り気で無い様だ


それでも今回はかなり有利な対場で交渉に臨めるだろう、「法王国」との間に領土問題などは無いが貿易などの慣行で不利な条件のモノがあるこの機会に改善しておきたい


「昨日はうちの根性無しと、ミサキ殿が石にされたみたいだなイザベルから聞いた今回の協力のお礼に俺が鍛えてやろう」


「リーゼロッテ、昨日珊瑚から経験した呪いを伝授してあげるお礼はそれでいいかしら?」

「法王国」側に手強い援軍がいた


リーゼロッテと2人揃ってテーブルの上の戦いにも持ち込めないまま訓練場に案内された


リーゼロッテは香織様の提案に喜んであっという間に陥落した、両家の婚約で私と互角以上の交渉をした手腕は何処に言ったのだ、最初は私同様に事態の変化に追いつけなかったセーラ様もすぐに状況を把握して、訓練場の使用許可を出して私たちを2人に売り飛ばした、訓練場で昨日共闘した審問官が暗い表情で直立不動で待っていた


私は「魔導国」の王妃で外交使節として訪問したはずだ、どうして審問官と共にしごかれないといけないのだ、何度も石になり香織様に解呪される、気が付けば審問官と共に呪いの練習台にされていた


カオリ様が途中で呪いを改変して自分の拳に珊瑚の爪を生やしてみたり、その珊瑚を別の宝石や金属に変えてイライザ様と訓練をやりだした、何とか石化に耐えられるようになった時には日が傾いていた


会議室に戻った時には、最低でもここまでは関税率を引き下げさせるとリーゼロッテと打ち合わせていた税率を提示して条約の再締結の提案をされた、こちらは仕掛ける事を躊躇して控えた情報収集を仕掛けられたとしか思えない


「「法王国」側としては誠意をもって提案させていただきました、これ以上は譲歩しかねます」

セーラ様から決断を迫られる


「不満なら、税率の代わりにもう一日稽古をつけてやろう、まだまだミサキ殿は強くなれる、それを磨かないのは王妃として怠慢以外の何物でもない」

イライザ様が笑顔で言って来た、セーラ様と違い交渉術の様な感じはしないが横にいる女狐が上手く誘導でもしたのだろう


「イライザさまミサキ様も国に戻られて進めなくてはならない公務を抱えている事でしょう、あまり無理に引き留める訳にはいかないでしょう」

セーラ様がイライザ様をたしなめる


これは助け船で無ない、これで満足して国に帰れと言う圧力だ、面白い、何日でも付き合ってもう少し良い条件を勝ち取ってやる


この決意の結果、更に1%関税率を引下げさせて、私はもう少し強くなったが一日が限界だった、土産に香織様からドレスを送られて帰国する事になった、リーゼロッテは満足そうにしていたが私は少し不満だった

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