問題しかない人
ミラが到着してから三時間後にレナーリアがオルゲーニ邸へ到着をした。
「ちょっと!誰もいないの?出迎えも出来ない者しかいないのかしら?」
二階にある執務室からルーベンスとアンゲルが出て来て階下に居るレナーリアを見る。少しして見上げて二人に気が付いたレナーリアは、不機嫌を露にした。
「アンゲル!何をしているのです。わたくしが里帰りをしたと言うのに、誰も迎えが出てこないというのはどういうことなのかしら。」
「・・・・・これは大変失礼致しました。いらっしゃることを先触れでも聞いてはおりませんでしたので、出迎えの準備が出来ておりませんでした。」
「はぁ?何を言っているの!ミラが着ているでしょう。」
「そう言えば、同じように先触れもなしにいらした令嬢がおられましたが、ミラ様でいらっしゃいましたか。オルゲーニ家とは縁はないお方ですので、解り兼ねてしまいました。」
アンゲルが、笑顔で反論すると、レナーリアの顔は真っ赤に染まり頭からは湯気が出るのではないかという位怒りに満ちていた。
「わたくしの夫の姪ですよ!縁がない訳はないではないか!」
「いえ、オルゲーニ家の血は一滴も入っていらっしゃいませんので。しかもレナーリア様は嫁がれた身ですし。マティス様のご葬儀にも遠方と言うことでいらっしゃいませんでしたし、それこそ、マティス様ご存命のころには、一度も御出でにはなられませんでしたから。」
「それは!」
「あっ!そうでした。申し訳ございません。レナーリア様とご夫君は出禁になっていらっしゃいました。忘れていて申し訳ありません。それで、今日はどうなさいましたか?」
レナーリアは、更に顔を赤くして屋敷内に聞こえるほどの大きな声を張り上げた。
「お兄様が他界されて代替わりになったのだから、出禁なんて無効よ!早く部屋に案内してちょうだい。」
アンゲルとレナーリアのやり取りの間に従者達がせっせと荷物を運びこんでいた。
「そちらのお荷物は?」
「久しぶりの王都だから購入してきたのよ。流行りに乗り遅れて、今までサロンやお茶会でも馬鹿にされてきたから。良い機会が出来て良かったわ。」
「当主の病気が良い機会ですか。」
「こ、言葉のあやよ!」
アンゲルに代わって、ルーベンスが質問攻めにする。
「そちらのお支払いは大層な金額になりそうですね。」
「わたくしの物だけではないわよ。ミラの物が主よ。これから公爵夫人としてミラは社交界に出ていかなければならないのよ。わたくしも付き添わなければならないし。これから忙しくなるわね。」
「当主が寝込んでいるのに?」
「風邪でしょう。直ぐに治るわよ。」
「で、その支払いは?」
「貴方はバカなの?今説明をしたでしょう。これは公爵家に必要経費よ。」
「・・・・と、言うことは公爵家に負担をしろと言うことでしょうか?」
「当り前でしょう。」
「請求書を出して頂けますか?」
ルーベンスはゆっくりと玄関先まで広がっている大理石の階段をゆっくりと降りて、レナーリアに手を差し出した。自分をエスコートする為に出された手と勘違いをしたレナーリアはその手に自分の手を乗せると先程の怒りの真っ赤な表情とは異なり、薄紅色に頬を染めた。
「お前はオルゲーニ家に仕えるだけあって、きれいな顔をしているのね。」
そして、ルーベンスの耳元に口を近づけて囁いた。
「わたくしの愛人にしてあげても良くってよ。」
義伯母と言い姪と良い血が繋がっていないはずなのに良くもここまで似るものだと心の中で侮蔑した。
「僕には、婚約者がいますので、ご遠慮いたします。」
「お前も男なら、愛人を持つくらいの甲斐性を持ちなさい。後で呼んであげるから。」
「本日は、お疲れでしょうから早急にお休みになられた方が良いですよ。」
これ以上は付き合いきれないとルーベンスは、近くに隠れていたメイドに合図をして部屋へと案内をさせた。
「あれが、マティス様公爵家がの妹なのか?」
「信じたくはないでしょうが、血はしっかりと繋がっております。」
「誰に似たの?」
「突然変異です。」
「あーそーなんだ。傾いた初めの原因と見たけど。」
「仰る通りです。」
二人の会話を聞いていた従者が申し訳なさそうに請求書をアンゲルに差し出してきた。
「はぁ、仕事が増えたよ。」
「早急に手配しましょう。」
「僕は、オルゲーニ家にはもう関わりたくはないよ。」
ルーベンスが溜息交じりに言うと、申し訳ありません。とアンゲルが謝罪した。そして二人は請求書を手に執務室へと逆戻りをした。
読んで頂きありがとうございます。
ブックマーク、☆、いいね押して頂けたら嬉しいです♪




