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異世界にリンク 裏切りのゴースト  作者: 八神月影


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13/35

13 疑惑

「もしもし、リンクどうしたの?こんな朝早くに」

 怒っていない。時間は朝の7時だってPちゃんは言っていたけど。

 僕もPちゃんみたいに向こうの時間が分かる時計が欲しいな。思いきってPちゃんにおねだりしようかな?

 まあ、そのPちゃんは僕の隣に座っているけど。

「川村さん、知り合いを紹介していいですか?」

「ええ。構わないわよ。どんな人かしら?」

 やっぱり人に慣れているし、そう言うのに慣れているから落ち着いているな。

「エイミーって言います」

 口裏を会わせているわけではない。そう言えとPちゃんに言われたからだ。だから、この「エイミー」って言うのは偽名らしい。本名の代わりに使う名前だ。

 それで、僕はスマホをスピーカーにした。

「今はリンクを保護しているんですけど、公安の松重さんが私の身元を証明してくれます。だから、それを元に話をしていいですか?」

 そう。僕も知らなかったけど、Pちゃんは国や公安に手を回しているらしい。だから、僕の事を調べているであろう社長の事を公安に伝える事も警察に調べてもらう事が出来たんだ。

 でも………川村さんは驚く事は無かった。むしろ、松重さんを知っているかの様子を見せた。

「あの方なら本当なんでしょうね。リンクがお世話になっています」

「川村さん、社長と母さんとの間に何かありますか?」

「………どこで言われたの?」

 彼女は焦っている………いや、声が震えている。きっと………何かを知っているはずだ。

 だから、僕は確信しながら続ける。

「出所は言えません。でも、知りたいんです」

「リンク………エイミーさんと2人で話しをさせてくれる?」

「………2人で?」

「御免なさい。でも、話せそうなら貴方にも話すわ」

 僕はPちゃんに頷いた。そして、部屋を出て行った………。


   ⭐


「エイミーさんは、アルバートさんの知り合いですか?」

「はい。あの時には居ませんでしたけど、彼の事を知っている川村さんですよね?」

「どこまで知っているの?」

「殆ど知りません。ただ、あの日を境にアルは変わってしまったと聞いていますし、話しよりも………酷いです」

「………結論を言うわ。リンクは奴の子供かもしれないと言う事よ。リンクの事務所の社長の可能性があると言う言い方をした方がいいわね」

「あの夜………リンクを助けたのは川村さんですね?」

「そうよ。アルバートさんが手伝ってくれた。殺したアイツを………ルキアを殺した社長を追い払ってくれた。いえ、奴を殺したかったはずだけど、出来なかった。そして、逮捕もされなかった」

 川村は悔しそうに語った。Pちゃんはそれに対して溜め息をつく。

「感情的になってはダメよ」

「―――!?御免なさい。でも、2人は一緒に会社を立ち上げた。そして……一流の仲間入りをしたのよ」

「その………会った事は無いけど、ルキアは川村さんから見て天才?」

「いいえ。普通の娘。でも、アイドルとしてドームに立ったわ。社長はそのルキアの最初のファン。そして、殺した犯人で恋人。それが全てよ」

「リンクに言えないわね。川村さんは?」

「理子で良いわ。まあ、私はルキアの最初のスタッフの1人だと言っておくわ」

「古いんですね。ルキアはどうして殺されたのかしら?」 

「あの日の1年前、ルキアはこの世界から姿を消したはずよ」

「はず?分からないの?」

「記憶が何か………無くなっているの」

 Pちゃんは、それは「ランク・アップ」の反応に対しての、死んだ時に出る副作用。………言えないわね、とPちゃんは話しを変える事にした。

「アルの他に誰かに会った?」

「ドラって男の子に………あったかも知れないわね」

「………!?そ、そう。何かを話した?」

 ドラの名前にPちゃんは焦った!?

「リンクのファンらしいわ。でも………最近見ないわね」

「他に知っている事は?」

「分からないわ。でも、私しか彼を知らないのよね?」

「ドラは何か言っていましたか?」

「ルキアの写真を持っていたの。でも、何か………年が合わないのよね。いや、彼は異世界の子だからかな?」

 コレは………後で聞かないと。いや、それより聞かないといけない事があるわ。特にルキアの事を。

「話しを変えるわ。ルキアの殺しの動機は?」

「妊娠よ。ルキアは3か月目に入っていたから。それでも、産むのは許可したけど、施設に預ける様に言ったのを、ルキアが拒否したから、だからリンクの事務所の社長が殺したのよ」

 見たのだろう。………Pちゃんも思ったが、理子はそれも分かっていた。

「リンクは………何で祖父母を殺したの?」

「ルキアを否定したからよ。いえ、最初から音楽に否定的だったわ。だからリンクは………って疑惑よ」

「リンクは感情を殺す事はあった?」

「二重人格みたいな………計算高くわなかったけど、ワタシには素直だったわ」

「理子、私は貴女が好きよ。そして、リンクの為に生きてくれてありがとう」

「リンクからワタシの事を聞いたの?」

「ええ。リンクから理子の事は聞いているわ」

 Pちゃんにとって心を読む事は出来ない。そんな術は高度過ぎるから。でも、理子が仲間だと認識は出来た。

「リンクのライブの件は大丈夫かしら?」

「どんな手を使ってもライブをさせるわ」

「エイミー、貴女はルキアに似ているわ」

「そうなの?」

「プロデューサーみたいな所」

 2人は笑った………そして、Pちゃんには分かった事が幾つかあった。でも、リンクはどう思うか?

「理子、また話しをしましょう」

「ええ。リンクをお願いします」

 

 Pちゃんは天井を見上げた………。

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リンクが社長の子?社長はわかっていてリンクを利用している?
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