2 2 もう一つの動き
Pちゃんは森の中に居た。
そして、リンク達が動いているのが見えていた。
「リンク………!?皆、いける!?」
後ろにはエルフの術士が30人。その中の1人が近づいて来た。
見た目は若いが、Pちゃんより年上の彼は、かつてプロデューサーだった「ジェイ」だ。
「ジェイ、術を!」
「いや、使わないよ」
リンク達はスケルトン軍団や、後ろから来た怨霊達と戦っている!?
「ジェイ!まさか、死ぬのが怖くなったの?」
Pちゃんは皮肉混じりの声で言うが、ジェイは口元が笑っていた。
「希望は捨てないし、死を怖れないよ。でも………今のリンクには君が必要だ」
「死を掛ける次元を開く術式を使っても、私は怖れない!これでバイバイよ」
「リンクにそれは言ったのか?」
「言える訳無いじゃない!リンクは……泣き虫のリンクに言えないわよ!」
Pちゃんは戦うリンクに目を向けた。
そんなリンクは戦い馴れている?そんな動きだった。
リンクは背後を見ないで、気配だけで気づき、エリックがピンチなら助けられる。でも、リンクの足は確実に死神に向かっている………。
このままなら、勝てるのではないかと思わせる無双っぷり。
「P、死神の声は聞こえないのか?」
「何が?」
「リンクの聞いている声が………あのルキアの声が」
「………つまり、戦い方を変えるの?」
「皆、「サイド・ストーリー」を使うんだ!」
「ま、まさか!?」
「エイミー、早く唱えろ!」
Pちゃんは………頷いた。
例え、気になる事があっても………Pちゃんは術式を唱えた!
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「カレン、もう終わりよ」
彼女はアルバートにニタリと笑う。
「アラ?次元を開けたら大変よ❤」
ボロボロの彼女の言葉………負け惜しみね。と、アルバートは思った。そして、ドラも。
なのに、彼女から寒気がした。
その意味を知りたい………だが!
「アル、近くに100人程の敵が来ているみたいだよ。50人程の暗殺者を殺したのに、その後は100人。その内死体の山が出来上がるよ」
ドラは剣を剣で受けつつ、その相手を剣ごとぶった切る!
「アル、後30人なんだけど………助けて」
ドラは苦笑い。でも、アルバートは手を振って。
「御免なさい。彼女に聞きたい事があるから、そのまま頑張って❤」
「コイツらジョーと同じAランクなんだよ?」
「だから、頑張って❤」
アルはカレンを見詰める。
「死神を呼んだのは貴女でしょ??」
「………答えない❤」
「そう?なら答えたら逃がして上げる」
「本当?」
カレンはニヤニヤしていた。
「ええ。貴女の下着がチラチラ見える姿を見て決めたの。今日は性格に似合わずに白の下着なのね?」
「貴方があたくしに興味が無いのは知っているわよ。それとも、わたくしがボロボロになるのを見て楽しんでいるの?」
「答えろ。生かしておいてやる」
アルバートの口調が変わった。
カレンの知らないアルバート。焦り………なら交渉が可能かと考え、カレンはニタリと笑う。
「止め方を知っているわ」
「教えろ。ワタシがお前を殺す3秒前にな」
カレンは1本のナイフを出した。
「何だ、ソレは?」
「次元爆弾❤」
「フンッ!次元の術式を使えば反応するんでしょ?なら、ワタシの父が気付くぞ」
「ジェイがね。でも、どうやって死神に術を掛けられたと思う?」
「………教えろ。もちろん、国には帰れないが、逃がしてやる」
「フッ❤いいわ、教えて上げる。このナイフは………ルキアを刺した時のナイフ。これで、セイレーンを操り、そしてこのナイフがある限りわたくしには勝てないの」
「そう。血の契約が通用するんだな」
「ええ。だから、あの手紙を王に渡せたの」
「誰が手を貸したのか聞こうか?」
アルバートの首にナイフが押し付けられた。
「ボクだよ」
ドラの声はアルバートの背後から聞こえた。
「そうか。ドラ、二枚舌はダメだぞ」
「カレン、全部言って上げなよ」
「フッ………フフフッ………ハハハハッ!全部ドラが教えてくれたわ!リンクの身体を使い、子供を産めばアイドルを支配出来るし、全てが手に入るってね」
「どうかな?」
「余裕ね、アルバート。わたくしはセイレーンを呼び寄せた。そして、この国に目を行かせない様に動かして、国を押さえる。そうすれば、父様の魂は、この地に戻る!わたくしは王を、国を、国民を集めて、戦争の無い世界を作るわ」
「力で支配して楽しい?」
「楽しいわよ!父が最高のプロデューサーになれば、世界は救われる!そして、神になるのよ!!」
カレンは嬉しそうだが、アルバートは溜め息をつく。
なおもカレンは話し続ける。
「ドラはその術がこのナイフにあると言ったわ!そして、それは本当だった!セイレーンはわたくしの言いなりの配下になったのよ!!」
カレンは言って笑みを浮かべる。そして、ナイフを捨てた。
「戦わなくても、ナイフを持たなくても、もう全てを手に入れられる!セイレーンの力でね!」
カレンは胸元を開く………1つのネックレスを見せつけてきた。
「この鍵を造ったのだからね❤」
「7つの鍵か?で、リンクを向こうに帰らせなくして、全てを揃えたんだな?」
「この鍵にはジェイの知識が入れてあるし、アルバートの力が籠められている。ドラが手伝ってくれたから造れたのよ」
「で?ドラには何を上げたの?」
「ルキアの魂よ」
「死を終わりと考えないのは、子供と宗教家だけだ。まあ、事の始まりなのは知っているがな」
「ルキアは転生していないわよ。アルバート、貴方が生きている限り、ルキアは次に行けない」
「未練ではなさそうだな」
カレンは皮肉な笑みを浮かべる。
「ドラが言っていたわ。貴方が答えを知っているって」
「それならワタシが知りたいわ」
「着いてきて貰うわ、アルバート。じっくりと聞かせて貰うわよ❤」
「カレン、貴女は元・情報部のプロデューサーだったな」
カレンはボロボロの服を脱ぎ捨て、下着姿になると、その服を死体の上に放り投げて、マントを取ろうとした………が、香水を取った。それを吹きかける。
「身体は隠さないの?」
「バカには見えないドレスよ❤」
「香水がドレスなんて、まるで売り女みたいだな」
「ついて来い」
カレンに皮肉は通じない。彼女は国と反対に向かって歩き出し、アルバートとドラはついて行く。
「何でそんなに自慢気なんだ?」
「ボロボロの服はわたくしには似合わない。まあ、今度はアルがボロボロになるんだけどね。まあいいわ。アル、貴方はルキアが何を望んでいたか教える気はある?」
「リンクよ。彼女の望みはそれだけよ」
アルバートの口調が何時ものお姉言葉になった。でも、誰も気にしないし、カレンは振り向かずに森の奥へ歩いて行く………。
「そうそう、リンクは血で染めてはダメらしいけど………どうしてなの?」
「魔王が目覚めるからよ」
「嘘は受けない。ルキアが望まないからって言ったらどうなの?」
「分かっているなら聞かないの」
「アラ?」
カレンの前に1人の女性兵士が近づいて来た?
「見ない顔だけど………まあ、いいわ」
「服を用意しますか?」
「いいわ。どうせ、血で汚れるもの。それよりテントは用意したのかしら?」
「すぐそこです。道具も用意済みです」
「そう。なら、アルを中に入れて置いて」
「いえ、それは貴女の番です」
「………何を………?」
「フフフッ❤拷問を受けるのは貴女よ」
「………アルバート………」
カレンの首にアルバートの剣が押し付けられていた。
「ドラは?」
「ボクは君と堕ちるのはヤダな」
「クッ!?裏切ったわね!?」
「最初からドラはワタシを裏切っていないわ。でも、貴女を裏切った訳でもない。そうよね?メイ」
「ああ。アタイ達は裏切られていない」
兜を外すと………メイだった。
「メイ………リンクはどうしたの?」
「ジョーに言われた通りにしたけど、消えた。リンクが消えたって仲間から念話で入った」
アルバートが問うと、ドラも分かっている様だった。
「ドラ、早く行って上げて。始まったみたいだから。それに、鍵のありかは分かったしね❤」
「サイド・ストーリーの中や次元の中はボクしか動けないもんね。約束通り行くよ。カレン、バイバイ❤」
言って、ドラは消えた………。
「他の兵士はどうしたの?」
「アタイが皆殺しにしておいたよ❤他のメンバーも至る所で戦って殺しておいたから、カレンは1人。助けは来ないよ」
メイは笑っていた!
「さあ、鍵は貰うわよ、カレン❤」
アルバートはカレンの首から鍵の付いたネックレスを奪い取った。
「メイ、死神を止めてきて!」
アルバートは鍵をメイに渡した。
「すぐに止める!アル、遊ぶなよ❤」
「冗談はやめて、早く行って」
そして、メイは馬に乗って森を抜けていった………。
「さあ、カレン。コレから交渉よ❤」
「………分かりました………」
カレンは意気消沈していた………。




