14 懐かしい曲
僕はPちゃんが話しをしている間に、エリック達に呼ばれて呑んでいた。
そこに、誰かが近付いてきた?
「やあ、リンク。どうしたの?」
ドラだった。
「ん?ちょっとエリック達に誘われて呑んでいたんだよ」
ギルドの初の夜………1階は昼間と違う顔を見せ、バーの様子を見せていた。昼間は食堂。夜はバー。こんなのは僕には無縁だと思っていたよ。
そこで、エリックがドラに手を挙げ。
「やあ、ドラ。元気にしていた?」
「エリック、久しぶり!」
「リンクと一杯呑んでいたんだけど、ドラもどうかな?」
「うん!ところで………メイは?」
「トイレだよ」
「そうか………それより、エリックはリンクの曲を聴いた事ないでしょ?」
「聴きたいな~。どんなのがアイドルとしての曲なのか知りたい!」
「あたしも~!!」
ドラに抱きついたメイは酔っているかもな。もう、1時間以上呑んでいたらしいし。
「やあ、メイ。トイレは終わったの?」
「酒を頼むぐらい早く終わったよ♪」
そんな2人にドラは得意げに座って。
「ヨシ!なら、特別に聴かしちゃおうかな❤」
ドラはマントの中から1つの水晶を取り出した?大きさは一握りって所かな?でも………コレで聴けるのかな?
「じゃあ、始めるよ!」
手の平を水晶にかざすドラの手の平がピンクに光った!?そして、曲が流れた………けど、それは僕の作った「ツイン」の曲。
なのに………歌っていたのは僕だ!?
昔の………駅のロータリーで歌っていた頃のだ。
「ドラ!この曲すごく良い!ドコで拾ったの!?」
「メイは知らないだろうけど、この曲はリンクの作った曲で、知っている人は知っている曲だよ♪」
僕の曲………箱の中で泣いている子猫を見た時に作った曲だ。コレは僕の中でも出来が良く、僕のファンには人気があった曲だった………。
そう………あの月の下で、30人程のファン達が目を輝かせて見る目の前で。
何もかも自由で、何もかもが光り輝いていたあの瞬間………。
ドラは続けて、あの頃の曲を何故知っているのか?どうして持っているのか?それらは知らないけど、あの頃の曲を流し続ける。そして、あの時に人々は集まり、拍手や笑みを見せてくれた。
でも………僕は一人では何も出来ない事を知ったのもあの時だった。
そして………僕は昔を思い出していた………。
⭐
「リンク、音楽をやめろ」
胴着を着た祖父に言われるのは何時もの事………。だから、僕は何時もの様子で………いや、無心で頷いた。
「はい………」
「ルキアは音楽に溺れ、音楽に殺されたんだぞ!忘れるな!」
そう、そして僕は勝てもしない組み手をするはずなのに………抱き締められた!?
「大きくなるまで待つんだ。心身共に強くなるまで待つんだ!」
何だ………この記憶は?知らないぞこんなの………?
「良いのよ、コレで」
振り向くと………あの肖像画の女性?いや、母さん!?
「母さんの………声?」
彼女は首を振る………?
「いいえ、あたくしはセイレーン」
背後………から母さんの声が………今は僕は昔を思い出しているだけじゃないのか………?
「リンク、今日の鍛錬は終了する。風呂に入って、食事をしなさい」
言って、祖父が道場を出て行くと、その代わりに長い黒髪の女性が入って来た………何者だ!?
「貴様!?誰だ!?」
「フフフッ、ルキアにソックリね」
「セイレーン………ですか?」
「ええ。わたくしはルキアの声と道を頂いたわ❤」
「道………?」
「ええ。生きる為の道をね❤」
「そうなのか………?」
凄い殺気だ………!動けない!?
でも………そんな彼女は泣いていた?美しい人形の様な顔で涙を流しながら、笑みを浮かべて………。
まるで、壊れた人形………。
「でも、わたくしは奴の力で、「青い死神」の中に取り込まれて、封印をされているわ。あの…………破壊の為に生まれたモンスターの中に」
「誰に?」
「助けて………リンク、わたくしをたすけて」
泣かないで………そう、僕は口に出せなかった………力が欲しいな。
⭐
何か………ん!?
「起きた?」
「Pちゃん………」
目の前にはPちゃん………彼女の膝枕………温かくて柔らかい………。
「あの、Pちゃん、僕は?」
「寝ていたのよ。下で飲み過ぎたみたいね。ドラが担いで連れて来たわ」
Pちゃんは塗れている………見れば下着姿で、髪が塗れていた?
「えっと………僕は………今は朝?」
「窓の外は朝だし、私はシャワーを浴びて来たわ。朝食は何にする?」
彼女は頭をタオルで拭く………。
そんなPちゃんに僕は1つ聞いた。
「ねえ、Pちゃん?」
「なーに?」
何時もの優しいPちゃん。
「それより、「セイレーン」って知っている?」
何時ものPちゃん………ではなく。険しい表情を浮かべるPちゃんの手が止まった?
「何で………その名前を知っているの?」
僕はさっきまでの夢?思い出した事や、見た事を全て伝えた………。
「ねえ?リンクはどうしたいの?」
「助けたい。だって泣いているんだ。それに………母さんの事を知っているみたいなんだ」
「依頼は来ているわ。そして、それを倒さないとリンクは帰れないし、放っておけば皆………この国の半分は死ぬわ」
「逃げたくない。彼女に………セイレーンに会いたい。でも………Pちゃんの答えは?」
僕の質問にPちゃんは、意外と呆れた様子で窓の外を見た?
「正直、私はどうでも良くなったわ。皆が勝手だから、どうでもね。でも……やらなくてはならないわ」
Pちゃんは少し笑っていた?何かあったのかな?
「Pだから?」
「でしょうね。だから、試練を受けて合格したのよ。でも………王と私はリンクが寝ている間に話しをしたのよ」
Pちゃんはタオルを置いた。僕がどくと、Pちゃんは服を着た………。
「腹が立ったわ」
Pちゃんは窓際に立った。
「この世界にね」
何を話したんだ?それに、何かを隠しているようだけど………。
「リンクの決意は?」
「死んでも倒す!」
「いいわ。なら下で話しをしましょう」
僕の決意にPちゃんは笑っていた?




