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終末のレジスタ  作者: 甘味の僕
三章 魔王争奪人魔戦線
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十二話「第二小隊、衝突」

 風間遥樹。

 〈風間家〉の生まれで、その実力は将真たちと同じ学年でありながら、学園最強ではと言われている。

 上位の先輩たちですら、


「彼は遠慮しているだけで、多分私たちより強いよ」


 という程だ。

 加えて、〈風間家〉次期当主という肩書きは〈日本都市〉においてかなり強い。

 かの家は〈四大名家〉の中でも、最強の戦闘力を有する一族なのだから。


 だが、〈風間家〉現当主も含め、上層部の意見は脳天気なものだ。

 いくら将真が魔王として覚醒したとして、止める手段も余裕もあるとはいっても、何一つ確認せず傍観するのみというのは楽観視がすぎる。


 だから、遥樹の行動は、何もおかしなものではないのである。




「__あっち、いってろ、よ! お前に、用は、ねーんだよ!」

「君になくても、僕の方には、あるんだけどね!」


 群がる魔王軍を蹴散らしながら、二人は繰り返し剣を交える。

 耳障りな断末魔が森の中に幾度と響くが、生憎と将真はそれに気を散らすだけの余裕が無い。


(話には聞いてたけど、実際にやってみるとヤバいな!)


 将真も、〈表世界〉では剣道をやっていた身だ。

 身体能力によるゴリ押し戦術だったとはいえ、基礎はできている。

 だから、ある程度なら遥樹の技量が理解出来る。


 あくまで魅せる事に重きを置く『剣道』と違い、この世界で一般的なのは『剣術』。

 戦いを、命のやり取りを重視したスタイルは、未だ将真が身につけきれていないものだ。


 だが、遥樹は生まれも育ちも〈裏世界〉で、尚且つエリートだ。

 魔術師の中でも類まれな才能を有しながら、弛まぬ努力を続けてきた天才。

 洗礼された動きは、将真に対して加減すら出来るようだ。


 魔術師となってたかが数ヶ月の将真に追いつけるほど、生易しい実力差では無い。


「俺は誰とも、敵対する気はないんだけどなぁ!?」

「君にその気はなくとも、その内にある力は、容易く他者を傷つけかねないんだよ! 七年前のようにね!」

「七年前なんて、まだ〈表世界〉にいた頃なんだよ知らねーよ!」


 遥樹の言うことは分かるが、それでも納得は行かずに苛立ちが募る将真。

 とはいえ、疑問に思う事もある。


(……何でこいつ、俺を殺さない? 上の命令で動いている……訳じゃないのか?)


 柚葉の命令で学園生たちへ処分命令が出ている、という事はまだ将真は知らないが、それでも一部の自警団員が暴走しているという事は聞いていた。

 現に、少なくない数の魔術師たちが、将真の味方をしようというリンたちを追って、ここまで追って来ているのだ。


「……どういうつもりだ」

「どうって言うのは?」

「……俺を、殺しに来た訳じゃないのか?」


 明らかに力負けしつつある鍔迫り合いの状態で将真は問いかける。

 対して遥樹は、一瞬キョトンとしたが、すぐに表情を和らげて将真を力ずくで押し返す。


「うおっ!」

「……学園長の命令も、暴走する上の考えも、僕にはどうでもいい事だよ」

「……学園長? 柚姉? が何だって……?」


 想定より強い力で、魔王軍を巻き込みながら吹き飛ばされた将真は、聞き捨てならないことを聞いた気がして問い返す。

 だが、遥樹はそれには応えず、ただ小さく笑った。


「言ったはずだよ、見定めるってね。殺すか否かは、その後で決めるよ__!」

「くっ……!」


 将真の立て直しを待たずに詰めてくる遥樹。

 莉緒には劣るも、決して遅くはない、むしろ速すぎるほどの速度に、将真は対応出来ずに地面を転がされた。




 魔術師たちの足止めを開始して間もなく、すぐ傍を物凄い勢いで駆け抜けていく一人の少年の姿を、リンたちも目撃していた。


「い、今のは……!?」

「げっ、遥樹さん!? ここまで追って来てたんスか!?」


 思わず呻き声を上げる莉緒。

 向かった方角からして、狙いは間違いなく将真だろう。


(いくらなんでも、遥樹さん相手じゃ勝ち目が……!)


 慌てて将真の元へ駆け出そうとする莉緒だったが、不意に膝が崩れ、予想外だった為にそのまま転倒する。


「莉緒、どうしたの!?」

「いや、何か……これは……」


 罠があった訳でもなく、攻撃を受けた訳でもない。

 足が上手く動かないという事実に、少しの間理解が追いつかなかったが、漸く原因に気がつくと莉緒は自嘲の笑みを浮かべる。


(……ここに来て、まさか怖気付いたってんスか。なんて体たらく……!)


 リンに賛同し、将真を助けると意気込んだはいいが、戦況は良くない。

 魔術師と魔王軍に挟まれて、危険な状況だ。

 自分たちで選んだ事とはいえ、無事で済むとは思えない現状は、ランディによって深く傷つけられ未だ癒えない莉緒の心を萎縮させていた。


 足が震えていたのだ。


(これで学年序列三位とか、我ながら笑っちゃうッスね)


 だが、自嘲している時間は無いのだ。

 確かに危険な状況だが、ランディを相手にした時ほどでは無い。

 莉緒の精神状態に目を瞑れば、ただ足を縺れさせて転んだだけだ。

 尤も、それすら莉緒がやる事はまず有り得ないことで、それだけ動揺している証拠ではあるが。

 それでも真っ先に遥樹に気がついて、追いつけるだけの速度を持ち、誰よりも速く将真の元へ駆けつけることが出来るのは莉緒だ。


「__莉緒ちゃん!」

「ッ!?」


 立ち上がろうとする莉緒に、慌てるような声を上げたリンがすぐ傍まで駆け寄ってくる。

 そして、隙だらけの莉緒に向けて放たれたのであろう攻撃を迎撃した。

 決して軽い攻撃ではなかったというのは、彼女らを逸れて着弾した時の威力を見れば一目瞭然だ。


「うっそ、時雨ってそんな強かったっけ……?」

「うん、私も想定外かも」


 魔術師たちを跳び越えて、不意打ちの攻撃の主である二人の少女がリンと莉緒の前に降り立つ。

 遥樹がやってきた時点で予想はしていたが、やはりここに来たのは同期の第二小隊だったようだ。


「紅麗ちゃん、真那ちゃん……」

「ちょっとびっくりしたわ。でも悪いわね。あんた達にも、なんなら片桐にも恨みはないけど」

「遥樹の邪魔するんなら、ここで止まっててもらう」


 紅麗は血装で生成した剣を、真那は両手に構える大型の銃器の片方をリンと莉緒に向けて牽制する。

 警戒するように身構えるリンを見ながら、莉緒は酷く焦りを覚えていた。


(将真さんもそうッスけど、リンさんもこの二人を相手にするのは無理ッス……!)


 リンは一年生でもかなり優秀だが、紅麗と真那の実力はそれを上回る。

 加えて二人がかりともなれば、タダでは済まないかもしれない。


(へばってる場合じゃあないんスよ……動けッ!)


「うわっと!?」


 莉緒が牽制で放った火球が紅麗を襲い、突然の事に驚いた彼女が飛び退く間に、覚束無い足取りながらも立ち上がることに成功する。


「……なんだ莉緒。あんた動けたのね」

「まあ、万全とは行かないッスけどね」

「……片桐に肩入れする気持ちは分かるし、私も頭のおかしくなった学園長の命令はどうでもいいの。でも、遥樹の邪魔をするなら、いいわ。相手してあげる。真那は時雨の方をお願いね」

「うん、分かった」


 紅麗の言葉に頷くと、躊躇なく二人に銃口を向けて、お返しと言わんばかりに火属性の弾丸を撃ち込んでくる。


「わっ!」

「くぅっ!」


 二人は回避行動をとるが、そもそも回避するまでもない距離で着弾して爆ぜる。


(……なるほど、目的は分断ッスか)


 正直、足が思うようには動かない今、莉緒にとって状況がいいとは言えない。

 普段の速さを発揮するには、程遠いからだ。

 そして莉緒がそんな状態であっても加減してくれるはずもなく、紅麗は自らの手首を血の剣で浅く切り裂く。

 勿論それは、無意味な自傷行為などでは無い。


 むしろ、莉緒に危機感を抱かせるには十分な行動だ。


「それじゃあ、行くわよ__!」

「別に来なくても、いいんスけどねぇ!」


 出血した腕を前方に勢いよく振り抜くと、地面に滴ると思われた血は一滴も地に落ちる事無く、硬質化した無数の刃となって莉緒を襲う。

 それは散弾銃のようでもあった。

 地面を転がりながら回避には成功するが、その間にも紅麗は莉緒へと距離を詰めて、血の剣を振り翳す。


「フゥッ!」

「くっ……!」


 振り下ろされる直前に、短刀を両手にそれぞれ生成し、交差させて受け止める。

 金属のぶつかり合うような音が響き、莉緒の体勢が悪い状態で競り合うが、それも長くは続かなかった。

 莉緒の限界が来る前に、紅麗の背中を突き破って、人の腕程度の太さの紅い爪が二本、彼女目掛けて襲ってきたからだ。


「ちょ、食い気味に殺しに来てないッスかねぇ!?」


 堪らず莉緒は紅麗の剣を何とか受け流しながら後退し、何度か跳躍しながら体勢を整え直して距離をとる。

 だが、距離を取れば再び血の散弾が莉緒を襲うのだ。


 爪の方は、以前ランディと共に来ていたオーバスに似た使い方だが、その範囲は彼と比べれば脅威になるほどでは無い。

 対する散弾の方は、威力こそそれほどでは無さそうだが、かなり鋭く速度もあり、無視は出来ない。


(……序列十位以上が確定する度にそれ以上の試合を棄権するから、紅麗さんの戦闘スタイルを見るのはこれが初めて、なんスけど)


 彼女の序列は、遥樹と行動するようになってからは、常に十位で止まっている。

 遥樹と戦いたくない、という理由が一番らしいが、その上で序列に興味がないのだろう。

 だから、序列通りの実力では無いとは思っていたが。


(……ぶっちゃけ、杏果さんと同じくらいは強いッスね!)


 正直、今の調子で相手にするのは大変な相手だ。

 とはいえ、手を拱いている場合ではなく、今度は火球を数発牽制で放つと、莉緒の方から攻めに転じる。

 勿論、そう甘くはなく、その一刀は容易く受け止められる。


「……流石、やるわね」

「まさか。全然ッスよ」


 今度は、莉緒の体勢も悪くない。

 お互いの力は拮抗して、競り合っているように見えた。

 それでも、油断出来ないのは莉緒の方だ。


 紅麗はちょっとした事情があって、体の半分は吸血鬼なのだ。

 それも、かなり高位の吸血鬼の血を継いでいるようで、先程からも見ての通り、この若さで血装を使いこなし、魔術師では及ばない再生力を持つ。

 地力も、紅麗の方が上のはずだ。


 勿論、ランディ戦でも使った〈魔物化モンス・フォース〉があれば、力だけなら上回れるだろう。

 だが、その為に必要な丸薬を使わせてもらう余裕はない。

 だから、今拮抗しているのは、あくまで遥樹の邪魔をさせたくないが為に、紅麗が打倒ではなく足止めに徹しているからだ。


(遥樹さんの邪魔をされたくない。それは何も、自分だけに言えることじゃないッスからね)


 紅麗としては、ここで莉緒を倒してしまうより、万が一の時の戦力確保もしておきたいのだろう。

 正直、莉緒でも予測できない、何が起きてもおかしくない現状なのだ。


「……悪いわね」


 ポツリと紅麗が呟く所を見ると、やはり莉緒よりは余裕があるのだろう。

 その事を、悔しくも情けなく思いながらも、それを出来るだけ感じさせないように、口元に笑みを浮かべて返す。


「……何がッスか?」

「さっきも言ったけど、気持ちは分かるわ。それは遥樹だって分かってる。でも、何もせず片桐を放置する訳には行かないの。〈風間家〉次期当主である遥樹には、責任もある。まあ私は、その辺の事はどうでもいいんだけど」

「じゃあ」

「でもダメよ。遥樹が決めた事だもの。まあ、私情もちょっぴり、混じってると思うけど」

「……私情?」

「片桐は編入生としては有名でしょ? 戦ってみたい、とか思ってたんじゃない? 遥樹も男の子だもんね、分からなくはないわ」

「……そうッスか」


 紅麗を押し退ける事が出来ず、莉緒は仕方なく剣を受け流して再び自ら後退する。

 それを紅麗は追わない。

 本当なら、ここで莉緒を止めておくべきだったのだが。


(……遥樹さんが、将真さんに対する見解を問題ないとすればいい。でも、ダメだったら……?)


 或いは、それでも自分は将真の味方をするだろうか。

 自らの問に対して、莉緒は。


(……まあ、味方するでしょうねぇ)


 我ながら馬鹿な結論だとは思っていた。

 だが、友人を見捨てる気にはなれなかったのだ。

 危険な力だとは分かっていても、将真は正気を失っているわけでも、誰かを傷つけた訳でもないのだから。


「……だから、助けたいんスよ」

「……なに?」

「……じゃあ、こんな体たらくじゃダメッスよねぇ?」


 莉緒の纏う雰囲気が変わり、咄嗟に紅麗は身構える。


 莉緒が体感した紅麗の強さは、手を抜いていたことを加味しても、総合的に見て杏果くらい。

 十分に強いが、それはつまり。


(自分が普段通りの実力を発揮出来れば、勝てる!)


 足の震えは止まっていた。

 地面を踏む足に、しっかりと力が入る。

 警戒して構える紅麗を、莉緒はついに捉えた。


「__シッ!」

「いっ、づ……!?」


 一瞬で消えた莉緒の姿に、危機感を覚えた紅麗は咄嗟に体を逸らすが、躱しきれなかったようで、脇に切り傷が作られる。


「ちょ、食い気味に殺しに来てるのはあんたもじゃない!? てか嘘でしょ、そんなに動けたの!?」


 動揺に歪んだ笑みを浮かべながら、紅麗はその場を慌てて離れる。


(しかも今の、四段階目……!? 確かあいつ、三段階目からしか使えなかったはずじゃないの!?)


 紅麗の疑問は当然のものだったが、それもそのはずだ。

 本人ですら、内心、少なからず驚いているのだから。


 将真だけではない。

 リンや、他の仲間たちだって助けたい。

 そんな思いが、克服までは至らなかったものの、トラウマを乗り越えた。

 追い込まれた現状が心理的な成長を促し、彼女自身頭打ちだと思い込んでいた実力を今、この瞬間に引き上げたのだ。


「……紅麗さん」

「ヒョッ、な、何かしら……?」


 思わずおかしな声が出てしまい、口元を隠して少し恥じらいながら、莉緒の次の句を待つ。


「……紅麗さんのしぶとさと再生力を信じて、本気で一撃、行かせてもらうッスよ」

「えっ、ちょっ……待ちなさい。何もそこまですることないじゃない? あんたにだって負担かかるんでしょ、その神技」

「そうッスね。でも、将真さんは助けたい。その為にリンさんに賛同してついてきたんス。遥樹さんの邪魔をしたい訳じゃないけど、まあその辺は仕方ないッスね」


 〈神気霊装〉を発動させ、以前使った時の感覚を思い出し、静かに腰を屈め、下半身に力を込める。

 彼女の背後に、太陽を思わせる輪を描く、八枚の花弁の如き魔法陣が展開され__


「神技〈日輪舞踏〉__“八重桜”」

「__ぅブッ!」


 その一撃は、紅麗を容易く切り伏せた。


「ちょ……躊躇、無さすぎぃ……」


 体に大きな切り傷を刻まれた紅麗は、出血しながら受け身も取れずに倒れる。

 そしてそれは、莉緒も同様だった。


「……はは、流石に、調子、乗り過ぎた……スかねぇ」


 全身に走る激痛に意識が途切れかけ、そのまま地面に倒れそうになる莉緒。

 だが、何者かがその体を支えてくれた事でそれは回避された。


「……誰、スか」

「……また派手にやったね」


 痛みに顔を顰めながら、ゆっくり顔を上げる。

 そこには、困ったように苦笑を浮かべる楓の姿があった。


「助けに来たよ」

「……ありがとう、ございます」


 強ばった表情で感謝を口にする莉緒に小さく笑う楓は、そのまま目を回して気絶する紅麗も拾い上げる。


 先輩とはいえ、楓も華奢な方だ。

 そんな彼女が、少女とはいえ二人も担いでいる光景は、少々異様でもある。

 ちなみに、傷口に触れられたことで紅麗の体が一瞬ビクンと跳ねるが、目を覚ますことはない。

 ただ、既に出血は殆どなく、傷も塞がりつつあるという出鱈目な再生力には、莉緒も改めて驚かされた。


「……楓さんは、どっちの味方ッスか?」

「君たちの味方だよ。私たちも、弟くんを助けてようと思って」

「……それは、よかったッス。申し訳ない、ですけど、このまま任せても、いいですかね?」

「うん、いいよ。ゆっくりおやすみ」


 楓が優しい声で応じると、莉緒は小さく笑みを浮かべ、脱力して意識を手放した。

 そんな時、タイミングよく辰哉と慎也が追いついて木の上から降りてくる。


「姉御ォ、慌て過ぎだぜ。お陰でちょっと置いてかれちまったよ」

「まあいいじゃないか。追いついたんだから」

「ふふ、ごめんごめん。早速で申し訳ないんだけど、二人のこと、頼んでもいいかな?」

「おう」

「任された」


 二人は、特に事情を聞くことも無く、楓の要請に素直に頷く。

 そんな人の良さに、呆れを混じえた笑いを零し、楓は担いでいた少女たちをそれぞれ二人に託す。


「経緯とか、気にならないの?」

「気にはなるけどなぁ」

「言ったと思うけど、君の好きなように動けばいいんだよ。僕らはそれに従うだけさ」

「……そうだったね」


 二人から向けられる信頼に、少し擽ったい気持ちになる楓だったが、そんな時間も一瞬で終わる。

 彼らの元に、一人の少女が吹き飛ばされてきたからだ。


「……名草ちゃん?」

「きゅぅ……」


 地面に横たわる真那は、目を回して気絶していた。

 両手に持つ、大型の銃器の魔道具が、無惨に破壊された状態で。


「……まさか、これをリンちゃんが?」


 真那が飛んできた方へと視線を向ける。

 楓は魔眼を発動させてじっと観察するが、リンの姿は見えない。

 代わりに、異様な魔力が見て取れた。

 おそらく、将真とは別のものと思われるものだ。


「……急がなきゃね」


 小さく呟くと、真那の保護も二人に任せて、楓は急ぎ、目的の場所へと駆け出した。

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