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異世界にリンク 裏切りのゴースト  作者: 八神月影


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18/28

18 悲しさの向こう

 僕はあの後、1人で部屋の天井を見上げいた。


 ベッドの上から見る電球が点いている。何でも、魔力で電気を作っているそうだけど、そんな僕には強大な魔力があるらしい。


 もう夜………Pちゃんはドラと話があるらしく、外に出て行ったきりだ。

 食事は久しぶりに食べた。

 金は………Pちゃんがくれた。だから腹が減れば何時でも食べられる。


 そんな中………。


 色々と考え、答えは出なかった。

 操り人形に答えがあるなら、その答えは今の僕だろう。


 心の無い人形………いや、思いがあるなら、その人形は幸せだよ。


 ―――コンコンッ。


 Pちゃんか?………ジョーかな?


 僕はドアを開けた………。


「どうしたんですか?」

「入って良いですか?」


 カレンだった。


 僕はそんな悲しげな表情のカレンを部屋の中に入れた。


「どうしたんですか?」

「怒らないのね?」

「怒られたいですか?」

「何を言われても文句は無いわ。だから許してくれとは言わない」


 彼女は言いながら制服を脱いでいき、最後は下着姿になっていた。


 僕はあえてそれを止めなかった。そして、そんな彼女の意図は分かっていたから、そこで僕は言う。


「何をしているんですか?」

「下着位は脱がしたいでしょ?」


 髪を纏めながら言う彼女は、それが償いになると思っているのだろう。でも死んでいった者は戻らない。


「何を考えているんですか?」

「分かっているでしょ?貴方の好きにして」


 彼女の瞳に自分は無い。


「指示をしたのは誰ですか?」

「言えないと言っても………皆が決めたと言っておきます。でないとリンク様は納得しないから」

「ジョーの話し?」

「彼が話したのは、リンク様が許せる話しにすぎないわ。だって………本当は………」

 涙が溢れる彼女の事には僕は触れない。そして、続けた。

「カレン大佐のお父さんの話しでしょ?」

「わたくし………何も知らなかった。何も知らずにチヤホヤされて育った。人の心を踏みにじるお父様………わたくしは素晴らしい人間だと自慢していたの!!」


 僕には言えない。僕もファンを裏切ったから。でも、傷をなめ合う気は無いよ。


「口に出来ない事をしたんだね?」

「最初………資料を見て気付いたわ。それがリンク様に会う3か月前。ココには20年間アイドルが来なかったから資料を読まなかったの。でも………ルキア様の事を聞いて、そしてリンク様が来たからわたくしは初めて知ってしまったの」

「母さんの事を聞かせてよ」

「結論を言うわ。ルキア様は、この国でアイドルになる予定だった。でも………生き残ったのは初めてだから迷ったんでしょうね」


 カレンは遠くを見詰める………。


「使い捨てのアイドルを異世界アイドルと呼んだのに、ルキア様は真のアイドルとして「異世界アイドル」の初代になったわ。でも………彼女は帰ってくるなく、その名は再び現れるであろうアイドルに付ける事になったわ。それが20年前」


「でも、誰も来なかった。そして、「心の扉」は開く事は無かった」


 その声に僕達は振り向いた。


「Pちゃん!?」


 この状況はマズいか?

 でも………Pちゃんの目は僕を向いてはいない。


「カレンの父親はその件に罪を感じたから「心の扉」に自分の血を塗ったらしいわね」

「聞いたんですね?」

「白と聞いていたのに赤になっていた。ってドラから聞いたわ。そして、ジョーが全てを語らない理由も」


 そして、Pちゃんは僕を見た。その目は優しいものだった。

 きっと、僕に全てを伝えてくれるだろう。


「リンク、本当はこの世界で連日戦って貰う予定だったわ。でも………Pとしては戦わせられないわ」

「Pちゃん、何でって聞いていい?」

「カレンの口から言わせたいわ。使い捨ての意味をね❤」


 Pちゃんの言葉にカレンは震えていた?でも、確かに彼女の口から聞きたいのは本当だ。


「そ、それは………」

「使い捨てまで言ったんだから誰でも分かるわ。でも、リンクに伝えて。ルキアも同じ理由だったと」


 Pちゃんの声が冷たくなる理由はそれとなく分かった。だから、僕はその怒りを堪えてシーツを掴む!


「自決………自決用の人材。異世界アイドルにしか出来ない………生きた爆弾です………」


 こんな時、僕はどうしたら良いんだろうね?

「リンク、決めて。カレンを殺して帰るか、このまま明日の夜に皆と戦うか?」

 決められない………僕はPちゃんを見ると、口元を緩めて「フッ」と笑った。

「リンクが私をPと思うなら、私が決着をつけてあげるわ」


 Pちゃんは剣を右手に生み出した。

 鈍く光る剣は血を吸っているのは分かった。それも、かなりの数だ。


「良いわ………カレン、出て行って!」


 叫んで、Pちゃんは僕を抱き締めた!?


「カレン、貴女………Pの資格を分かっていて取得したわね?」


「………気付いていたのですね?」


「演技が上手じゃない(・・・・・・・・・)。役者にでもなったの?」


「フフフッ………ハハハッ!女は生まれた時から役者でしょ」

 カレンの声が………そうか。僕は騙されていたんだな。


 服の着る音………何か笑えるよ。


「明日はよろしくね❤リンク君、Pちゃん」

「ヘドが出るわ!出て行って!」


 ドアの音………出て行った様だ。

 

 笑えるよ………でも、今は泣きたい。

「ご免ね。プロデューサーを簡単に考えていたわ」

「Pちゃん、僕は誰を信用すれば良いのかな?」

「私の仕事は信用出来る仲間を集める所からね。リンク、私をPとして信じてくれる?」

「信じているよ」

「この世界を変えましょう」

「うん、Pちゃん!」

「いい子ね❤」

 頭を撫でられた。

「ジョーの所に行きましょう。信用出来る者を集めて待たせているから、荷物を纏めて」

 

 僕は頷いて荷物の入ったリュックを持って、下のギルドの食堂に向かった………。

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― 新着の感想 ―
カレンはいったい何が? しょせん、父親と同じってことなのかな?
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