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異世界にリンク 裏切りのゴースト  作者: 八神月影


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25/28

25 思い出の欠片(前編)

 僕は………ここは東京か?


「リンク、ここは貴方が産まれる3年前の東京よ」

「ん?Pちゃん!?」


 僕の隣にはPちゃん………そして、ドラが立っていた。


「ドラ、どうして………?」


 確か、別の所で戦っていたはずじゃなかったのか?


「ボクの知っている事もリンクに伝えたくてね」

「………呪いと関係あるの?」

「うん。血を浴びるとリンクの記憶がね」

「戦ったから血は………」

「ううん。リンクが浴びるとかじゃなくて、血の記憶に触れる………って意味だよ」


 僕には分からないけど………。


「リンク、見てみなさい」


 Pちゃんの指さす先には、ギターを持った少女が………。


 中学生?


 幼い少女がギターを弾きながら歌っていた。とても、上手な少女………あれはママだよな?

 その少女の前には………誰1人立ち止まらない中、スーツ姿の若い男性が見ていた。


 でも………アレって………あっ!?


「Pちゃん、何で社長が!?」

「全ての始まりよ」

 僕は2人に目をやる。


 ここは………僕のデビュー前に歌っていた、駅のロータリー。


 誰1人立ち止まらない中、社長は拍手をしていた。


「君、名前は!」


 目を輝かせる社長に対して、少女―――ママは苦笑していた。


「ルキア。お兄さんはだーれ?」

「俺は、ただ君のファンだよ」

「お兄さんしか聞いてくれないね❤」


 ハニ噛むママは彼に目を向けている。


「君の歌は日本中に届くはずだ!どうかな?俺と一緒にレーベルを立ち上げてデビューしようよ!」

「フフフッ❤気持ちだけで嬉しいよ❤」

「本当だ!君とならきっと全てを変えられる!」


 社長は僕にも似た事を言ったけど、もうその時にはレーベルが立っていた。

 そして、ファンを捨てる事を………今まで応援してくれたファンを捨てる事を条件に………。


「場面が変わったわ」

 

 Pちゃんに言われて気付いた。


 雪………空からは雪が降っていた。この東京では珍しいな………。


「ルキア、待ったかい?」

「ううん。大丈夫❤」


 2人は雪のコンビニの前に居た。


「コレしか無かったから食べてくれ」


 社長の手にはオニギリが1つ………でも、コンビニの中には他に売っているのは分かった。


「フフフッ❤お金が無いのは一緒だよ」

「いや………俺は………僕は腹が減っていないんだ」


 笑う社長………僕は………。


「じゃあ、半分っこにしよう❤」

「うん、そうだね」


 社長はオニギリを半分にして………具の入っている方をママに渡した。


「コレって………」


 困惑するママに対して、社長は嬉しそうに笑った。


「ルキアの笑顔が最高の具だよ❤」


 2人の………思い出か………。



「リンク、変わったよ」


 ドラの声に場面が変わったのが分かった。

 そこは………事務所の中………僕の知らない小さな事務所の中だった。


「この衣裳カワイイー!❤」

「ルキアにはこの赤のゴスロリが似合うと思ったんだ。この衣裳を着てアリーナに立とう!」


「だいぶ、話しが飛んでいる様ね」

「Pちゃん、ルキアは見せたい所を見せているんだよ。それは彼女も納得済みだよ」

「………彼女?」


 僕が首を傾げると、Pちゃんは優しく笑った?


「リンクに助けを求めた彼女よ❤」

「………セイレーン!?」


「ええ、このセイレーンがそうしました」


 誰かが………レザーの水着にマント。そして、オーバー・フロント・サングラス………変態だ。


「リンク、怒りますよ❤」

「ごめんなさい」

 僕は彼女に謝った。

「それよりも、セイレーンだよね?もしかして、僕の心が読めるの?」

「はい。分かりますよ。それに、目が胸にいっていますね。まあ、それはリンクの視線を見れば分かりますけど❤」

「………話しを戻そう」

 Pちゃんを見ると、子供を見る様な目を向けていた。

「セイレーン、川村さんは居ないけど?」

「彼女の視点で物事を見ているからです」

「なる程ね。………つまり、オニギリの場面も?」

「それはドラの目です」

「つまり、色んな人の目で見ているんだね?」

「リンクは物分かりが良いですね❤」


 笑うと美人だと分かる。スタイルも良く、長い黒髪が綺麗だな。


「セイレーン、助けられなくてご免ね」


 僕はセイレーンに謝罪したけど、彼女は笑っていた。


「ルキア様の前に現れ、彼女と戦った。それがセイレーンの願いであり、救いなんですよ❤」

「ママは………次を見せて!」


 僕は立ち止まれない。ママの次を見なくてはならないんだ!



「ここです」

 セイレーンの言葉で場面が変わった。

 

 ここは………アリーナ!「サウンド・アリーナ」じゃないか!?


「全ての約束はここから始まったんです」

 セイレーンの指差す方向にはママと社長が居た!?


 そして、その場所は………楽屋だ。


「社長!何でこの日でルキアは引退で、「レイン」として活動しなくてはならないの!?」


 ママは泣き顔だ………。


「ルキア、今夜のライブは引退ライブだと言ったろ?そして、ルキアは顔出しのしない存在になるんだ」

「ルキア………シンガーだよね?」

「いや、顔出しのしないアイドルだ」

「ルキア、そんなの望んでいない!」


 ―――パンッ!


「ルキア、君は架空のアイドルだ」


 ママを殴りやがった!………なのにアイツは………笑みを崩さないなんて!


 クソっ………。


「アイドル………何で?」

「君は架空のアイドルを1年だけして引退する。そして、「レイン」の名前は終わってからも続く………このネットの中にね。それが俺の………いや、ボクの考えだよ」

「………プロデュース?」

「そうだ。もちろん、君はその後も曲を作り続けるんだ」

「ルキアが曲を?」


 ママはショックだったんだろう。泣き出している。


「ただし、ボクの妻としてね」

「………はい」


 震えている………何が?アレだけ強いママが震えている!?


「リンク、この後は少し休憩しましょう。そして、1年後を見せます」


 僕をPちゃんが抱き締めた。僕は………何も出来ない………。



この後、昼に更新します。続きを読んでいただければ嬉しいです。

 ルキアの全容が分かると思いますが、続きも読んでいただければ、ルキアと社長の関係が分かります。

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― 新着の感想 ―
社長はいったい、ルキアに何を求めている? いろいろみせられて、リンクは大丈夫かな? 続き楽しみにしています!
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