16 作られた兵士
激戦区だった………俺は、そんな中でも戦う気はあった。
それが傭兵部隊の長だからだ。
でも、もう撤退をしないといけない。
「エリック! 殿 は俺が務める!お前達は先に撤退しろ!」
俺の腕の中には………若い異世界アイドルが死にかけていた。
腕をモンスターに喰われ………足も怪我をして動けない。担いで行くのも構わないが、下手には動かせない。
「大佐!コイツはまだ生きている!」
でも………。
「撤退だ。放っておけ」
「何を言ってんだ!!コイツに回復呪文を掛けるか、衛生魔術隊を呼んでくれ!後は俺が馬車まで運ぶ!!」
「ジョー、早く馬車に乗れ。もう、この戦いは終了だ」
叫ぶ俺にコイツは………冷たく言いやがった!?
「ふざけんな!!」
キレる俺の腕を………若いアイドルは掴んだ?
「いいんだよ、ジョー………」
弱々しい声………コイツは死ぬ。
「何を言ってんだ!!」
「P………最後に………家族に……伝えてくれますか?」
大佐は膝を着いて頷いた。
「分かった。何を伝える?」
「帰れなくて………ご免ねって。そして、妹に………コレを………」
アイツはネックレスを最後の力で引き千切り、大佐に渡した………。
「妹に………兄ちゃん………愛しているよ………って………」
「死に方は知っているな?」
「はい………P………頼みます」
アイツは………最後に最終術式を使って自爆した。
おかげで俺達は助かった………。
「大佐………アイツは………」
「しょせん、向こうの使い捨ての駒だ。気にするな」
言って、Pは………大佐はネックレスをその場に捨てた。
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ジョーの言葉は重く、悲しい物語だった。
「俺は………そんなのを何度も見てきた。エリックもメイも………だから、ルキアが変えたのさ。このイカレタ、クソッタレの世界をよ」
「母さんが………?」
「ああ。だから、そこのPちゃんはその意思をリンクに見出してリンクを連れて来たんだよ」
Pちゃんを見ると、僕に頷いた。
「レイカの父親の話よ。気にする必要はないわ」
「リンク………人間は罪が重すぎる。特に一度でも罪を犯すと………馴れちまう。そして、狂っちまう。でも………」
ジョーは口を閉じた。
「ジョー、そのアイドルの子の名前は?」
「ツヨシ………って名乗っていたな」
思い出したのかな?サングラスの端から涙が流れる………でも、ジョーの口調は変わらない。
きっと、根っからの傭兵なんだろう。
「そのネックレスは?」
「俺が拾った後………ドラが渡しに行った。唯一、向こうの世界で行動出来る、竜族のアイドルだからな」
そうなんだ………。
「じゃあ、皆はもう泣く必要はないよ」
ジョーは僕の言葉に不思議そうにしていた?
「リンク………何で笑っていられるんだ?俺達はお前の仲間を死に追いやったんだぞ!?」
ジョーは声を荒げたけど………。僕はステーキを食べ終えて、タバコに火を点けた。
そして、紫煙を吐いて………ジョーを真剣に見た。
「ジョーが殺したの?違うでしょ?」
「………っ!?」
「ねえ、今は違うんでしょ?」
「そうだな」
落ち着くジョーはウイスキーを呑む。
「Pちゃん、コッチのアイドルに協力するんだよね?僕の仕事はそれだけだよね?」
「そうよ」
「ジョー、何でアルとドラを外したの?」
「それは………」
彼は僕の後ろを見て黙った?
「簡単よ」
振り向くと、アルが立っていた。その後ろにはドラが立っている。
「リンク、戦い方や術式はこの石に触れれば一瞬で身体に覚えさせられるからよ。そして、最終術式もね。どう?リンクは覚えたい?」
彼の手には1つのダイヤの指輪。僕は………頷く。
「リンク!?」
ジョーは叫ぶけど、僕は………触れていた………そして、暗転した!?




