↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界にリンク 裏切りのゴースト  作者: 八神月影


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/31

30 ドラの記憶と………。

「ここは………」

 

 雪が降っていた………。でも、寒くもない………いや、風も吹いていない。


 でも………あの時と同じ、季節外れの雪が降っていた。


「理子、あの奥だよ」

 ドラに手を引かれ、理子は握ったままついて行く………。


 そして………裸電球がぶら下がったドアの前で、1人の女性を見つけた!?


「ルキア………」


 理子は泣いていた………。


 そのルキアの腕の中には赤ちゃん。産まれて間もないであろう赤ちゃんの頃のリンク。2人は赤いドアの前で、寒さに震えていた………今すぐに、理子は温めて上げたい。そんな気持ちになっても、コレは過去の幻………分かっている理子。でも、子供の時からの付き合いの理子にはルキアを………包みたかった。


「アル………何で開かないの?」


 ルキアは泣いていた………。


「理子はこの夜、出て行ったルキアを探していたんだよね?」

「うん。まさか………置き手紙を置いて行くなんて………」

「扉の向こうを見てみる?」


 怖い………彼が………アルが何をしていたのか?でも、見なきゃいけない!


「行くわ」


 理子は1歩を踏み出した。


 ドアをすり抜け………血を見た!?


「アル、とっとと行け!!」

 そこは戦場にも見える店の中だった!?

 褐色の、モヒカンの大男が武器を振るって、血塗れの彼………アルバートに叫んでいた!?

「ジョー!エリックとメイは!?」

「入り口で殺り合っている!!」

「クソッ!………敵が多すぎる!ドラ!どこだ!?」

 

 ドラ君が戦っているのは兵士。


「アル!コッチ!!扉が使えないから、ボクの命を使う!!」

「ドラ!何を言ってんだ!!」


 アルは叫ぶが、そんなアルにドラは近づき抱きついた!


「ジョー!後は任せたよ!!」

「任せな!ドラ!俺達みたいな傭兵は殺し合いが仕事だかんな!ハハハッ!!」


 そこに、1人の戦士が近づいて来た!


「ジョー!押しきって、そこから一旦道を作る!そこから撤退だ!」

「エリック!メイは!?」

「魔術隊を連れて、ドラの力を増幅させる!時間を稼ぐしかない!それから、撤退だ!アル、ドラ、早く行って!」

 

 アルは泣いていた………。


「皆………」


 そして、アルバートはドラと姿を消した!?


「コッチだよ、理子」

「でも、皆は………そうね。コレは過去の事………行きましょう」

 

 理子は赤いドアをすり抜けて現実世界に………。


 そこには倒れたドラと、アルバートが走って行く所だった!?


「ルキアー!!」


 理子の足は………アルを追っていた。

 

 あの夜………理子はルキアを子供と―――リンクと2人だけにしてしまった。きっと、命を狙われると分かっていながら。それが理子の、最大ミスで、最大の罪だった………。


 通りに出ると、ルキアは刺されて倒れていた!?

 その傍にはリンクを抱える自分。


 あの時………理子は無力だった………。


「貴様ー!!」 


 アルバートは血で染まった剣を振るい叫んだ!


 でも………リンクの事務所の社長は包丁を捨てて、走って逃げた!!


 ………あの後ろ姿は忘れた事が無かった………のに、理子は何でか忘れていた。


「理子、今はここまでにしよう」

「フッ………フフフッ!全部思い出したわ!あの後………あたしはリンクを育てようとした。でも、ルキアの御両親に頭を下げられて、渡した………そして、全てを伝えたわ」

「そう………だから、ボクは理子の記憶を少しづつ消していった(・・・・・・)」

「きっと………ドラ君の優しさだよね?」

「理子は良い女性だ。そして、ルキアの頼みだった」

「あたしへ?………ズルいよ………自分だけ悲しい思いをしてさ。あたし達は友達でしょ?」


 苦笑しているドラの隣のセイレーンが理子の手を握った。


「理子、セイレーンは分からないけど、ルキア様は言っていました。昔から友達は楽しい事も辛い事も分かち合うものだと。そうセイレーンは学びました。なら皆で分かち合って、笑い合うのです。コレからルキア様の残したマスターと共に。ルキア様の為に❤」


 理子の目から涙が止まらない。でも、今の彼女には最後に聞かなくてはならない事があった。

 だから、彼女はセイレーンとドラに問う。


「リンクは罪人なの?殺人犯なの?」

 

 不安な声………でも、ドラは笑顔で横に振った?


「いいや。リンクは誰も殺していない」

「ルキアの両親は?」

「例の社長の雇った者だけど………リンクはボクだと思っているはずなんだ」

 曖昧な答えの中に、ドラの確信めいた声があった。

「………?どう言う事?」

 理子はドラの言葉に聞き返した。


 ドラは天井を見上げ、そして語り始めた………。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
理子の記憶をドラが………。 リンク……大変だったね! でも、やっぱり……社長は許せない!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。