9 異世界へようこそ
Pちゃんは話をした後、僕のオデコにキスをして、抱き締めた………。
そして、傍にあった箱を開けて、服を取り出した?
「さあ、コレを着て❤」
「はい、Pちゃん!」
いよいよ、アイドルらしい事をするんだよな?
「Pちゃん、コレって?」
僕は黒と白をモチーフにしたステージ衣装?みたいな服を着ていた。
しかも、他の人がみたら一昔前のアイドルの衣装かって思う様な衣装を。
「リンクの為に私が用意したのよ❤」
Pちゃん、ドヤ顔が凄いです。
「夜ですね。月が綺麗だ」
「あによ!話を逸らす程にイヤなの?」
「いえ。ただ、Pちゃんの仕事って…………」
「言ったでしょ。プロデューサーだから、リンクのカーネーションも剣にしたのよ❤プロデュースってやつね❤」
Pちゃんの手には赤い刀身の剣が握られていた。
「凄いですね!」
「エッヘン!!」
Pちゃん、ちょっとウザいです。胸を張ると、デカい胸が更にデカく見えますよ。
まあ、いいかな。
―――コンコンッ。
「誰かしら?」
Pちゃんがドアを開けた。
「あら、ジョー。どうしたの?」
「リンクと話しをさせてくれるか?」
「あの事ね?」
「そうだ」
言って、ジョーが入ってきた。
「ん?リンク………何か………人が変わったか?」
「素直になろうと思います!」
もう、心にも自分にも嘘をつかないし、必要もないから。もう、すでに心は決めているから。
「そうか。心も考え方も………いや、全てにおいて、もう1人の人格が操っている様に思えてな。それに、「心の扉」が拒否しなかった。お前の心とは裏腹にな。まあ、二重人格かと思ったんだ」
「リンクは色々とあって、自分を偽っていたのよ」
Pちゃんは何かに気づいて居るんだろうけど、僕には分からない。それに、人は偽って生きているんだ。なら、ジョーみたいに人を見てきた人間なら気づくだろうな。例え偽っていても。
「まあ、今はリンクの母親の話しをしようと考えていたんだ。知りたいか?」
僕は………素直になろう。相手に合わせず、自分らしく。それに、僕はその為に殺人の依頼をしたんだ。もう、それなら引き返す気もない。
「知りたいです。教えて下さい」
ジョーはタバコに火をつける。そして、僕にも1本くれて火をつける。
紫煙がゆらぐ………。
「リンクの母親は………ルキアはこの世界に来た。そして、この傭兵ギルドのメンバーに名を連ねた。親父が良かったんだろう。戦い方の上手い女だった」
そして、もう一服………。
「そして、あっちの世界に帰って行ったよ………」
そこでPちゃんが僕の持っているタバコを1口吸ってから………。紫煙を吐いて、僕の肩に手を置いた。
「まあ、アイドルではなく、シンガーソングライターだったから、ジョーはリンクに言わなかったし、私が知っている事はリンクも知っている事に繋がるわ」
「そうですか………でも………」
「アイドル活動はしていたぞ」
ジョーは天井を見上げる。
「そうなんですね」
色々と話しを聞かないと。
「ジョー、他には?」
「ここからは笑えないのか、どうなのかは分からんが。ルキアは妊娠していたらしい。相手は分からないが、当時はそれでもアイドル活動が出来ない状態だと聞いていた。何でも記者が張り付いていたとか、ファンがストーカー行為をしていたとかでな」
「僕の事ですか?」
「ああ。リンクを妊娠していた。そして、ルキアはお前さんを産むことを決めた後、コッチの世界に帰って来る予定だった………って所までが俺の知っている事だ。だから、男は誰か分からん」
「扉の所まで来たんですか?」
「そうだ。そして、近くで殺された。迎えに行った奴の話しではな」
僕は………ケムリを肺に入れて、吐き出す………。
「ジョー、会いたい。その母さんの最後を知るその人に」
「来いよ。会わせてやる」
「私も行くわ」
「Pちゃん、王様に会うから、その方が良いかもしれないな」
そこでPちゃんはジョーの腕を掴んでいた?
「ジョー、それって………もしかして、アルバートなの?」
「ああ。アルだった」
Pちゃんは僕の手を掴むと引っ張った!?
「リンク、行くわよ!」
Pちゃんは怒っている様子を見せた。僕はそれでも、2人に頼るしか無い。
なら………着いていくしかない!!
コレで母さんの事が分かるなら、きっとそれが正解なんだから。




