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106.友好使節

イドニア=フォン=ローゼンベルクこの人物について「法王国」の審問官の幹部から情報提供を求めらた、「ローゼンベルク家」は我ら「魔導国」の八大貴族の一つだ


「ニブルヘイム様どこまで情報を開示しましょうか?」

今後の関係を考慮すると全く協力しないと言う選択は無い話だが、仮にも現魔王の人間時代の話しだ吸血鬼の真祖に到り今はその真祖を捨ててなお魔王としての地位を保っている


いや、捨てた事でより確実に魔王としての地位を盤石にしたとも言える、彼女の情報を求める審問官のそして「法王国」の目的は何だろうか?今後の魔王の出方を予想する為のプロファイリングのためと考えるのが正解だと思うがわざわざ正式なルートで借りを作ってまで必要な情報だろうか


興味を引かれ学園の成績など取集可能な情報を集めた、150年前の記録であるため詳細は不明だが首席で卒業している、早くに母が亡くなった為なのか別の原因が有ったのかは、不明だが後継者にはなっていない女性である事が多少不利なのは私の元の世界と同じだが当主の座についた弟の成績は特に目立った点は見受けられない


私達がこの国の実権の握る際に弥生様の配下として実家を制圧して当主を眷属に加えて掌握している、復讐目的では無く、後に勇者香織の奇跡で人間へと戻し支援をしている様だ、ずいぶんと甘い対応だと思うが彼女が当主の座を逃した原因なのかもしれない


もう1人この前後に学園を含めて「魔導国」から追放された女性の魔術師の情報も求められているこれも記録が残っていたジルケと言う精神操作を研究していた魔術師が該当した研究にのめりこみ人体実験をに手を出し一定の成果を上げた、有用性と危険性が両立したがゆえに持て余し追放された様だ


「美咲、ここは貸しをつくっておこう、魔王にも開示した内容を提供すれば良いだろう、不快に思うだろうが、知られている事を有効活用できるだけの力量は期待して良いだろう、魔王の先輩として彼女がどう動くか見てみたい」

この情報を提供したところで和平に悪影響は無いだろうが状況の監視には気を配ろう


ここ最近「法王国」への諜報活動が難しくなっている魔王軍が手を出して「法王国」が対応した巻き添えだが特に本神殿の警備が強固になっている、貸しにしても良いが少しは見返りに「世間話」につきあって貰おうか


「「法王国」にこの手土産をもって聖都を探って来ましょう、親善のための訪問として王妃の仕事をこなしてきます」

正規の外交使節としてリーゼーロッテに随行を依頼して使節団を編成した「法王国」を過度に刺激しない程度には国威を示す必要がある





不愉快だ、イザベルからの情報の裏付けとして情報提供を依頼したところ、「魔導国」の王妃が親善訪問と言う名の諜報活動を大手を振って仕掛けてきた、既に知っている情報に高額な値段を付けれては堪らない


「八大貴族の当主候補だったと調査報告を受けまして確認をしたかったのです、わざわざ遠路はるばる長旅をさせてしまいましたな」

情報が古い、回答が遅いと皮肉を言って様子を見る


「ユリアン様、最近ネズミ退治に苦労しておられる様ですね、確実に正確な情報をと配慮したのですが不要とあれ報告書は持ち帰る事にしましょう、せっかく聖都を訪れたのです、本神殿の見物でもさせて貰いましょうか、リーゼロッテも楽しみにしていたのです」

初手を間違ったか?


弥生様から受けついだゴーレムによる情報収集と防諜のための監視体制の運用が機能する様になっているイザベルの尻尾を掴めたのはその成果の一つだ、美咲殿の訪問前に使い魔や諜報用の小型ゴーレムの侵入を検知してこれを防いでいるが逆探知や術師の特定は出来なかった、仕事を増やしてくれたが、実戦訓練が出来たと思う事にしよう


「最近ハエが増えまして駆除に力を入れています、発生源まで環境を整えて蔓延を防ぎたいところですが一か所では無いようでして、薬剤を撒いたばかりですが綺麗に掃除しております、丁度優秀な司祭が魔王城から一時帰国しておりまして案内させましょう」

厄介な相手だが、こちらも問題児に対応させよう、足止めして聞き取りをしていたイザベルを呼び出す


「イザベル、「魔導国」の王妃様がわざわざ魔王カトレアと副官のダリアの過去の情報を提供して下さる、お礼と言っては何だが本神前を案内して欲しい、フレデリカとポールも呼び出しているすぐ駆けつけてくれるだろう失礼の無いように頼む」





しばらく本神殿でセーラ様とユリアン様にしぼられたあとフレデリックとポールと再会した2人とは心を割って話し合いお互いの気持ちを確認した、フレデリカとなり子供を授かった事を祝福して関係修復も出来ている、流石にアンジュの仕業だと不都合な真実を知らせる事は出来ないが聞いていた通り本人達は幸せそうでほっとした


今日はユリアン様に呼び出され「魔導国」の王妃を代表とする使節団に本神殿の案内を申し付かった魔王軍との会議にも参加されていた事を記憶している、それに加えてリーゼロッテ殿も同行している、アンジュと同じくカオリ様から「蟲毒壺」のスキルを授かっている人物だ


まともな友好使節のメンバーに選ぶ様な人物ではない、これは威力偵察みたいなものだ案内にユリアン様が選んだメンバーからもそれが分かる、このエスコート任務は国境付近での軍の越境に対する出陣と同じだカオリ様から授かった指輪が頼もしい


「ミサキ様ようこそ聖都へ、私が神殿内の解説をしましょう」

神殿まで案内するとセーラ様が出迎えられた


意識的だろう「法王国」の歴史から始まって歴代の最高司祭の解説や神殿の建設に使われた石材の解説など眠くなるような話が続いた、始めは質問もされ興味深そうにしておられたミサキ様も表情が固まっていく、そんな中でもミサキ様とリーゼロッテ殿から目を離せない特にリーゼロッテ殿のスキルは警戒が必要だ


魔王討伐や勇者の活躍などの信徒が喜び他国の者でも楽しめるような話は一切無い、私も次第に昨日までの取り調べと説教を思い出して気分が悪くなりかけたところで案内が終わった


この後は歓迎の宴などが予定されている様だが私は警備を仰せつかった、この仕事が終われば解放されてカトレア様のもとに帰れるもうひと頑張りだ

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