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ドリーム・ライフ~夢の異世界生活~  作者: 愛山 雄町
第五章「教導者時代:帝国編」

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第六十二話「帝国学術院訪問:後篇」

今回もダン視点です。

 僕はフェリシア・ラドフォード子爵令嬢に会うため、帝国高等学術院に来ていた。

 婚約者であることを偽装するために多くの人の目に付くよう、午前中に学校の中を案内してもらい、学生食堂で食事を摂った。


 午後の講義を受けるため、フェリシア様の教材などを取りに、一旦ローレンシア・エザリントン公爵令嬢のサロンに戻る。

 そこにはローレンシア様とプリムローズ様がいらっしゃった。


「あら、本当に仲が良さそうに見えるわね」とローレンシア様がおっしゃると、


「楽しんでいますわ。こんなことは滅多にできませんもの」


「そうね。私もここ半月くらいは本当に楽しかったわ。折角なので、あなたも楽しんでおきなさい」


 そこで僕の方を見た。それまでとは違い、真剣な眼差しで僕を見つめている。


「ジェークス、あなたにも言っておくことがあります」


 僕はそこで居住まいを正す。


「ここは貴族社会の縮図です。フェリシアがいるから大丈夫でしょうけど、あなたも充分に注意しなさい。特にあなたを見下す者はたくさんいるでしょうし、ザカライアス卿のことを馬鹿にする者もいないとも限りません。ここで短気を見せれば、主家に多大な迷惑が掛かります。そのことを肝に銘じておくのです」


「ありがとうございます。ローレンシア様のお言葉を忘れぬようにいたします」


 そう言って頭を下げ、顔を上げると、それまでの厳しい表情とは打って変わって優しい表情を浮かべている。

 この人は最初ちょっと苦手な感じがしたけど、本当はいい人だ。

 今回のことも心から心配して言ってくれたんだと思う。



 サロンを出て教室に向かう。

 食事を終えた学生たちが同じように歩いているけど、僕たちを見て何となく距離を取っている感じだ。やはり部外者は警戒されるんだろう。


 教室に入るとそこは百人以上入れる大きな部屋で、席は後ろに行くほど高くなり、教壇を中心に弧を描くように並んでいた。

 僕は後ろの方でいいと思ったのだが、フェリシア様が「折角だから一番前で聞きましょう」と言って、教壇のすぐ前に座ってしまった。


 仕方なく、僕もその隣に座るが、さっき絡んできたモーティマー伯爵の子息が近づいてきた。

 面倒だなと思っていると、案の定、絡んでくる。


「高等科三年の数学の講義を聴くつもりか? まあ、フェリシア嬢に恥を掻かせないよう、居眠りだけはするなよ。ククク……」


 嫌らしい笑いを残してすぐ後ろの席に座った。


 フェリシア様は「気にしないで」と言い、更に小声で「ごめんなさい。私が連れてきたせいで」と小さく頭を下げた。


「大丈夫ですよ。こういうことには慣れていますから」


 実際、ドクトゥスで冒険者になったばかりの頃、メルと二人で訓練に行った時に何度も馬鹿にされている。

 腹が立たなかったわけじゃないけど、その人たちの気持ちもわからないでもないから。

 十二歳の子供が冒険者ギルドの訓練場にいたら、からかいたくなってもおかしくはない。

 今回のことも同じだと思う。

 真面目に勉強してきた人たちからしたら、田舎者が帝国一の学校で講義を聴くのは何となく嫌なんだろう。


 ローレンシア様も友人らしき女性と共に教室に入り、僕たちの横の席に座った。


 教室の半分くらいが埋まったところで、講師がやってきた。

 三十代後半くらいの眼鏡をかけた男性で、右手に教鞭、左手に教科書らしき本を持っている。

 僕のことをチラリと見るが、ローレンシア様の方を見て小さく頷いたから、話が通っているのだろう。僕のことを無視して授業を始めた。


 僕は教科書を持っていないから、フェリシア様の物を一緒に見ているが、どうしても顔が近くなるからドキッとしてしまう。

 それをごまかそうと教科書に集中した。


「えっ?」と思わず声を出してしまった。


 大きな声ではなかったけど、フェリシア様には聞こえたみたいで、不思議そうな顔で見られてしまった。


「これが高等科の教科書なんですか?」と小声で聞くと、小さく頷かれた。


 僕が疑問に思ったのはあまりに簡単な内容だったからだ。

 問題は下辺が十cm(セメル)、上辺が六セメル、高さが五セメルの台形の絵が描かれ、その面積を求めるというものだ。

 こんなのは公式に当てはめれば簡単に解けるので、ラスモア村の勉強ができる子なら十歳くらいの子供でも解ける。


「これが分かるの、ダン君?」と小声で聞いてきたので、小さく頷き、ノートに答えである“四十平方セメル”と書く。


 あまりに簡単なので紙に書く必要もなく暗算で解いている。

 僕とメルがドクトゥスにいる時に習ったもので割りと難しいものは、


「直径六セメルの半球型と、直径六セメル、高さ十八セメルの円錐のうち下側の三分の一を組み合わせたグラスがある。そのグラスの四分の三の高さまでスコッチを入れた場合、何cc入るか」


 という感じだ。

 球の体積と円錐の体積を求める公式を知らないと計算できないけど、それ以上に掛け算が苦手だと時間が掛かる。


 もっともこの問題は十三歳くらいの時に習ったもので、この後にこのグラスでドワーフ百人が三十分で五杯飲んだら、何時間でクォーター樽がなくなるかという問題になったりする。

 そう言えば、なぜかいつもお酒の問題だった気がするけど、気のせいだろう。


 話を戻すと、こんな公式に代入していくだけでできるような問題は、十年くらい前、たぶん七、八歳の頃に教えてもらったと思う。だから、高等学術院の三年生がやる問題だとは思わなかったのだ。


 その後も簡単な問題が続き、その都度フェリシア様が筆談で聞いてくる。最後の方には分数が入る問題も出たけど、それも大した問題じゃなかった。


 その様子を見ていたのか、後ろから声が上がる。


「田舎騎士に分かるわけがないんだから、無駄な努力はするな」


 モーティマーという学生が結構大きな声で馬鹿にしてきた。

 僕はローレンシア様の言葉を思い出し、特に反論することなく、前を向いていた。フェリシア様は何か言いたそうに後ろを振り向いたが、僕が止めたため渋々黙ってくれた。


 僕が黙っていると、モーティマーは無視されたと思ったのか、更に大きな声を出す。


「伯爵家の僕を無視するとはいい度胸だな」


 僕は授業中にそんなことを叫んでいいのかなと思ったが、何も言わずに前を向き続ける。

 その態度が気に入らないのか、更に激高し、立ち上がった。

 講師は最初から気づいていたけど今までは何も言わずに講義を続けていた。しかし、さすがに邪魔になると思ったのか、


「モーティマー殿、今は講義中だ。静かにしてくれないかね」


 伯爵家に対しては強く言えないのか、言葉以上に優しく諭している。


「こいつが僕の勉強の邪魔をしているんですよ。目の前で説明してもらっているようで目障りなんです」


 僕はこれ以上揉めるのはよくないと思い、教室から出るため立ち上がろうとした。すると、今度はフェリシア様が僕の腕を押さえてニコリと微笑む。


「モーティマー様、申し訳ございません。ですが、勘違いされているようです」


 何を言うのかと思ってみていたら、僕の腕を取って立ち上がらせた。そして、全員に向かって話し始めた。


私の婚約者(・・・・・)、ダン・ジェークス様は今までの問題をすべて解いています。それもごく短時間で。私よりもよほど優秀ですわ」


「そうなの? 確かにザカライアス卿の腹心なら分からないでもないけど」


 ローレンシア様がそう言ってフェリシア様に話しかける。

 最後に僕の方を見て小さく頷いた。何の合図かは分からないけど、何となく嫌な予感がする。


「モーティマーさんが納得できないという顔をされていますわ。先生にお願いがあるのですけど、少し難しめの問題を彼に出してあげていただけませんこと」


 講師は一瞬戸惑うが、公爵令嬢の依頼という名の命令(・・)を拒否できないと思ったのか、すぐに頷いた。


「ジェークス、前に行きなさい。そして、先生が出す問題を解くのです。できなくとも恥ではありませんが、主君のために全力を尽くしなさい」


 最初は戸惑ったけど、この人はザック様の婚約者を演じているんだと分かった。僕がザック様の家臣で、ご自分はその婚約者だからフェリシア様の頭越しに命令しているように見せている。

 こんな状況で凄いなと思うけど、こんな多くの人の前で数学の問題をやらされる僕の身にもなってほしい。


 それでも主君、すなわちザック様の名を出されて引き下がるわけにはいかない。


「承りました。ローレンシア様。フェリシア様、よろしいですね」


 僕も精一杯演技をする。

 これで合っているかは分からないけど、エザリントン公爵令嬢に対し、ファーストネームで呼びかけたことに、周りの人たちが驚いているから正解だったのだろう。


「がんばってね」と言ってフェリシア様が頷いた。


「どうせ手も足も出ないんだろう……」とモーティマーが言っているが、気にすることなく教壇に立った。


 いつの間にか黒板に問題が書かれていた。


“半径五セメル、角度六十度の円弧の長さを求めよ”


 丁寧に絵まで描かれていたが、ほとんど暗算で計算できるほど簡単だった。

 ただ、こういう時はきちんと計算過程を書かないといけないとザック様から教えられたので、円周の計算を行い、その後に六十/三百六十、つまり六分の一を掛けることで、“五.二三”という答えを導き出す。


「そんな簡単な問題じゃ、誰でも分かる」とモーティマーが叫んでいる。これについては僕も全く同じ思いだったので思わず頷いてしまった。

 それが更に彼の怒りに火を着けてしまったようで、僕のことをにらみつけている。


 講師はローレンシア様の方を見るが、もう一問出すようにと促されたため、仕方ないという表情で黒板に問題を書き始める。


“辺の長さが三セメル、四セメル、五セメルの直方体の対角線の長さを求めよ”


 これも簡単だ。

 三セメルと四セメルの面の対角線の長さを計算し、その結果の二乗と五セメルの二乗を足したものの平方根をとるだけだ。

 答えである“七.〇七”と黒板に書く。


 平方根の計算は難しいけど、ザック様から教えられているので知っている。これは偵察に出る時に、三角の形で移動した時の移動距離を計算するのに必要だからだ。もちろん、暗算なんかできないから、普段は地面に書いて計算している。


 僕が計算を終えて後ろを振り返ると、モーティマーが立ったまま固まっている。

 フェリシア様は僕に計算ができたことが意外だったのか驚いた表情をしていたけど、なぜかローレンシア様はニコニコと笑っていた。


「先生、間違っていないと思うのですけど、どうなのかしら?」


 ローレンシア様がそうおっしゃると、講師は「合っております」と言って頷いている。

 その言葉がきっかけで教室の中がザワザワとし始める。


 席に戻ると、フェリシア様が「あの難しい問題を簡単に解くなんて」と目を丸くしていたが、


「さすがは私の婚約者ね! 素晴らしいわ!」


 授業中には不釣合いな大きな声で僕を賞賛する。

 僕はここで何を言っていいのか分からないので黙って頭を下げるだけにした。


 講義が終わった後、僕たちのところにローレンシア様がいらっしゃった。


「驚いたわ。ザカライアス卿やあなたの妹なら納得するのだけど、あなたも学院に通っていたのかしら」


「いいえ。ザカライアス様に教えていただいただけです。戦士にも学問は必要だから覚えておくようにとおっしゃられて……それに講師の先生がわざわざ簡単な問題を出してくださったんですよね」


「そんなことはないと思うけど……フェリシア、あなたならあの問題を解けたかしら?」


 ローレンシア様はフェリシア様にそう尋ねた。


「ゆっくり考えればできたかもしれませんけど、あまり自信はありませんわ」


「そうね。講義を受けていた人たちでもできない人の方が多いと思うわ。歴史や文学なども勉強しているのかしら?」


「簡単な歴史は習っています。文学というとマウントラブの物語とかメンタウンの詩とかのことでしょうか?」


「ええ、そうよ。凄いわね。辺境の従士が名前を知っているだけでも驚きよ」


 ローレンシア様は目を丸くしている。


 マウントラブはちょっと変わった物語を書く百年位前のアルスの作家で、ドワーフの生活を面白おかしく書いた「ドワーフの生活」という作品が代表作だ。

 もう一人のメンタウンはお酒を題材にした詩を多く書いた帝都の詩人だ。

 どちらもザック様が見つけてきた本で、語彙を増やすのにいいとおっしゃられて読んだものだ。

 そう言えば、何となく酒好きを擁護する話が多かった気がするけど、これも気のせいだろう。


 ここまでの話を聞いていて思ったことがある。

 ラスモア村の教育水準が異常に高いというか、他のところの教育水準が思った以上に低いということに気づいたのだ。


 僕の場合、小さい頃からザック様やリディアさんにいろいろと教えてもらっているし、学術都市ドクトゥスにも住んでいたから何とも思わなかったけど、お金に余裕がある貴族でも勉強していない感じだ。

 今日の問題なら、僕だけじゃなくメルでも簡単に解けたと思う。もしかしたら、セオ様たちでもできたかもしれない。


「そう言えば父から聞いたのですが、ラスモア村の教育水準は帝都以上だそうです。立派な学校があって小さな子供も通っているとか。そうなのよね、ダン君?」


「はい。早いと三歳くらいの子供から学校に来ています。もちろん、勉強はもっと大きくなってからですけど、文字や数字はその頃から教えていたはずです」


 フェリシア様の質問に僕が答えると、ローレンシア様が更に目を丸くする。


「三歳から……本当に凄いところね、ラスモア村って……」


 そんな話をしていたら、モーティマーがまた絡んできた。


「答えを教えてもらっていたんだろう! 僕でも分からないのに、騎士風情に分かるはずがない!」


 ローレンシア様がいる前でよくこんなことが言えるなと思うけど、憤慨していて我を忘れている感じでどうしていいのか分からない。

 僕が困っているとフェリシア様が毅然とした感じで立ち上がり、


「私の婚約者を馬鹿にするのですか? それに聴講の許可を取られたのはローレンシア様です。エザリントン公爵家のローレンシア様が講師に手を回されたとおっしゃりたいのかしら?」


 周りには多くの学生が残っており、僕たちの会話を聞いていた。

 モーティマーはそこでようやく自分が暴言を吐いたことに気づいたようだ。フェリシア様はそれ以上何も言わなかったが、ローレンシア様が少し冷たい感じでモーティマーを見つめ、


「モーティマーさんは私が、エザリントン公爵(・・・・・・・・)家の長女である私が、不正を行ったとおっしゃりたいのかしら?」


 その言葉にモーティマーはあたふたしているだけで言葉が出てこない。


「もう一つ付け加えておきますけど、ここにいるジェークスはロックハート家の家臣です。これ以上私を侮辱するようでしたら、この者を私の名代としてあなたに決闘を申し込みます」


 そこでようやく僕が騎士爵でないことに気づいたようだ。

 それで余裕ができたのか、笑みを浮かべながら反論してきた。


「ロックハート家の家臣では身分が低すぎます。騎士の家臣風情が伯爵家の僕に剣を向けることは許されないはずです」


 ローレンシア様はニコリと笑われた。その笑みが僕にはなぜだか分からないけど、とても怖かった。


「あら、子爵家の家臣との決闘が不服というのでしたら、ザカライアス卿にお願いしますわ。あの方でしたら私がお願いすれば戦ってくださいますし。そうですわね、ジェークス?」


 この成り行きについていけず、「は、はい」と答えることしかできなかった。


 モーティマーはローレンシア様の言葉に青ざめていく。ザック様の噂を聞いているのだろう。


「さ、先ほどの言葉は僕の間違いでした。も、申し訳ございません!」


 慌てた感じで謝ると、その場を逃げるようにして立ち去った。


 その後、ローレンシア様のサロンに戻った。

 そこにはヴィクトリア様が待っており、優雅に紅茶を飲んでいた。


「あなたにしては上出来よ、フェリシア」とローレンシア様がおっしゃる。


「それはよかったですわ。ローレンシア様のご指示通りにモーティマー様を煽っただけですけど」


「今回のことで私とザカライアス卿、あなたとジェークスの仲は学術院で噂になりますわ。特にモーティマー伯爵家には誇張されて伝わるでしょうから、インゴールスロップ公爵家にもすぐに伝わるでしょう」


 モーティマー家はインゴールスロップ家に連なる家らしい。


「クレメント小父様には上手くいきましたと伝えてちょうだい、ヴィクトリア」


「承りました」とヴィクトリア様が頭を下げるが、すぐにニコニコと笑い、


「それにしてもローレンシア様も策士でございますわね。モーティマー家の方に事前に情報を流しておいて絡ませるなんて」


「あら、そこまで考えていたわけではないわよ。たまたま、モーティマーさんとお話しする機会があっただけですから……」


 僕の目の前で話が続いているが、どうしていいのか分からず、黙っているしかない。

 そんな僕にローレンシア様が視線を向け、ニコリと微笑んだ。その微笑みは先ほどの恐ろしいと感じたものではなく、温かみがあった。


「お父様から連絡がありました。宰相閣下との面談は上手くいったそうです。ロックハート家に特にお咎めはないそうです。よかったですね」


「あ、ありがとうございます!」


 僕は安堵のあまり、立ち上がってから大きく頭を下げていた。


「今宵は鍛冶師ギルドとの宴会だそうですね。懸念も無くなりましたし、楽しんできなさい」


 そこまで言った後、少し寂しげな表情を浮かべて遠くを見る。


「できることなら私も行きたかったわ……」


 そして僕とフェリシア様に顔を向け、


「明日はエザリントン家での晩餐会です。あなたたちも一緒に来なさい。お父様がザカライアス卿を驚かせるつもりで美味しいものをたくさん用意しているそうですから」


「よろしいのですか?」と思わず聞いてしまった。本来なら公爵令嬢にこんなことを言うのは無礼なことなんだけど、平民の僕が公爵家の正式な晩餐会に招待されたことが信じられなかったのだ。


「大丈夫よ。これは私がお父様に無理にお願いしたことなの。そしてこのことはいろいろなところで噂になるはず。私がザカライアス卿のために腹心を招待したということが。その意味は分かるわね」


 僕は自信を持って「はい」と答える。


 これはローレンシア様がザック様に夢中であるという演技の一環だ。

 ザック様に振り向いてもらいたい初心なローレンシア様が公爵閣下に無理をいうという設定なのだろう。


「フェリシアもよろしいわね? 晩餐会が好きじゃないことは知っていますけど、明日はあなたの父上とザカライアス卿が絶賛したムーラン村の赤ワインが用意されているわ。あれを飲めるだけでも参加する価値があるから」


 フェリシア様はうれしそうな顔で頷いている。

 ラドフォード子爵様の娘だけあって、美食と美酒には目がないのかもしれない。


 その後、ヴィクトリア様とシーウェル侯爵の屋敷に戻った。

 その道中いろいろと聞かれたが、物凄く疲れた気がする。


(帰ったらすぐに宴会に向かうからいいけど、明日にはザック様たちに根掘り葉掘り聞かれるんだろうな……)

「ドワーフの生活」……どこかで見たことがあるタイトルだな。

マウントラブ=愛山、メンタウン=雄町……直訳なので説明は不要ですね(笑)。


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本作品とは毛色が違い、非転生・非転移ものですが、こちらもよろしくお願いします。
最弱魔術師の魔銃無双(旧題:魔銃無双〜魔導学院の落ちこぼれでも戦える“魔力式レールガン戦闘術”〜(仮))
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