知らないふり
カクヨムに投稿時誤字が多くてビックリ。
表現等少し変えています。
ラスト間近!
「ルーベンス・・・・お兄様?」
「そうだよ。本当は、成人をしたらルーベンスと婚姻させるつもりでいたんだ。」
「全く存じ上げない話で。どう反応してよいのやら。」
「これは決定だから。ケニアは考える必要はないよ。」
この言葉にケニアの眉間には濃い皺が出来た。
「私自身の話なのに、・・・・私には関係がない?」
「今回のことで此方には置いておくことが出来ないと。領地民全員の総意だから。」
デルタは、ケニアに嬉しそうに語っているが、ケニアの表情を見ていないせいか二人にはかなり温度差があった。
「そうですか。」
「うん。まだ商会のことや裁判のことが有るからすぐには無理だと思うが、いつ頃帰って来るかな?」
ケニアは無言でドアの方へと歩き出した。その様子がおかしいとやっと気が付いたデルタは、ケニアの名前を呼ぶが、ケニアは全く反応をせずにそのまま無言のまま部屋を出て行った。
翌朝、食堂でケニアに朝の挨拶をしたデルタにケニアは無視をした。
デルタだけではなく、ベルもハンスも不思議そうにケニアを見つめた。
遅れて入ってきたルーベンスとエドガーは明るく全員に朝の挨拶をするが、曖昧に応えるデルタとベル、ハンスに対してケニアは全く返事をしない事にルーベンスは訝しみケニアの傍に寄り顔を覗き込むが、ケニアに睨まれてしまった。
「皆さんおはようございます。」
明るく挨拶をするランドルフに全員の視線が向いた。ケニアはクスリと笑うと
「朝からお元気でいらっしゃいますね。今日はお屋敷に戻られる日ですよね。」
全員を無視していたケニアがランドルフだけには返事をした。余計に皆がケニアに集中した。
「あぁ。一日中ケニアに会えないのは悲しいけれど、まだ朝食の時間にはお邪魔させてもらうから。申し訳ないけど、まだバタバタしているから。」
「良いですよ。きちんと食事代金は請求させて頂きますから。」
「今後は、結婚してからの散財分も返済させてもらうから。」
「期待しないで待っていますわ。」
「うん。あと今日はルーベンスも弁護士として一緒に来てもらうことになるけど、良いかな。」
「私には関係のない事ですから。本人が良いのであれば良いんじゃないですか?」
明らかに棘のある言葉にルーベンスは体の筋肉が強張るのを自覚した。
「ルーベンスは、ケニアの仕事の手伝いをしているのでしょう。本人だけじゃなくて、ケニアにも関係するんじゃないかしら。」
ベルが、ルーベンスの表情を横目で見ながらケニアに問いかけるもケニアは無視をした。
「お姉様!義叔母様がお話をされているのに無視は失礼でしょう!」
ハンスの問いにもケニアは無視をした。
「ランドルフ様はこれからお屋敷へと帰られるから、早く朝食の支度をして貰えますか?」
使用人たちに声を掛けるとケニアの異様な対応に、違和感を覚えながらも、全員がテキパキと動いて朝食はテーブルに並べられたが、エドガーやルーベンス、ハンスもベルもデルタも話を掛けるが、ランドルフ以外には全て無視をした。朝食の席では、ランドルフはケニアと二人だけの会話に喜び,楽しく過ごしていた。
朝食後にはルーベンス、エドガー、ベル、ハンスが集まっていた。昨晩の晩餐会はケニアは普通だった。しかし、朝には全員を無視している。この状況を作ることが出来たのは、昨晩二人きりで話をしているデルタだけだった。
「兄上、ケニアと何の話をされたのですか?」
口火を切ったのは、この中でデルタの次に地位があるエドガーだった。
「えっ。皆で決めたルーベンスとケニアの結婚の話だよ。」
「何と説明をされたのですか?」
「えっ。だから、ルーベンスとケニアには結婚をして貰って領地経営にあたって欲しいってことだよ。これは領地民も総意の決定事項だって話したよ。」
「決定事項?」
「だって決定したじゃないか。そうだよね。ね?ね?ね?」
全員の顔が般若のように変わった。
「決定事項って。そんな言い方をしたら、お姉様だって気分悪いよね。お姉様の意見は無視って事でしょう!」
「伯父上!何て事をしてくれたんですか!これまで築いて来た信頼関係が崩れたじゃないですか!」
「あぁー私、ケニアに嫁に嫌われちゃったわぁー。エドぉぉ。」
「大丈夫だよ。ベル。今考えるからね。ケニアは、ベルを嫌ったりしないよ。大丈夫だよ。」
四人からの攻めにデルタはたじろいだ。
「だって、本当の事じゃないか。」
「言い方ってものがあるでしょう!本人の意見を無視するような言い方は決して良くありません。」
ルーベンスは声を荒げた。全員が視線でデルタを攻め立てた。
「兄上の発言には兄上に責任を取って貰おう。」
エドガーが呟くとルーベンスは顔を上げて、同意をした。
ベルとハンスはどういう事?と訪ねて来た。
「私も、ベルもハンスもルーベンスも今話を聞いたばかりにしよう。」
「伯父上の勝手な暴走という事にしましょう。」
「あっ。成程。流石は叔父上です。」
「お義兄様の言い方に問題があったのだから仕方がありませんわね。」
デルタを無視して四人の意見は纏まった。
「では、僕が今叔父上に話を聞いたという感じでケニアと話をして来ましょう。話の結果は後でお話しますよ。」
ルーベンスの言葉に一同は頷いて応えた。それを確認したルーベンスは部屋を後にした。
ケニアは部屋に一人で机に肘を置いて、頬杖をついて窓の外を見ていた。
扉のノック音に返事をすると、ルーベンスが入って来た。
「食堂で僕たちを無視するから何かあったのかと思っていたら先程伯父上から呼び出されてケニアと結婚をして欲しいって言われたんだ。」
困ったような顔をケニアに向けるとそれを見たケニアは驚いて立ち上がった。
「お兄様。・・・・・・今聞いたの?」
「うん。吃驚したよ。僕はケニアの事はずっと女性として好きだったから嬉しくは思ったけど、決定事項と言われると。自分の気持ちを無視された気持ちになって。嫌な感じだよね。」
「そう!そうなのよ!嫌じゃないのに、自分の気持ちを無視されてって。えっ。好き?」
「そうだよ。僕はずっとケニアが好きだったんだ。だからケニアが心配で嫁入りにもついて来てしまったんだよ。相手も有名なランドルフ・オルゲーニだったからね。」
ケニアの顔は一気に真っ赤になった。頭からは蒸気が出るのでは?と心配になる位に。そしてその顔を見られないよに俯いた。
「僕は嬉しいけれど、ケニアには幸せになって欲しいから。無理やりの結婚はしないつもりだよ。領地民の総意なんか関係ないよ。伯父上が何を言ってもケニアが嫌がる事は絶対にさせないよ。」
「そ、そう、なの?」
動揺を見せるケニアの頬を掌で撫でながら優しく声を掛ける。
「当り前じゃないか。大好きだから。一番の幸せを考えているよ。だからケニアの嫌がる事からは僕が守ってあげるから。」
「えっと、わ、私も、あの、お、お兄様の事、あれ?えっと。」
ルーベンスは微笑ながら人差し指でケニアの顎を押し上げて顔を上に向かせて、
「いつまでも待つよ。もしケニアがランドルフ殿を選ぶなら。寂しいけれど応援をしてあげる。」
「そ、それは無いから!絶対にないから!大丈夫、ありがとう。どういたしまして。・・・・あれ?」
ケニアは自分が何を言って居るのか解らなくなった。ルーベンスはケニアの口角に自分の唇を押してた。その行為によってケニアの顔はより一層真っ赤になった。
「僕を見て貰うためのおまじないだよ。じゃぁ仕事に行って来るよ。関係ないなんて寂しい事は、今後は言わないでよ。ケニア。」
ルーベンスは扉に凭れ掛かりながらケニアを見た。ケニアは俯いた顔を少しだけ上げて頷いた。その表情を見てから部屋を後にした。
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