爵位継承
明日10時頃更新予定です。
次回から悪女再び
謁見の先触れは既にアンゲルが、ケニア邸に居る時に行っていた為にすんなりと門を通ることが出来て、謁見も然程待たずに目通りが出来た。が、ランドルフはそんなアンゲルの陰の功労を知る由もなかった。
「久しいな。ランドルフよ。息災であったか。」
ランドルフは頭を垂れたまま、はっ。と短く応えた。
「マティスは非常に残念であった。其方も葬儀に参列出来ずに、無念であったことだろう。」
恩赦を与えなかった張本人が、知らない体で話しているが、それを知っている宰相もアンゲルも反論はせずに目を閉じてただ聞いていた。
「はい。釈放後に屋敷へ参った際に聞き及び驚愕致しました。」
アンゲルは片目を上げてランドルフに視線を送る。今日この場に至るまでランドルフが、父の死に際して悲しい顔を見ていなかったからだった。
「マティスは、非常に頭が良くあれ程信頼出来る家臣はおらなんだ。」
国王は、在りし日のマティスを懐かしみ瞳を潤ませる。
ランドルフは、国王が自分の父親を懐かしむ姿を見て、自分も在りし日のマティスを幼い頃から思い出して、ほうっと息を吐くと、両頬をツーっと雫が伝う。
色々と衝撃的な出来事があった為に父の死をきちんと受け止め切れていなかった。
その姿を見てアンゲルは何度か小さく頷いた。
「ランドルフよ。そちはこれからどうするのだ?」
涙が邪魔をして、上手く言葉が発せられずに、少し間を置いた。
「陛下、これから、は、僕、が、・・・・ちち、うえ、のあとを、・・・継いで、・・・領地を、・・・経営、・・・して、いきます。」
嗚咽交じりではあったが、何とか言うべきことを告げることが出来た。
「成程・・・これからに期待をしていこう。大丈夫だな。」
国王の言葉に貌を上げて、はい。と強く返事を返した。
今までのランドルフとの違いを見た国王は、宰相に公爵の爵位継承を伝えて了承された。
ランドルフは、膝を付き再度深く頭を下げて、忠誠の口上を述べた。
「オルゲーニ公爵家の爵位は本日をもってランドルフ・オルゲーニが継承するものとする。国の為に反逆心を持たずに、誠心誠意を持って、仕える様に。」
国王は力強く発すると、宰相に目配せをして退出した。
完全に国王が退出をすると、アンゲルに促されて、ランドルフも帰路についた。
それから一週間みっちりとアンゲルの領地経営の講義を受けて、元々地頭は良かったランドルフは、しっかりとその才覚をアンゲルに示すことが出来た。
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