107.■■■■■
約定に従い契約者の魂を喰らう
だがこの世界の者が私を召喚できる機会は稀だ
この魂を含めて4人分の魂を手にしているが契約者の魂は間に合わせでしかない
契約者の魂を消費して仮初の顕現を遂げた
7人の魂を集めればこの世界に顕現出来る
契約で定められた生贄が途絶えた
実質3人分の魂しか蓄えられていない
契約者の死により自らの世界に帰る事も出来る
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契約者の身体を使ってこの世界を感じる、器が満足できるモノでは無いが限定的ではあるが己の力を引き出せる、バラバラだった意識が統合され思考が明瞭になるが、実力の10分の1に満たない
この身体が耐えられる時間は限られるし消費した魂を使い切れば貴重な神官の魂に手を付けなくてはならなくなるそれまでにあと4人分の魂を手に入れなくてはいけない
状況を確認する、我を召喚し契約を交わした人間は捕らえられた様だ、我の召喚自体はどうかわからないが、その手法はこの世界にでは邪悪と断じられるモノの様だ、契約者はある程度位の高い者らしい、拘束されている場所も庶民からすれば豪華な家具も整えられた特別な独房だ看守を操り扉をあけさせた後眠らせる
この国には今までに生贄として捧げれた神官を越える良質な魂がそろっている様だ、魂の狩場としても最適だ、潜伏して確実に魂を集めるのが最善なはずなのだか消費した魂の願いが契約の残骸を通して我の行動を狂わせる、「まずは我を陥れたあいつを殺す」陥れられた契約者の恨みの記憶が混じって我を駆り立てた
歓迎の宴が開かれる様だ、司祭の詰まらない社会見学に付き合わされた悪意は無いように見えたが、魔王との交渉の代表を務めた人物で魔王討伐のパーティーの1人だ何とでも誤魔化せるだろう、何度か使い魔などを送り込んだ事に対する意趣返しかもしれない、今度はどんな手を打ってくるだろうか?
「ミサキ様、私は国王のアーノルド、お会い出来て至上の喜びです、今まで「魔導国」の王は空位のままでしたが美しく優秀な王妃の力で戴冠されたとか、形だけの王である私と比べてヘラルド殿下が羨ましい」
名誉職でしかない「法王国」の国王が私に挨拶をする
悪意は無いのだろうが権力が無いためお世辞に混じって日々の不満が微かに感じられた、審問官達の厳し目も有り、最高司祭に頭が上がらないと聞いている
「カール殿下の芸術家としての評判は「魔導国」にも届いております、是非とも殿下の絵を私の屋敷に飾りたいものですわ」
交渉相手と成り得る相手の趣味趣向は調査済みだ、実権は無いが機嫌を取って置いて損は無い
国王の挨拶に続いて伯爵が挨拶をするために近くに控えていたが異常な魔力を感じた、伯爵の身体が膨らみ着ていた服を突き破りながら何かが生えてきた
国王の手を引き伯爵だったモノから距離を取る、伯爵の顔が歪み天井を見上げた状態で目玉が飛び出し大きく開いた口から内臓が風船のように膨らんで飛び出た、まるで釣り上げられた深海魚の様だ、身体から生えてきた物は宝石珊瑚の様に見える朱色の艶のある美しさであったが伯爵の血の色なのかも知れない
宴に参加していた女性達が悲鳴をあげる、対照的に伯爵は声を出すことも出来ないまま目や耳から血を流し不快な音を立てながらそこからも珊瑚が生えてきた、壁際で警備についていた騎士や神官が参加者を避難させている
「ミサキ様おさがり下さい」
一人の女性の神官が私と国王の前に出て結界を展開して変わり果てた伯爵を包み込んだ
昼に私を案内してくれた者だ、魔王軍との和平の会議で魔王の傷を治癒していた事を覚えているイザベルと言ったか優秀な様だ、あの時より力を付けていると見えるここは任せて良いだろう、伯爵の変化は呪いだろうか?術者が近くにいるかも知れない
美咲様に付き添い「法王国」に訪問している最近本神殿の防諜用の結界や監視のゴーレムの運用が改善された様だ、切っ掛けはアンジュが蟻を侵入させた事が一因だろう、定期的に「蟲毒壺」の情報交換のため交流しているその時に話を聞いていた
神殿内部の案内を受けたが案内役の3人の目があるため迂闊な事は出来なかった、アンジュから蟻の使い方も教わっているため私でも侵入は可能だが私の使役した蟻はアンジュのそれとは一段落ちる、下手をすれば手札がバレる、弥生様は気付いていた様だがそこまでは情報を開示してはいない
大人しく案内されるまま予定をこなしていると歓迎の宴で異変が起きた、参加者の一人に呪いの効果だろうか生きたオブジェになり、次いでそのまま死亡してただのオブジェになった、初めて見る呪いだ「蟲毒壺」にとりこみたいが邪魔が入った「法王国」の警備に着いていた神官が結界に包んでしまった
「法王国」内に権力闘争が起きている情報は掴んでいないが、違法奴隷を生贄にした嫌疑で拘束されている伯爵がいたはずだ、詳細までは確認していないが既に何かの呪詛をかけていたのだろうか?
そのまま護衛の人員が参加者の避難誘導を終わらせ私達2人にも避難を求めた時に神官の展開した結界にヒビが入った、結界の中に水が満ちている
「ミサキ様、結界が持ちません早く避難をお願いします」
避難誘導を終えた護衛達が広間に引き返して来た
「リーゼロッテ、後は彼女たちに任せましょう客が出しゃばるのはここまでです」
美咲様と共に広間を出ようとしたが遅かった
結界が破られ水が広間に流れ出す、その水は瞬く間に床に拡がりや出入り口や窓をを塞いでいった
「思った以上に上物の獲物がかかった様だ、4人共私の降臨のための贄にしてやろう光栄に思うがいい」
手足や首に漆黒の鱗を生やした男が水の上に立っていた
その男が私達を睨むと美咲様と審問官の男が石化していった、私はコカトリスやバジリスク等の毒になれて耐性があるからだろう邪眼の呪いであっても効果を軽減してくれたためわずかな痺れだけで済んだ「蟲毒壺」石化の呪いが記憶されると共に痺れは消えていた、この非常時に関わらず新たな呪いを発見した事に喜びを感じていた
結界を展開していた神官も呪いに対抗している、守護の魔道具だろうかその加護も加わり呪いを防いでいるようだ
男の邪眼に驚きが見えた、私は「蟲毒壺」のスキルを起動して呪いの解析を進める
「何者ですか?カトレア様の呪いと比べれば大した事は無い様ですが」
神官が男を挑発する、思い出した彼女はイザベルか噂は聞いている、和平のために魔王城にいるはずだが今はここに居る様だ有り難い
「お前らに名乗る名など無い、名乗ったところで人間共に発声する事は出来まい!」
「良く我の邪眼に耐えたその事は褒めてやろう、その力に敬意を払おう私の巫女となるなら生かしてやる」
上位の悪魔か邪神の類だろうこの世界にまだ馴染んでいない様だ
イザベルが稼いでくれた時間で呪いの解析が出来た、「蟲毒壺」に呪いを取り込む形で美咲様と審問官の呪いを解除した
「お前も面白い事を出来る様だな、今ならお前も我の巫女になるチャンスをやろう、断っても構わんお前たちの魂ならこの世界に顕現する贄としても相応しい」
邪神の巫女になる気など無い、イザベルも魔道具を起動している戦う気の様だ
私は「蟲毒壺」のスキルを起動して濃縮された聖水を生成して水の元素魔法で操る、アンジュが魔物に対する毒と認識して「蟲毒壺」に覚えさせてくれたおかげだ




