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オレの副業は夢占い師  作者: 野松 彦秋


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3.自分の見た夢を語り出そうとする友人

友人にも言った通り、オレは、結婚した事が無い。


結婚の一歩手前まで行った事は一度だけある。


大学時代に一度だけ恋愛をしたが、21の時の当時のオレは結婚する勇気を持つ事が出来なかった。


その後オレは、会社に就職し社会人になったが、学生時代の彼女の様な女性には出会う事ができず、逃がした、いや、自分から手を放してしまった人の存在の大きさを後々痛感させられたのである。


そう、後悔したのさ。


若い時には、オレにも怖いもの知らずという、勢いがあった。


しかし、オレにもあった筈なのだが、オレはその時躊躇したんだ。分かりやすくいえば怖じけずいたんだ。


齢を重ねると、知らず知らず失敗を恐れるようになる。

オレの失敗は、失敗が許される時期に失敗を恐れた事さ。  


失敗が許されるって言うのは語弊があるな。若くても許される失敗は無い。許されないけど、挽回できる時間があるのさ。失敗しながらも前に進めば、成長すれば良かったんだと最近分かったよ。


遅すぎたけどな。

今、たまに思うよ。一度ぐらい結婚しておけば良かったなと、まあ、しなくて正解だったと思う時もあるけどね。


ウソでも強がりでもないぜ。結構離婚している人もいるし、子育て、夫婦の問題、望んでてでも子供が出来ない等で悩んでいる人も多く見て来たからだ。


オレの偏見だが、結婚してもしていなくても50%の人が幸せで、50%がそうでは無いと思っている。


結婚=幸せではない。独身=不幸せではない。


独身は寂しい時もあるが、自分と親だけの心配だけすれば良いと思うと、家族を養う同僚達とくらべて気楽な立場だと正直思う。そして彼らの立場を大変だろうなと同情するのである。

ああ、話がそれちゃったな。


話を戻すよ。


その日、オレはどこか友人との飲み会の進行、いや流れをある程度予想して待ち合わせの駅へ向かった。


失敗しても、結婚の経験が出来て良かったなと、出来ないオレよりマシさと言って慰めようと、そん事を考えていた。


駅に到着し、改札出口に向かうと、俺より先に到着していた友人の姿が目に映った。


『よう、久しぶり!!』


オレが、先にそう声を出し、手を挙げると、友人も同じように手を挙げた。


俺よりも、15㎝も高い友人は、以前あった時よりも髪が薄くなり、随分老けたなと感じた。


『俊哉、近くの居酒屋を20時で予約してる、こっちだ』


友人は、そう言うと自分について来いという様な素振りをして振り返り、駅の出口にむけ歩き出した。


駅から数百メートル歩いた雑居ビルの2階にある居酒屋に入った俺たちは、友人が名前を名乗ると、店員の女性が直ぐに席に案内してくれた。


個室に通され、その部屋のテーブルにはサラダと数品の料理が用意されていた。


案内を終え帰ろうとする店員の彼女に、『とりあえず、生ビール二つ』とオレが言うと、『喜んで!』と彼女は言ったが、次回からはそちらの端末でとテーブルのタブレットを指さした。


『ア、了解です、スンマセン』とオレが言うと、彼女は愛想の良い笑顔で、『大丈夫です!』と軽く会釈をしてくれた。


店の教育が行き届いているのか、それとも彼女の人柄なのかは分からないが、その笑顔が俺のその店の印象を爆上げしたのは、間違いない。


上着を脱ぎ、リラックスした状態で座っていたら、直ぐに生ビールを持って来た。


残念ながら、その時は、最初の彼女ではなく、男の店員の方だったが・・・・。


『じゃあ、先ずは乾杯!!』


友人は、笑顔でグラスを上げたので、オレも『乾杯!』と声をだし、そして待ち受けていた友人のコップにグラスを当てる。


軽い音が心地よく、最初の一杯は何時も通り格別だった。


お互いに年は取ったが、変わらない空間が直ぐに戻ったのをオレは実感したんだ。


何の意味も無い、くだらない話ができる存在っていうのは有難い。


昔の自分を知ってくれている友人とは、社会人になると、なかなかできない。


学生時代の友人って、そういう意味で貴重だと何時も思うよ。


オレは、気を使ってない雰囲気を装いながら、いつコイツが離婚した今の状況を、心の悩みを吐いてくるのかと、内心、今か今かとまってた節があった。


それは、おれの狡さみたいなものなんだけど、その中には優しさがあるとオレは信じてる。


誰も信じてくれないけど、自分だけはね。


ただね、友人も同じ、自分の悩みなんか、言いたくても、言わない様にするんだよね。


あれぇ、コイツ、なかなか言ってこないな。未だ飲みが足りないなと。


オレは、自分も飲むけど、アイツにも飲ましたんだ。


さあ、飲め、酔っぱらって、お前の本音を、悩みを聞かせてくれよって思いながら、アイツに酒を飲ませたんだ。まあ、自分も飲んだけどね。



『俊哉、実はお前に聞いて欲しい事があるんだ』


オッ、終に来たかとオレは思いながらも、オレはワザと平然にいった。


『なんだよ、友だちだろ、何でも言え、聞いてやるって』


酒飲んだでたから、結構気持ちも大きくなっていたのか、オレの声は大きかった。


『変な事言うと、思うなよ』


『思わん、何だ』


『オレの見た夢なんだが・・・』


『ユメェエ、何だそりゃ』


『夢だよ、オレ、奇妙な夢を見たんだ』


そう言った友人の顔は、真面目で冷静だった。


『言ってみろよ。聞いてやる??夢か・・・何?』

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