離婚していた2
「言い難い事ではありますが・・・・。ランドルフ様はお嬢様との結婚式にヴェールを上げもせず誓いのキスもなさらずにずっとマナーハウスでエメ嬢とラビィ嬢と暮らしていらっしゃいました。それはもう公然の事実で奥様とランドルフ様は白い結婚であることを知らない人はいません。ですから、お嬢様が教会に離婚を申し立てすればいつでも成立する状況でしたよ。」
ランドルフは口を開いたまま、何も発することが出来なかった。
文字通りの思考停止状態である。二年間もその状態だったのにどうして今更離婚なんだ?とやっと働き出した頭が浮かんだ言葉をのそのまま発する。
「二年間もそのままだったのに、どうして離婚を?あっ!父上が亡くなったから?」
「違いますよ。エメ様に階段から突き落とされて、間違ったら殺されていたと思ったら、馬鹿らしくなりまして。自分で稼いだお金を配偶者だからと共同財産で愛人たちに良いように使われて、挙句の果てにはお義父様が亡くなると、財産を占有しようと私を排除しようとするその浅ましさ。ランドルフ様と関わっていたら、殺されてしまいますから。尽くした挙句にこの仕打ちは酷いと思って。ならもう辞めようと思い離婚しただけです。」
淡々と述べてはいるが内容が壮絶過ぎて、ランドルフの顔は蒼褪めていく。
「僕が使っていたお金は、領地経営のお金じゃないの?」
ランドルフは、アンゲルの方へ顔を向けるが、アンゲルは困った顔のまま大きく息を吐いた。
「ランドルフ様。貴方が使うお金は壮大過ぎて領地経営だけでは破産で没落でしたよ。それを免れるためにお嬢様を迎え入れられたのですが、お嬢様が出来たお人だったから、此処まで勝手が出来ていただけの話です。お嬢様が商会を作り、商品を輸入してそれを売り、時には投資で後から回収した配当金を半分ランドルフ様に共有財産として回していたから、貴方はやって来れたのですよ。」
「う、そ。」
ランドルフはケニアから目線を外すことが出来なかった。
「「「本当です!」」」
呆れたようにヴィヴィとサボとアンゲルが告げると、
「ごめん。情報多過でもう無理。ちょっと整理する時間頂戴。」
と告げて食堂からフラフラとおぼつかない足取りで出て行った。




