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異世界にリンク 裏切りのゴースト  作者: 八神月影


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31/32

31 家族

 あの夜………アルの頼みで、ボクはリンクを迎えに行った。


 ルキアの両親も納得してくれたし。

 だから15歳の………中学を卒業したリンクを迎えに来た。


「リンクにボクは何て呼んでもらおうかな。ドラ君ではなく、お兄ちゃんとか❤」


 嬉しかった。最高の友―――アルバートと愛したルキアの子供。その名前はリンク。


 エルフの村では、人間とエルフの間に恋は許されず、ハーフは追い出されていた。でも………アルの父、ジェイは皆に頭を下げ、頼み込んで許可を貰ってくれた!血に触れる事の無いのが条件で。つまり、村に問題を起こすな。と言うことだ。


 やっと………家族になれるんだ!


 でも、だから………ボクはあの瞬間に絶句した!?


 ルキアの生家にある道場の中では、ルキアの両親が倒れ、3人の男達が立っていた!?

 だからすぐに………人間をミンチにしたのは久しぶりだったよ。手も足も………引き千切ってやった。命乞いをしていた連中を………ボクはトドメをさして、異空間に捨てた。


「ド………ドラ君!すまない!」

「十郎さん!」


 ルキアのお父さんは血を流しながら倒れていたけど、まだ息をしている!!

 でも………術でも間に合わない程の血。傷が深すぎる………まだ意識があったなんて………不思議な位だったよ。

 だけど、この傷は上級魔術師の回復呪文を三重に掛けないと助からない。


「リンクが向こうの世界に………行く事を………許可してくれて、ありがとう」

「分かっているから!だから………」


 ボクは術を掛けた………無理でも術を掛けていた。

 でも、彼は最後と言いたいのか、話しを続ける。


「何を聞いても……何があっても………コッチに戻りたくない様に思わせた!ルキアの事を………でも、リンクは………グハッ!」


 血を吐くルキアのお父さん、十郎さんは続ける。


「奴から遠ざけられないなら、ボクが殺すから!十郎さん、生きて!」


 止血しても………もう無理だ。なのに十郎さんは最後の気力で言う。


「こんな世界に……リンクは居たらダメだ!ドラ君!………ルキアの命………こんな世界に置いていかないでくれ!」


 十郎さんは笑っていた?


「爺ちゃん………?」


 リンク!?


 ボクは振り返り………口が開かない!?ウソが言えなくなっていた!!


「こ、殺したの?」


 リンク………そこで、十郎さんがリンクを手招きした?


「リンク………来なさい」


 リンクは十郎さんの傍に座った。そして、リンクは泣いた!?


「ドラ君………ドラ君が殺したの?」

 

 ―――!?ボクの大好きなリンクの………。


「リンク、聞きなさい」

「なに、爺ちゃん?」

「ルキアは自慢の娘だ。それを覚えておくんだぞ!」


 十郎さんは最後の力でボクに頷いた!?


 その意味は………。


「リンク………次にボクと会う時は、知らない人だよ❤」


 ボクはリンクの顔の前で手を広げた………。


「ドラ君………?」

「ご免!」


 リンクは眠った。


「ありがとう、ドラ君!………ルキアの夫………息子になる、アル君によろしく………」


 彼は………十郎さんは死んだ。


 ボクは、その後リンクに小さな住まいを与え、裏方に回った………。


 ⭐


「ドラ君………あたし、知らなかった。てっきり、ルキアを………」

「大好きだったよ❤だって、家族だもん❤」


 ドラの目からは涙が………。


「リンクは幸せ者ね❤」

「理子が呼んだんでしょ?ファンの皆を」

「うん❤あのロータリーでリンクを応援していてくれたファン皆を………アリーナ席で待っているわ。ファン皆………いえ、ドラ君の言う家族が」

「リンクは1人じゃない。なら幸せ者だよ❤リンクを守った理子も1人じゃない。お腹に子供が居るんでしょ?」


「うん❤女の子なの。だから………名前は………ルキアよ❤」


「ありがとう、理子❤」


 ドラは幸せそうに笑った。


「行きましょう❤リンクのステージを観に行きましょう❤」

「セイレーンも行きます❤」


 3人は笑顔でステージのバックヤードに向かった………。


 ⭐


 ステージ………こんなに大きいんだ。


「リンクさん、一分前です!セットリスト通りに曲を流しますから、インカムをつけて下さい」

「スタッフさん、少し時間を取れませんか?」


 彼は頷いた。そして、耳元でスタッフさんが言った。


「見て下さい。アリーナ席の前列を」


 僕は目を向けて………涙が出ていた。何か泣きっぱなしだよ。

 

 何で、ロータリーで僕を応援してくれていた人達が皆居るんだ?

 そんな僕にスタッフさんは微笑んだ。


「リンクさん、涙はファンを納得させてからですよ❤」

「川村さんが、呼んだの?」

「ええ。リンクさんの前からのファンなんですよね。運が良いですよ………自分もリンクさんの最初からのファンなんでね❤」

「えっ!?駅のロータリーで?」


 彼はウインクした。


「仕事が忙しいのと、川村さんに止められていたんです。スタッフや業界人にもファンが沢山居るんですよ。例え、リンクさんがゴーストになっていても」


「皆は………?」


 許してくれるかな?プロになるのと引き換えに裏切った僕の事を………。


「自分で確かめて下さい。それに、セイレーンさんから言われました」

「ドラにもでしょ?」

「正解。答えは自分達には出ていますから❤」


 僕は………ステージの1歩を踏み出した………。


 そして、スポットライトの下へ……。

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― 新着の感想 ―
ドラ…………つらかったですね。 リンクは、皆に愛されて守られて、良かったです。 リンクは、皆に愛され、守られて本当に良かった! 理子、赤ちゃんが………?びっくりですよ!
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