6 彼女の部屋
Pちゃんに着いていきながら二階に上がり、かなりの数の部屋がある事は分かったけど、その中の1つのドアを開けて、その中に入った………。
木造と石、そしてレンガで造られた部屋だった。まるでバンガローみたいな………それとは違う様な、でも綺麗な部屋だった。そして、予想外なのはアニメと違い、電球が天井からぶら下がっていた。文化レベルは昭和初期って所なのかな?でも、シーツとかは真っ白。
「それ程大きな部屋じゃないけど大丈夫かしら?」
部屋は2人用のホテル位だがツインとは言えない程の大きさ。でも………。
「僕の部屋よりも大きいです!」
キョトンとする彼女に僕は頷いた。
「リンクの部屋よりも?………まあ、いいわ。身体が汗をかいたからお風呂に入りましょう」
「ふ、風呂!?あるんですか!?」
「普通はない?」
キョトンとするPちゃんに僕は首を横に思いっきり振った!
「風呂無しアパートは流し台が風呂なんですよ!」
「まあ、田舎では似たような事をするし、私は川や湖で身体を流すから気にしなくて良いわよ。じゃあ、入りましょう」
言って、Pちゃんは服を脱ぎだした!
僕は神に背いてじっくりとその様子を観察………下着姿になった所で、僕は我に返った!?
「まっ、待ってPちゃん!!」
「ど、どうしたの?」
驚く彼女よりも僕が驚いた!?
「あ、あの………」
「この部屋は脱衣所は無いわよ」
「じゃ、じゃあ、僕は向こうを向いています」
ヤバい………生の女性の裸を見てしまった!?
「リンク、貴方も入りなさい。私がリンクの身体を洗って上げるから」
「えっ!?」
僕はPちゃんを見るけれど、彼女は首をかしげる?
「普通、一緒に入らない?………あっ、それは向こうの世界では入らないか」
「コッチの世界は入るんですか?」
「う~ん………入らないかも。私の様な田舎では入るけど。コッチの都会では入らないかもね。でも、この部屋のお風呂の入り方をリンクは知っている?」
「いえ。でも、普通にシャワーとかあるんですよね?」
「あるわよ。でも、説明をしたいからおいで。お姉さんがプロデューサーとして裸の付き合いをして上げるから❤」
「コンプライアンス違反ですよ」
「そんな細かい事はいいの❤女の裸くらい見慣れているでしょ?」
「………生の女性の裸は無いです」
「そんなにモテそうな美しい顔で?」
「はい。無いです」
「性格が悪いとか?性癖が変とか?同性愛者とか?」
「全部違うと思いますけど、女性とは風呂に入った事は無いです」
「ヨシ!入ろ❤❤❤」
僕は服を脱がされて、彼女も裸になって、風呂場に………この日、僕は年上のお姉さんの強引さを知った。
風呂場は2人は入れそうな程の広さはあった。Pちゃんは1つの小さな水晶に手をかざすと、水晶が光って。それに呼応する様に湯が湯船に入れられて、シャワーも出た………温かい。ずっと、水風呂だったし、まあ正直サウナにはよく行くけどね。その時は温かい湯に浸かれるけど、湯船のある風呂は実家を出て以来だよ。
「すぐ溜まるから身体を洗おうか❤❤」
「………………はい」
僕の体温と心臓の鼓動が早い。
「リンク、顔が赤いけど………本当に初めてなのね?でも、私は弟も居るから平気よ❤お姉さんに任せなさい❤」
下が痛い………気まずいです。
「それで、知りたい事はある?」
「話が早いですけど、何で僕を?」
「ああ。この世界ではリンクの世界から定期的にアイドルを連れて来るの。昔はサムライ?とかを呼んだりしたらしいけどね。でも、今はアイドルを連れて来るようにしているの」
「連れて来てどうするの?」
湯を掛けられ、背中を洗われつつ僕は疑問を口にした。
「ストレートに言うわ。一応、魔王復活の阻止………って事になっているけど。でも、貴方にはこの世界で戦って貰うわ。そして、私の言うとおりにしてもらうわね」
「つまり、ラノベ的な?」
「簡単にはね。でも、この世界にもアイドルは居るから、そのアイドル達に協力してもらうわ」
「協力?」
「この世界のアイドルは英雄にしか成れない。リンクの世界では………勇者様ってやつね」
「じゃあ、そのアイドルの邪魔をしない様に戦うんですね?」
「表面上はね❤」
「つまり………実際に戦うのは僕の世界のアイドル?」
「ええ。戦力としてもリンクの世界のアイドルは強いの」
「そうですか………僕の世界では、僕みたいな売れないアイドルは飾りですけどね」
「フフッ❤謙遜ね。1つ言えば、貴方達は違うわ。厳密には強さが違うのよ」
「………つまり、傭兵?」
「ココはギルドでも傭兵ギルド。つまり、言い方は悪いけど、最強の手札になるのよ。戦い方を教えれば強くなる。そして、魔力が強いから切り札になるのよ」
「でも、前には出られない?」
「ごめんね。でも、リンクには嘘は言いたくないのよ」
「何でその事を?騙せば良いんじゃないんですか?」
「ジョーが言っていたの。リンクは逃げないって。今までは逃げるか、魔王になるか………色々あるのよ」
「じゃあ、ジョーは僕の事を知っていたんですか?」
「リンクのお母さんをジョーは知っているわ」
言いにくそうに言ったPちゃん………まあ、確かに母さんの事があれば僕は逃げないな。
「私からも聞いていい?」
「何でしょう?」
「リンクは何で私に着いてきたの?」
「何ででしょう?分かりません。でも何も考えていなかったのは確かです」
僕も分からないんだよな?まあ、何時か分かるだろう。
「私ね、あの場所の半径三十メートルに結界を張ったの。そうすると、人は物事を深く考えられなくなるのだけど、それ以外に他の人が入れない………まあ、パラレルワールドみたいな場所になるのよ。結界の中はね」
「だから、すんなり来た理由が分かります」
「でもね、「心の扉」は開ける瞬間に気付いてしまうの。ドアの上の裸電球………アレが消えるのよ。そうすると、私との記憶も消えてしまう。点いていれば………貴方を導くのではなく、貴方は自分の気持ちで心を開いたのよ。まあ、コッチも心に問題を抱えたアイドルを狙うから来るわよ❤」
「なる程。つまり僕も皆と一緒なんですね」
「いえ、土下座した人物は初めてよ❤」
「だって、ジョーが怖かったんだもん」
僕は泣いていた………グスン。
「はい、終わったわよ❤次は………前は自分でする?」
もしや………元気!?
「………ですよね~………」
「若いから元気ね❤まあ、私がやっても良いけど❤」
「………見ないで………」
Pちゃんは………笑っていた………。多少は苦笑いをしているけど。グスン………見られちゃった、僕の秘密。
見られた………後。
「そんなに落ち込まないの❤」
「でも、恥ずかしいです」
「それって女の子のセリフ❤」
「男だって恥ずかしいです」
でもね、お風呂は一緒に入っていた。
なんか………気まずいな。




