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異世界にリンク 裏切りのゴースト  作者: 八神月影


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22/27

2 2 もう一つの動き

 Pちゃんは森の中に居た。


 そして、リンク達が動いているのが見えていた。


「リンク………!?皆、いける!?」

 後ろにはエルフの術士が30人。その中の1人が近づいて来た。

 見た目は若いが、Pちゃんより年上の彼は、かつてプロデューサーだった「ジェイ」だ。

「ジェイ、術を!」

「いや、使わないよ」

 リンク達はスケルトン軍団や、後ろから来た怨霊達と戦っている!?

「ジェイ!まさか、死ぬのが怖くなったの?」

 Pちゃんは皮肉混じりの声で言うが、ジェイは口元が笑っていた。

「希望は捨てないし、死を怖れないよ。でも………今のリンクには君が必要だ」

「死を掛ける次元を開く術式を使っても、私は怖れない!これでバイバイよ」

「リンクにそれは言ったのか?」

「言える訳無いじゃない!リンクは……泣き虫のリンクに言えないわよ!」

 

 Pちゃんは戦うリンクに目を向けた。

 そんなリンクは戦い馴れている?そんな動きだった。


 リンクは背後を見ないで、気配だけで気づき、エリックがピンチなら助けられる。でも、リンクの足は確実に死神に向かっている………。

 

 このままなら、勝てるのではないかと思わせる無双っぷり。


「P、死神の声は聞こえないのか?」

「何が?」

「リンクの聞いている声が………あのルキアの声が」

「………つまり、戦い方を変えるの?」

「皆、「サイド・ストーリー」を使うんだ!」

「ま、まさか!?」

「エイミー、早く唱えろ!」


 Pちゃんは………頷いた。


 例え、気になる事があっても………Pちゃんは術式を唱えた!


    ⭐


「カレン、もう終わりよ」


 彼女はアルバートにニタリと笑う。


「アラ?次元を開けたら大変よ❤」

 ボロボロの彼女の言葉………負け惜しみね。と、アルバートは思った。そして、ドラも。


 なのに、彼女から寒気がした。


 その意味を知りたい………だが!


「アル、近くに100人程の敵が来ているみたいだよ。50人程の暗殺者を殺したのに、その後は100人。その内死体の山が出来上がるよ」

 ドラは剣を剣で受けつつ、その相手を剣ごとぶった切る!

「アル、後30人なんだけど………助けて」


 ドラは苦笑い。でも、アルバートは手を振って。


「御免なさい。彼女に聞きたい事があるから、そのまま頑張って❤」

「コイツらジョーと同じAランクなんだよ?」

「だから、頑張って❤」


 アルはカレンを見詰める。


「死神を呼んだのは貴女でしょ?(・・・・・・)?」

「………答えない❤」

「そう?なら答えたら逃がして上げる」

「本当?」

 カレンはニヤニヤしていた。

「ええ。貴女の下着がチラチラ見える姿を見て決めたの。今日は性格に似合わずに白の下着なのね?」

「貴方があたくしに興味が無いのは知っているわよ。それとも、わたくしがボロボロになるのを見て楽しんでいるの?」

「答えろ。生かしておいてやる」


 アルバートの口調が変わった。


 カレンの知らないアルバート。焦り………なら交渉が可能かと考え、カレンはニタリと笑う。


「止め方を知っているわ」

「教えろ。ワタシがお前を殺す3秒前にな」

 

 カレンは1本のナイフを出した。


「何だ、ソレは?」

「次元爆弾❤」

「フンッ!次元の術式を使えば反応するんでしょ?なら、ワタシの父が気付くぞ」

「ジェイがね。でも、どうやって死神に術を掛けられたと思う?」

「………教えろ。もちろん、国には帰れないが、逃がしてやる」

「フッ❤いいわ、教えて上げる。このナイフは………ルキアを刺した時のナイフ。これで、セイレーンを操り、そしてこのナイフがある限りわたくしには勝てないの」

「そう。血の契約が通用するんだな」

「ええ。だから、あの手紙を王に渡せたの」

「誰が手を貸したのか聞こうか?」

 アルバートの首にナイフが押し付けられた。


「ボクだよ(・・・・)」


 ドラの声はアルバートの背後から聞こえた。


「そうか。ドラ、二枚舌はダメだぞ」

「カレン、全部言って上げなよ」

「フッ………フフフッ………ハハハハッ!全部ドラが教えてくれたわ!リンクの身体を使い、子供を産めばアイドルを支配出来るし、全てが手に入るってね」

「どうかな?」

「余裕ね、アルバート。わたくしはセイレーンを呼び寄せた。そして、この国に目を行かせない様に動かして、国を押さえる。そうすれば、父様の魂は、この地に戻る!わたくしは王を、国を、国民を集めて、戦争の無い世界を作るわ」

「力で支配して楽しい?」

「楽しいわよ!父が最高のプロデューサーになれば、世界は救われる!そして、神になるのよ!!」


 カレンは嬉しそうだが、アルバートは溜め息をつく。


 なおもカレンは話し続ける。

「ドラはその術がこのナイフにあると言ったわ!そして、それは本当だった!セイレーンはわたくしの言いなりの配下になったのよ!!」


 カレンは言って笑みを浮かべる。そして、ナイフを捨てた。


「戦わなくても、ナイフを持たなくても、もう全てを手に入れられる!セイレーンの力でね!」


 カレンは胸元を開く………1つのネックレスを見せつけてきた。


「この鍵を造ったのだからね❤」

「7つの鍵か?で、リンクを向こうに帰らせなくして、全てを揃えたんだな?」

「この鍵にはジェイの知識が入れてあるし、アルバートの力が籠められている。ドラが手伝ってくれたから造れたのよ」

「で?ドラには何を上げたの?」

「ルキアの魂よ」

「死を終わりと考えないのは、子供と宗教家だけだ。まあ、事の始まりなのは知っているがな」

「ルキアは転生していないわよ。アルバート、貴方が生きている限り、ルキアは次に行けない」

「未練ではなさそうだな」

 カレンは皮肉な笑みを浮かべる。

「ドラが言っていたわ。貴方が答えを知っているって」

「それならワタシが知りたいわ」

「着いてきて貰うわ、アルバート。じっくりと聞かせて貰うわよ❤」

「カレン、貴女は元・情報部のプロデューサーだったな」


 カレンはボロボロの服を脱ぎ捨て、下着姿になると、その服を死体の上に放り投げて、マントを取ろうとした………が、香水を取った。それを吹きかける。


「身体は隠さないの?」

「バカには見えないドレスよ❤」

「香水がドレスなんて、まるで売り女みたいだな」

「ついて来い」 


 カレンに皮肉は通じない。彼女は国と反対に向かって歩き出し、アルバートとドラはついて行く。


「何でそんなに自慢気なんだ?」

「ボロボロの服はわたくしには似合わない。まあ、今度はアルがボロボロになるんだけどね。まあいいわ。アル、貴方はルキアが何を望んでいたか教える気はある?」

「リンクよ。彼女の望みはそれだけよ」


 アルバートの口調が何時ものお姉言葉になった。でも、誰も気にしないし、カレンは振り向かずに森の奥へ歩いて行く………。


「そうそう、リンクは血で染めてはダメらしいけど………どうしてなの?」

「魔王が目覚めるからよ」

「嘘は受けない。ルキアが望まないからって言ったらどうなの?」

「分かっているなら聞かないの」

「アラ?」


 カレンの前に1人の女性兵士が近づいて来た?


「見ない顔だけど………まあ、いいわ」

「服を用意しますか?」

「いいわ。どうせ、血で汚れるもの。それよりテントは用意したのかしら?」

「すぐそこです。道具も用意済みです」

「そう。なら、アルを中に入れて置いて」

「いえ、それは貴女の番です」

「………何を………?」

「フフフッ❤拷問を受けるのは貴女よ」


「………アルバート………」


 カレンの首にアルバートの剣が押し付けられていた。


「ドラは?」

「ボクは君と堕ちるのはヤダな」

「クッ!?裏切ったわね!?」

「最初からドラはワタシを裏切っていないわ。でも、貴女を裏切った訳でもない。そうよね?メイ(・・)」

「ああ。アタイ達は裏切られていない」


 兜を外すと………メイだった。


「メイ………リンクはどうしたの?」

「ジョーに言われた通りにしたけど、消えた。リンクが消えたって仲間から念話で入った」

 アルバートが問うと、ドラも分かっている様だった。

「ドラ、早く行って上げて。始まったみたいだから。それに、鍵のありかは分かったしね❤」

「サイド・ストーリーの中や次元の中はボクしか動けないもんね。約束通り行くよ。カレン、バイバイ❤」

 

 言って、ドラは消えた………。


「他の兵士はどうしたの?」

「アタイが皆殺しにしておいたよ❤他のメンバーも至る所で戦って殺しておいたから、カレンは1人。助けは来ないよ」


 メイは笑っていた!


「さあ、鍵は貰うわよ、カレン❤」

 

 アルバートはカレンの首から鍵の付いたネックレスを奪い取った。


「メイ、死神を止めてきて!」


 アルバートは鍵をメイに渡した。


「すぐに止める!アル、遊ぶなよ❤」

「冗談はやめて、早く行って」


 そして、メイは馬に乗って森を抜けていった………。


「さあ、カレン。コレから交渉よ❤」

「………分かりました………」


 カレンは意気消沈していた………。

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ドラ………?カレンをだますために、裏切ったふりをしていたの? リンク……消えたって?これから先が気になる!
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