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異世界にリンク 裏切りのゴースト  作者: 八神月影


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12/29

12 1つの答え

 何も聞けなかった………。

 そんな僕の中には謎しか残っていないのは確かだった。そして、アルバートさんから聞けた事にもはぐらかされてばかりで、意味は無かった。でも、初めて母さんを見た………嬉しかった。


 今は、僕達はギルドに戻ってきていた。

 夜になり、食事を済ませ、他の皆と話をした。けど………何も分からない。

 でも、Pちゃんは僕に呪いが掛かっていると言ったけど、何の呪い何だ?

 

 皆が引けると、ジョーが酒を片手に僕の前の椅子に腰を下ろした。

「呑めよ」

 ジョーがグラスにウイスキーを注いだ。僕は1口呑む。

 

 うん、ウイスキーだな。それは向こうの世界と変わらない。

 アルコールの度数が少し高いから、腰を取られない様にしないとな。


「リンク、レインの話をする」

 彼はサングラスを掛け直して、言ってからウイスキーを1口でグラスを空にした。

「ジョーの知るレインの事ですか?」

「彼女は世界を変えた。いや………人の考え方を変えたんだよ」

「どの様に?」

「異世界アイドルは物じゃないっててな」

「人ですからね」

「俺も命を掛ける。でも、傭兵でも物になったつもりはねぇ。でも、それが自分が選んだ仕事なら命を掛ける」

 そこに、背後から気配を感じた。

「オレもだよ」

「アタイもだよ」

 振り向くと、エリックとメイが酒を片手に立っていた。

 僕はジョーを見た。そんな彼はテーブルの上のローソクの火で、タバコに火をつける。

「リンク、お前さんと腹を割って話をしたい」

「ジョー………。僕も本当の事を知りたいです」

 すると、エリックとメイが空いている椅子に腰を下ろした。

「じゃあ、オレからだね」

「次はアタイかな」

 エリック達は食べ物も用意していたのか?ウエイレスが無言で食べ物を置いていった。

 サラダに、サラミ?コッチでは何というのか知らないから、サラミみたいな物はサラミと呼ぼう。そして、魚の茹でた物が置いてある。コッチの魚は向こうの魚と余り変わらない。

「リンクは兵士をどう思う?」

「国を守る人?で良いのかな?エリックはどう思っているの?」

「武器にもなる。そして、命に関しては戦場では銅価よりも安い」

「命がですか?」

「うん。今でこそギルドで金を沢山稼いで居るけど、最初の敵はモンスターと………人だったよ」

 目が鋭くなった………きっと何人も人を殺しているはずだ。

「アタイは元々は奴隷だったよ。そんな奴を沢山見てきた。戦場で子供を拾って、兵士にして売る。コレがあたしの出所。だから親の顔も知らない。そして、使えなくなったら殺されるよ。だから皆が必死何だ。………生きるのに」


 ………重いな………平和な国では知らなかった事実なんだろうな。


「リンク、人には色んな人生がある。でもな………そんなの長くは続かない。そこに楔を打ったのがルキアだよ」

「最初はあたしも知らないけど、聞いた話しでは、奴隷よりも待遇が良いのは異世界アイドル」

「でも、危険なのはオレたちでは無い。アイドルなんだ。偶像の駒にして武器。だから、危険で死ぬ確率の高い仕事や、難しい仕事は異世界アイドルだったんだよ」

 エリックとメイは酒を呑みながら、テーブルの上のローソクを見詰めていた。

「なあ、リンク。そんなの間違っているだろ?俺達の国の事なのに、何で異世界アイドルは捨て駒にされるんだ?」

「はい。ジョーの言うとおりです」

 何も言えない僕に、唯一言えた言葉はそれだけだった。

「でも、まかり通っていた。人権って言うのは、下に何かが置かれた時に初めて使われると言った奴も居る。つまり、常に下に何かが居ないと、人は下に置く者を作るんだ。分かるな?」

「それに、異を唱えたのが母さんですか?」

 ジョーは深く頷いた。

「魔王を倒す条件にしたのさ」

「ジョー、つまり母さん達はこの世界を変えたんですね?」

「恨みを買ってな。でも、誰も逆らえなかった、この現実を変えたんだよ」

「強すぎたんですね?」

 3人は頷いた。そして、ジョーはグラスにウイスキーを注いで、一気に飲み干した。

「だが、アイドルは最後になったんだ」

「どう言う事ですか?」

「アイドルが最強だと教えたのが最初で、それっきり無謀なアイドルの呼び込みをこの世界がしなくなった。いや、怖れて出来なくなったんだ」

「何でですか?」

「………心の扉が開かなくなったんだよ」

 ジョーは溜め息混じりに本音を言ったら、エリック達がジョッキのビールを口にして語り出した。

「オレ達の罪ですよね」

「アタイもそう思う。神様が怒っているんだよ」

「リンク、俺が思うに、人は人を下に置く事に怖れなくなり、罪と認識しなくなったら終わりが近付く。だから、人を認める事が大切なんだ。特に、害の無い奴にな。分かるか?」

「認める………」

「リンク、あたし達はリンクの事をアルから聞いているんよ。認めて貰っていない事も」

「認めて無い?………皆ドコまで知っているの?」

「リンクの曲だと知って、「ツイン」って奴等が歌っている事も、リンクがゴースト・ライターなのも、そしてさらわれるか、ダメなら命を取られる事も知っているよ」

 メイの言葉に僕は固まった!?

「えっ………?ジョー、僕って命も断ったら取られるの?」

 3人は頷いた。そして、僕は頭を抱える。

 ま、マジか………。

「リンク、依頼を出しているだろ?何なら俺達が処理するぞ」

 ジョーの言葉………迷う事はない!

「お願いします!」

「リンク、心当たりが無さそうだね?」

「うん。エリックは知っているんだよね」

「教えて良い?社長以外の人の事?」

「ああ。構わんよ。おーい!ビールを持ってきてくれ!」

 ウエイレスに言うジョーは軽いな。

「リンク、相手は向こうの社長と、コッチの世界のアイドルだよ」

「オオゥ……デンジャー!」

 メイは酒を呑みながら僕の肩に手を置く?

「リンク、あんたさ、ママの関係で恨みを買っているから、その辺だと思うよ。案外さ、話し合いって事で終わったりしない?」

 メイさん………赤ら顔で言うと軽いですよ~。

「あり得るな。エリック、その手の情報は?」

「あれば言っているよ。だから無い」

「リンク、お前さんは何かあるよな?」

「何かって………何がですか?」

 殺しの………件かな?

「ルキアと、お前さんの社長の事だよ」

「………どう言う意味ですか?」

 口が早くなっていた。

「接点があるんじゃないかって事だよ」

 母さん………に?

「なる程、曲を作る能力だね」

 エリックの言葉にメイは頷いた。

「ああ。その社長がルキアの息子だって知っていれば拾うね。いや、ルキアが書けていたから、リンクに書かせるね」

「そうだ。リンク、社長とルキアの関係を調べるべきだ。そうすりゃ、コッチのアイドルの件も分かるかもしれないぞ。出てくりゃ俺達が殺ってやるよ」


 確かに………調べるべきかも……。


「皆、知り合いに連絡をしてきます。それで何か分かるかもしれません」

 僕は席を立った………。


   ⭐


「ジョー、アタイはあんたらが言わないのは知っているけど、本当に黙っているの?」

 メイは目が鋭くなった。

「リンクが社長の息子かもって話しなら言わないぜ」

「確証も無いからね。それに、命を狙っていたのも、メイは女性だから言いたくないよね。オレも言いたく無いし」

「エリックまでそんな事を言うの?」

 エリックとメイの話の中、ジョーは立ち上がった。

「ちっと話をしてくる」

「情報通のアルに?」

「メイ、今はジョーに任せなよ。でも、アルに聞くのはいいと思うよ。どうせ、リンクには何も言わない様にしてたんだろうから」

「いいや。メイとエリックには悪いが、別の奴だ」

「「誰?」」


「ドラだよ」

 

 メイとエリックは見合って驚いた!?

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