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旦那様私達すでに離婚しております  作者: 志馬
再婚します
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犬と人間3

ゆっくりと歩いて辿り着いた次のお店はブティックだった。ケニアはハンスとベルに服をプレゼントするつもりだった 。


店内に入ると店主の女性が寄ってきた。


「ルーベンス様、ランドルフ様いつもご利用ありがとうございます。」

「今日は、母と従兄弟にこちらのケニアが送りたいらしい。見てやって貰えるか?」


店主は頷くと、店員に目配せをした。その間にランドルフは店内を見て回っている。

男性の服を見ながら、いくつかハンガーを手に持っている。

しかし、大きさからみても明らかにハンスのモノではない。

ケニアは目端にランドルフを追っていた。

ランドルフは手に持っているいくつかの服をエドガーとデルタに渡して何か話をしていた。

ケニアは、首を傾げた。その様子を見ていたルーベンスはケニアの傍により


「どうした?」


と尋ねた。


「お父様と叔父様が、ランドルフ様が渡した服を持って奥へと行ったから。どうしてかと思って。」


ルーベンスはもう姿が見えない三人が向かった奥へと視線を向けた。

三人の様子を見に行こうと一歩歩み出したところで、ルーベンスは店員に呼び止められてハンスとベルの元へと向かった。


二人は勧められた仮縫いの服に手を通していた。


「襟のあたりが少し地味じゃないかな。」

「そう?ハンスは子供だからあまり派手過ぎない方が良くない?」

「うん、私もケニアと同意見よ。」


ハンスの服を此処からどうか変えるべきか。そのままの意匠で進めていくのが良いのか。意見を出し合っていた。


「僕は襟に刺繍を入れると良いと思うよ。でも刺繍は、服自体は紺だから銀糸が映えるよね。それと釦をね、少し変えた方が良いと思うんだ。縁取りの刺繡も金よりも銀の方が良いんじゃないかな。刺繍もこの刺繡よりもあちらの意匠のモノがお勧めだね。」


いつの間にかやって来たランドルフが、細かく指摘をしていく。それをデザイナーが紙に書いていく。出来上がったデザイン画を見て、全員が、ほう。と感嘆の声を出す。


派手過ぎず、かといって地味ではない。しっかりと自己主張が出来ている。


「やはりデザインに関しては、ランドルフ様は目が肥えていらっしゃいますわね。だてに遊んでいらっしゃらなかっただけはありますわ。」

「遊んでいたのは過去にして貰えると嬉しいけど。まだまだ信用はされそうにないんだね。」

「それは・・・・あれだけ遊ばれていらっしゃれば。数か月では難しいと思いますわよ。」


ランドルフは店主に苦笑の顔を向けた。


「僕この服が着てみたいな。他にお勧めはありますか?」


ランドルフは、店員と共に服を見ては細かく注文を入れて行った。

ハンスは予定の枚数を越えて購入することになっていった。しかしケニアは微笑んでいるだけだった。

横で見ていたベルもランドルフをチラチラと見ていると、意図を組んだランドルフがベルのドレスにも提案をしていく。二人は満足といった表情を浮かべていた。

内心少し面白くないルーベンスはランドルフと一緒に消えたエドガーとデルタを探し始めた。すると奥から店員と話をしながら二人が出て来た。


「何をしていたんですか?」

「伯爵様達のご購入される服を見ていただいておりました。」

「伯父上と父上も購入されるのですか?」

「・・・・・いや、その、恥ずかしい話なんだが・・・・ランドルフ殿からの贈り物で。」

「はい?」

「そうなんだよ。うん。ほら婚姻生活は悲惨なもので、ケニアの収入を愛人たちと自分の生活まで面倒を見て貰った贖罪にと。」

「いや、なんだ、購入してもらったからケニアとの再婚を勧めるとかではなく、あーほら、利息分?というか。ねぇ、兄上。」


デルタは、エドガーの言葉にただ、ただ、頷いていた。


「ほう。そうですか。僕はまた直前で家族に裏切られる可能性があると?」

「ない!ない!それはない!大丈夫だ。信用して欲しい。」

「信用できないのが伯父上です。僕がケニアと結婚出来ないように頑張って下さる。僕は伯父上に本当は嫌われているのでしょうか?」


ルーベンスはデルタの顔を膝を追って目線を合わせて見つめた。


「私が、甥を裏切るなんて。ない!ない!ないから!信じて。お願いだよぉ。」


腕に縋りつくデルタをそのまま引きずりながらケニアの元へと移動した。


「お父様何をされていらっしゃるの。ルーベンスお兄様が歩き難そうよ。」


ケニアは父親をルーベンスから引き離して、めっ!と叱った。

恨めしそうにルーベンスを見上げたデルタをルーベンスは笑顔で返した。


支払いを済ませて、領地へ送って貰う物とケニア邸へ送って貰う物と分けて支払いをしようとしたら、


「すでにランドルフ様からお支払いを頂いております。」


と頭を下げられた。ケニアは皆と店を出ていたランドルフを追った。そして腕を掴むとランドルフにお礼を告げた。


「私が出すつもりだったので、沢山購入したのに。お代を支払って頂いたと。」

「当り前のことだよ。だって、僕はもっと酷いことを君にしてしまったから。あの時、こうすれば良かったとタラレバを考えるよりも、今後どうしていくべきかを考えて行動する方が君への贖罪だと思うんだ。エメ達に君が働いたお金を使っていた僕は最低だと思う。でもそのお金も僕が散在したお金も君に返済していくつもりだし、慰謝料も支払うつもりだ。そうやって過去を清算したときにちゃんと君と向かい合う権利を貰えたらな。と思う。今回は、その・・・・言い難いけど、慰謝料の一部だと思って欲しい。ベル殿もエドガー殿もハンス君も伯爵も僕に嫁いだために嫌な思いをさせてしまったことは事実で、変わることがない過去だ。でも贖罪をすることは出来る。それをこれから少しずつでもさせて欲しい。自己満と思われてしまうかもしれないけど。」


ケニアは優しく微笑むと


「受け入れます。」


と短く答えた。


ランドルフは、ケニアに手を差し出しと、ケニアはそこに指先を置いた。そのまま馬車までエスコートをして貰った。ルーベンスは大きな溜息を態と吐いて、不愉快さをアピールした。

その後は食事をして、ケニア邸へと帰宅した。

読んで頂きありがとうございます。


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