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旦那様私達すでに離婚しております  作者: 志馬
再婚します
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宣戦布告

ルーベンスは、オルゲーニ邸の応接室の応接セットに検察官と向き合い、検察官から昨日までの説明を受けて、今後の方針を打合せしていた。お昼は、先ほどアンゲルが手配をしてくれたサンドウィッチを検察官と口に運びながらの打ち合わせとなっていた。少しでも早くこの仕事を終えてケニアの傍に居る為に。扉がいきなり相手は行ってきたのは上機嫌のランドルフだった。


「僕だけお昼に先に行って申し訳ない。交代でお昼食べていない人はカナガン邸で食べて来てください。」


振り返ったルーベンスの手が、掴んでいるサンドウィッチに目を遣ると、検察官の手にも注視した。


「あれ、皆軽食を取っているの?」

「時間がありませんからね。検察官の方々も暇ではありませんから。」


ルーベンスが冷たく言い放つ。検察官達も時間が惜しいとばかりにルーベンスとの打ち合わせを再開した。

ランドルフは、無言でルーベンスの横に座って、話に耳を傾けた。専門用語で難しいところは、時折ルーベンスが解り易く解説をして、ランドルフが説明を求めると、ルーベンスはランドルフが理解し易いように説明をした。そんなことをしていると、既に窓の外は暗くなりフクロウの鳴き声が遠くから聞こえてくる時刻になっていた。

全てが終わり、検察官達が帰路に就こうとする時刻となっていたが、アンゲルがケニア邸に検察官達を招待するべく連れてきた従僕たちを促した。


検察官達が応接室を出ていくと、ルーベンスは背凭れに自分の背と首を預けて体の力を抜いた。


「ありがとう。助かったよ。君に頼んで良かったよ。」

「貴方の為じゃないですよ。ケニアの為です。」


ランドルフに視線だけを向けて応えた。


「今後も僕を応援してくれると助かるんだけど。」

「どういった意味で、ですか?」

「都合が良いと思うかもしれないけれど、僕は本当にケニアが好きになってしまったんだ。もう一度やり直したい。」

「気のせいじゃないですか?一目惚れなんて、思い込みの感情から来る妄想ですよ。」

「君も好きな人が出来れば、僕の気持ちが判るんじゃないかな。」

「俺にだって、好きな人位いますよ。あなたの妄想と一緒にしないで下さい。」


ルーベンスの言葉にランドルフの心は歓喜で溢れた。


「素晴らしいね。どこの誰だい。僕も協力するよ。」

「結構です。邪魔をされることしか想像出来ない。」

「そんな事ないよ。だからお互いに協力し合えば。」

「無理でしょう。俺の好きな相手はケニアですよ。どうやって協力をするというんですか?」

「えっ・・・・・。ケニア?」

「ええ。今しがた貴方が好きだと語ったケニアですよ。」

「でも、君達・・・・従妹だよね?」

「法律的には従妹同士での結婚は禁忌ではありませんよ。」


ランドルフは、驚きでそれ以上言葉にすることが出来なかった。見ていて二人の距離感が近いとは思っていたが、それは従妹同士で兄妹のように育った為だと思っていた。


(そう言えば、ケニアの結婚がどうのと今朝話をしていたような。)


「ケニアは誰かと結婚をするの?」

「俺との再婚話ですね。元々ケニアと僕は婚約関係になるはずだったんです。しかしオルゲーニ公爵からのお話にケニアが飛びついてしまったので、離婚後に婚約をするという約束をして居ました。」

「ケニア、と?」

「伯父の伯爵との間で、です。」


ルーベンスは敢えて叔父との約束だということを強調するように伝えた。ケニアには自分の気持ちは伝えてある。今朝の反応からすれば、兄的存在から異性として見て貰える可能性も出て来た。だからこそ、今回は絶対にこの男には譲れない。ルーベンスの心は強く決まっていた。


「じゃぁ宣戦布告だね。僕も彼女は諦められない。今までの人達とは違うんだ。犬扱いでも傍に居られるなら良いとさえ僕は思っている。それ位には想っているよ。」

「では、その宣戦布告受けて立ちましょうか。因みに俺は兄的存在から異性へと変化をさせたはずなので、まぁどちらにしても人間である以上動物への愛情とは異なりますから、俺の方が優位ですけどね。

「さっきから思っていたけど、君の一人称は僕だと思っていたけど、俺なんだね。」


ルーベンスは、片眉を上げて不快な顔をランドルフに向けた。


「ケニアの前では品行方正な兄でいる為に被っていた猫を敵にまで見せる程優しくはありませんから。いつ寝首を欠かれるか判らないのに優しい部分なんて見せられませんよ。」


「じゃぁこれからはライバルということで宜しくね。」


ランドルフが握手を求める右手を差し出すと、ルーベンスは敢えて左手でその掌を叩き落とした。


「知っていますか?右手を差し出すのは友好の合図で左手は敵対の合図だって。」

「そうなんだ。じゃぁ僕も左手を出すべきだったね。」


ランドルフは、左手をルーベンスに向けると、その手を取り握手をした。


「お手柔らかに。」

「それは無理ですね。これ以上ケニアを泣かされたくはありませんから。」


二人は、手を解くと扉を開けてオルゲーニ邸を後にした。


読んで頂きありがとうございます。


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