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異世界にリンク 裏切りのゴースト  作者: 八神月影


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23/28

23 母親

「リンク。………リンク、起きなさい」


 女性?女の子の様な声………。

 僕は戦っていたはず………いや、戦っていたんだけど?


「記憶が現実と繋がると、誰でも混雑するよね。でも、ここは夢の世界じゃないわよ」

 目を閉じているのか?何か………ぼんやりとしている。

 僕は目を開く………と、僕には光りが射していた。いや、これはスポットライトじゃないか?

 そして………気付いた。


 ここはステージの上!?それから30秒は経っただろうか………ここがアリーナのステージだと気付いた。


「リンク、コッチよ」


 僕は声のする方を………見て、涙が流れた………。


「母さん………」


 あの絵の女性………なのに、女性は首を横に振る?


 違うのか?でも、城で見せられた女性だぞ?


「リンク………母さんではなく、ちゃんと「ママ」と呼びなさい」

「呼び方ですか?」


 そのママは………フリルとリボンを沢山あしらったゴスロリ………いや、母さんの着ていたステージ衣装に似ている!?

 そんな女性………いや、少女は………母さんの様な気がしなくも無い。それに、僕の顔に似ている。

 だから、そんな僕の顔に似ている少女が言うと、何かイラッとした!


「さあ、ライブを始めましょう❤殺し合いと言う名のライブをね❤」


 ―――ギンッ!!


 み、見えない!?僕は持っていた剣で流したけど………いや、僕は上半身の力で立ち上がり、すぐに後方に退いた!

「ちょっと!母さん、待った!!」

「ママ!本当に覚えの悪い子ね❤」

 イラッとしますよ!

 僕は力で押してくる母さんの剣を押し返して、水面蹴りでママを転ばす………けど、スカートが転んだ拍子に捲れて!


 赤のガーターベルト………。見たくなかったよ、自分の母親のセクシーな下着姿はさ……。


「ママ、子供としては、その下着は見たくなかったよ………」

「照れちゃった❤」

 ペロッと舌を出すママは………確かにアイドルかもね。

 でも、戦いにくい………。

「よーし、ここからはママも本気でいくね❤いっぱい遊んであげるよ❤」

 ママは座ったままの状態から開脚で、後方へ宙返りした!?


 サーカスかよ!どんだけ運動神経が良いんだよ!?


「さあ、おいで❤」

 両手を開くのかと思ったら、そのまま両手で剣を構えた………。

「感動の再開は無さそうだね?」

「そうよ❤これは、ママとリンクの戦いだから❤」

 意味が分からん………と言うより、ママはマジか!?

「ちょっと、待ってくれよ!」

「彼女達は納得しているよ」

 

 ママの指の先には………Pちゃんとアルバート?に似たエルフが立っていた?

「リンク、戦うのよ!」

「Pちゃん、そんな事を言ったって!?」

「死にたくないでしょ!」

 無茶苦茶だよ!何で母さん………ママと戦わないといけないんだよ!

 それに、ジョー達はドコに行ったの?

「ほーら、ママからのプレゼントよ❤」


 背中がゾクッとした次の瞬間、僕の身体が飛んだ!?


「………クッ!?」

 身体中が痛い!何が………そうか。僕はママの剣の腹で殴られて、そのまま吹き飛ばされたんだ!!そして、客席まで転がった………凄く痛い!

「リンク、ママは本気を見たいな❤」

「ママ、子供には………ゲホッ!!優しくするもんだよ………」

 血が出てんじゃん!?

「優しくしているよ❤」

 母さんが………ママが悪魔に見えるのは何で?楽しそうに座ってアイドル・スマイルを浮かべるママは………キツいっすね!


「リンク、プロデュースするわ!」

 Pちゃんは………さっきは居たのに、今はドコに行ったのか?マイクを使って居るようだな。

「まずは、術を封印して、全ての魔力を身体中に巡らせて!」

「魔法なんて使った事ないし、分からないよ!」


「集中しろって事!!」

 Pちゃんって怒るんですね?でも……どうすれば?

「集中って………下半身にしか分かりません!」

「バカ!!ライブをする時みたいな集中力よ!!」

 Pちゃんに怒られた………。


「リンク、心だよ」


 倒れている僕を見下ろしていたのは男のエルフ。

 いったい誰なんだろう?アルバートに似ているけど、外人の顔の見分けなんか出来ないよ。

「貴方は誰ですか?」

「ジェイだ。このワタシを信じてくれ」

 僕は立ち上がり、ゆっくりと近づく母さんに剣を向けた………けど、母さんは立ち止まる?でも、その手の平には小さな炎が………!?それは大きくなり、母さんは満面の笑みを浮かべる!?

 

 ま、まさか!?


「バーン❤」


 火の玉が五つ現れて僕の方に向かって来た!?

 僕は躱しつつ、1つは剣で斬った!


 すると、その炎は爆発した!?


 僕は吹き飛ばされて、気を失いそうになる………けど、僕は更に吹き飛ばされていた!?

「リンク、起きなさい!」

 ママ、少しスパルタすぎません?

「Pちゃん!助けて!」

「仕方ないわね!」

 言いながら、僕の後ろに現れたPちゃん。

「私はPなんだから、ステージでは自分で演りなさいよ!」

 Pちゃんもスパルタなのね………クスンッ!

「何をどうすれば良いの?」

「今回だけ、特別よ❤」

 

 いきなり、Pちゃんの顔が!?………Pちゃんの唇が僕の唇を塞いだ!?

 つまり………キスをされたんだ!?


 初めてのキス………Pちゃんに奪われちゃった。

 しかも、ママの前で!?そして、唇が離れてから僕の頭の中に何かが流れた?


「………ん!?………なんか……」


 分かる!?そう、ライブの前の緊張感を吹き飛ばす為に、僕は観客と同じ気持ちになって………。

 そう。一体感を生み出す為に声に出す気持ち!!観客と一緒になって喜びを分かち合う為に練習した気持ち。

 全てを吹き飛ばした時の、ステージのスポットライトへの憧れ………あの頃を思い出す、初めてのライブを見た時の気持ち。


 そうか………心だ!


「リンク、術は使わなくていいわ❤でも、その代わりに魔力を身体に合わせる、身体強化の術である「パフォーマンス」を使いなさい❤」

 

 そう。Pちゃんの言いたいのはパフォーマンスだ!

 ライブで重要なのは自分で見せられる最高の力!

 

 身体中に力が………パワー、スピード………ママを越えてみせる!!

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ママ?って………? リンクはいったいなにと………戦っている?
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