29 分からない事(考察編)
「ドラ君、ルキアは笑っていた?」
「笑っていたよ。まあ、セイレーンとボクを認めてくれた事は、本当にありがとう、理子ちゃん❤」
「フフフッ❤突然、事務所の倉庫から出て来た時はビックリしたけどね」
昨夜、倉庫から出て来た所を理子は見つけ、ホテルを取ってくれた。そして疲れて寝ていたリンクを休ませていたのだ。それから、アリーナはあらゆる件(主にゴーストの件)で、中止になり。その代わり、急遽ドームに変えたのだ。もちろん、ドラが交渉した事になっているが、コレは元からドラが根回ししていたからだ。
ある意味、賭でもあったが、ここまでのシナリオをスポンサーに説明したら、皆が乗ったのである。
「知らない事が多すぎるわ」
「ごめんなさい、理子。でも、リンクにキツい話しばかりだから、言うに言えなかったんだよ。でも、シナリオ通りに動いてくれたのは、偶然だけどね」
「セイレーンの事もね」
セイレーンは、元はルキアに付き従う従者だったのだ。だから、ルキアの言うとおりにしていた。でも、そのリンクにセイレーンは恋をしているのは確かだった。でも、本人は恋と分からずに、ルキア相手に接する様に扱っていたのだ。
理子は腕時計を確認した。
「開始まで30分。今の内に疑問を聞かせてくれる?リンクが戻る前に」
「理子、そうだね。分かったよ。セイレーンも説明すると良い。ルキアの件とかをね」
「分かったよ❤」
そして、ドラは何を聞かれるか分かった上で、理子を見て頷いた。
「まず………リンクの父親は奴なの?」
「いいや。社長ではなく、アル………エルフのアルバートだよ。ボクは………負けたんだ」
変わらないドラの笑顔。でも、声は沈んでいた。
「ドラ君………三角関係だったのね。ごめんなさい」
「良いんだ!だって、アルも殴ったし、ボクはリンクを守る役目を貰ったし、国王からも頼まれたんだ。もう亡くなったけど、先代の英雄王から!」
胸を張るドラに理子は少し嬉しかった。
「知っている人は限られそうね」
「うん。まあ、今は傭兵ギルドも動けないし、閉鎖されているから。王様も国から逃げているし、絶賛、失業中」
「セイレーンも失業中でいいのかしら?」
理子が言うと、セイレーンは笑っていた。
「フフフッ❤でも、セイレーンは業界に顔は広いし、ルキアの従者。今は「川村プロダクション」の一員でしょ?だから、今はセイレーンの事より、ジョー達の事が心配ですよ」
「もう少しで城に向かうってさ」
理子はそんなドラの言葉に辛そうな表情を浮かべる。
「そう………戦争が始まるのね」
ドラはそんな事には触れずに。
「他に聞きたい事は?」
「エイミー………Pちゃんは何者だったの?」
「彼女はただの田舎娘。地方のエルフの村で一生を過ごすはずだった、1人の女の子。人間の年齢では、見た目17歳位かな?まあ、普通に100年は生きているよ」
「何でプロデューサーになったの?」
「ヒーローなんだよ、ボク達の世界ではね❤」
「どう言う意味の?」
「昔は都合の良い兵 器を呼べる人。今は………ルキアの時代からは、世界を助けに来たアイドルを呼んだ英雄って呼ばれている。つまり、異世界からアイドルを呼べるのが、プロデューサーなんだよ」
「セイレーンはリンクの傍に居たPちゃんを、ヒーローだと思っています。セイレーン達にもです」
「そうか………セイレーンにもドラ君にも」
理子は少し涙ぐむ。
「でも、そのカレンって女性はどうしたの?」
「セイレーンが外の世界に送りました」
「つまり………生きているの?」
「はい。生きたまま、外の世界に送ったんです」
「あたしには分からないわ。まあ、問題は無いのね?」
「ええ。理子さん、貴女は大人だから分かるはずですよ」
「怖いわ。きっと、地獄って所でしょうね。それで、何か分かった?」
そこで、ドラが代わる。
「カレンの父親のせいで、あの日ルキアを迎えに行くのが遅れたんだ」
「ドラ、詳しく教えて」
「なら、手を握って」
理子はドラの手を握る………世界が逆転して………目を閉じた!?
次回から、ルキアの件等に触れていきます。更新ごとに解明されていきますが、その分スカッとしたり、モヤモヤが溜まったりする方も居るでしょうが、それでも物語は、このまま続けていきます。




