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異世界にリンク 裏切りのゴースト  作者: 八神月影


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32 失業者のパレード

「ジョー、始まったわよ❤」


「なあ、アルバート。ギルドは閉まっているんじゃなかったのか?」

 

 アルバートの手の中にはグラス。酒を満たし、魔法陣を足許に展開していた。


 いや、死体が1体転がっていた。


「エリック、メイ、2人も呑まない?」


 アルバートの後ろにはウエイトレス達。手にはグラスと酒があった。


「いいよ。オレのはアルの奢りね」

「アタイのは安い酒でも良いよ。どうせ、アルは失業中だろうからね❤」

 

 皆はは酒を呑みながら耳を澄ました………。


『皆、こんばんは。きっと僕を待っていなかったかもしれないけど、僕は歌います。初めての方も楽しんで!』


 ギルドの中にリンクの声が………ライブが流れていた。


 ジョーは笑みを浮かべる。


「ヘッ!皆、リンクを待ってたぜ。俺は会員番号、3 番だけどな」

「キャハハハッ!アタイは1番❤」


 2人は笑い、エリックも酒を呑みながらアルバートの肩に手を置く。


「アルもファンクラブに入る?オレ達の番号の後だけど」


 エリックが言ってから、3人は武器を持って、グラスの酒を飲み干す。


『皆の為に。………今もドコかで戦っている仲間や、友達の為に。そして、全てが変わる様に。今夜は「チェンジ・ザ・ワールド」が合い言葉です』


 そして………曲が流れ始めた……。


「アル、その死体は誰なの?」

「メイの大好きな奴よ❤殺したい程に恋こがれる奴❤」

「奴隷の敵………よく大臣を連れてこれたね。アタイ達じゃ近付けもしないのにさ❤」

「彼等が手伝ってくれたわ❤」


 皆がアルバートの指差す、ギルドの入り口を見ると………ジェイとキース王が立っていた。

 

 そんなキース王は深く頭を下げる!?


「皆、こんな国と国王ですまなかった」


 そんな彼にアルバートは言う。


「ジョー、コレが全てなのよ」

「つまり………逃げていたんだな?」


 ジョーは戦斧を肩に置いて酒を呷る。


 そんなジョー達にジェイはアルバートに言った。


「アル、皆に説明を」

「ええ、父さん」


 皆がアルバートに目を向けた。


「この国は乗っ取られたわ。ワタシ達がこの国を離れている間にね。分かっていたでしょうけど、まあ読み通りね」

「アル、中央ギルドは閉められているのに、どこから情報が入っている?」

「他の4つのギルドと………カレンよ」

「カレンはどうした?」


 タバコにジョーは火をつけながら、アルバートに問いた。


「見逃す代わりに全てを教えてもらったわ」

「聞こうか。その裏がアリアリの話しをよ」


 ジョーは紫煙を吐くと、ケムリをくゆらせた。


「全ては王の遅すぎた決断が招いた悪夢なのよ」

「悪夢?」

「ルキアを怖れ、彼女を向こうの世界に帰してしまった。もちろん、ルキアは戻らないといけない理由もあったけど、貴族や大臣達に言われて、ルキアを帰らせてしまった」


 そこで、王が口を開いた。


「そして、我は国の運命の為に、もしかしたら魔王になるかもしれぬ異世界アイドルであるルキアを帰すように仕向けた。我がルキアに異世界アイドルの席を用意しているフリをして………彼女を安心させたのだよ。異世界アイドルを認めぬ者達と共に」


「あんた最低だな」

 メイの声は冷たかった。


「そうだ。彼女は………英雄を失ったこの国は………モンスター達に怯え、「青い死神」に震え………また、この国は貴族や大臣達の作る政府により、全ての国に戦争を仕掛けようとしている」


 メイは王の胸ぐらを掴んだ!?


「なら、また奴隷制度を復活させんのかよ!!」

「メイ………すまない、こんな不甲斐ない国王で」

「王様、アンタはアルバートと共に、アタイ達を家畜から人にしてくれた。なら………また、チェンジ・ザ・ワールドをしてくれよ………」


 メイは泣いていたが、笑っていた。まるで希望がまだあるかのように。


「アル、お前も一緒に来るんだろ?」

「ええ。ジョー達とまた戦争をするわ。向こうには………反政府にはアイドルが10人も居るから」

「敵としては上等だね♪」


 エリックは入り口に向かい、メイもそれに続く………。


「ジェイも王も来るんだろ?」

「行くとも。ジョーの傍なら安全そうだからな」

「ワタシもそうするわ」


 そんなジェイとアルバートにジョーは笑った。


「親子揃って俺を頼んなよ♪まあ、王も久々に剣を抜くんだろうから、全員は俺が面倒をみてやるよ♪」


 皆は外に出て………足を止めた。


「よう、ジョー。ピクニックか?」


 西のギルドの男………それだけではない。色んなギルドのメンバーが100人以上居た!


「お前達も来るか?」

「ああ。皆行く気だぜ♪」


 楽しそうだ。皆は笑っている。

 そこに、女性陣が前に出た。女戦士に術師、そして、エルフやドワーフ等のメンバー達。


「あたし、リンクの曲を聞いていたら戦いたくなったんだよ❤」

「コッチは敵として扱われてんぞ」

「だったら、ぶっ潰すしかないよ❤」


「んじゃ、失業者労働組合のボスであるジョー様が地獄の1丁目ってやつに連れて行ってやんよ。ただし、俺達は傭兵だぞ。命を売り物にして金を稼いでいる。この戦いには金は発生しないぞ」

「この場所には持参金持って三途の川を渡るバカは居ねぇぞ、ジョー」


 そこで西のギルドのボスが言うと、皆が笑った。そして皆が武器を持った。


 そんな皆にジョーは「やれやれ」と言ったら笑った。


「銭勘定も出来ねぇボンクラ共!しっかりとジョー様に着いて来な!」


 リンクの曲を水晶で聞きながら、皆はピクニック感覚で城に向かった。

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これから皆の戦いが………。 皆、頑張って生きて帰って来て!
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