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異世界にリンク 裏切りのゴースト  作者: 八神月影


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11/30

11 宮廷アイドルのアルバート

 コーヒーを出されて、僕達は飲んでいた。

 そして、アレから少しして誰かが近づいてきた?

「ジョー、待たせたな」

 

 ―――しゃ、社長の声!?ま、まさか!?


 振り向くと、そこには紳士的な男性が立っていた。声は似ているけど、小肥りの社長とは真逆な、ダンディーな紳士。


「キース王、元気そうだな」

「ああ。ジョー」

 王様………彼はPちゃんを見た?

「Pちゃん、その彼がリンク君かな?」

「ええ、彼がリンクよ」

 キース王は僕の手を取って握手をした。

「キースだ。リンク、よろしく頼む」

「は、初めまして!リンクです!アイドルをしています!」

「そうか………アルバート!」

「ココですわよ、王様」

 

 目の前の空間が歪んだ!?

 そして、1人の青年が現れた!?と思ったけど、ボーイッシュなホステスが現れた!?いや、それは失礼だな。でも、場末のゲイバーで一番美人なニューハーフと言えば言いのか?

 でも、何でそう思ったかはスカートが惑わすのかな?いや、ハッキリと言えばケバいんだ。化粧の仕方を知らないというか?努力は認めますけど、僕の方が上手いですよ………と、言いたくなる。

 そんなアルバートはドラを見た。

「あら、ドラも来ていたのね。久しぶりじゃない?もっと顔を出しなさいよ」

 やっぱりゲイバーの美人さんだな。

「アル、元気していたか?」

「ジョーも正規兵に推薦されているんだから、たまには訓練に来なさいよ」

「俺にはガラじゃねえよ」

 それと………僕の服を見てから、彼はPちゃんを見た。

「Pちゃん、貴女のセンスはワタシには無理ね❤」

「アル、後で表に出ろ」

「まあ、怖い。笑顔がニセモノに見えるわ~❤」

「口が悪いよりマシよ!」

 そこでジョーが割って入った?

「お前らいい加減にしろ。何で何時もそうなんだ?」

 ジョーは溜め息混じりに言った。


 まあ、そんな感じだが。王は椅子に腰を下ろして頭を下げる?


「リンク、本当は君を保護する為にきて貰ったんだが、頼む………この世界を救って欲しい!」

「キース王、何かあったの?」

「Pちゃん、奴が来た」

「奴って………まさか、「青い死神」!?」

「そうだ。この間、奴が隣国の半分を喰った」

 ジョーは苦い顔で手を上げる。

「キース王、それは何時ものパターンって事か?」

「そうだ、ジョー。国の半分を残して、恐怖を与える。そして、生き残った者の恐怖を最大限に喰う。後の話しはアルに聞いてくれ」

「皆に言っておくわね。タイミングが10年周期から、予告制になったようよ」

「そこで、ターゲットはこのガゼル国になったのか?」

 ジョーが言うと、王はポケットから1通の手紙を出した?

「報告に寄れば、3日後には、この国に来るそうだ」

「Pちゃん、リンクの望みは?」

 アルバートは僕を見ない。

「情報と殺しの依頼よ」

「分かったわ。ドラ、貴方も来てくれる?」

「うん、いいよ」

「アル、私も着いていくわ」

「分かったわ。Pちゃんはワタシ達と来て。ジョーは王の傍に居て」

「ああ。俺はココに居る。でも、無理ならやめておけよう」

「大丈夫よ。リンク、来なさい」

 

 僕達はアルに着いていく………。


「リンク、お母さんの肖像画よ」

 通路の中間にあった肖像画には、1人の美しい若い女性の絵………どことなく僕に似ている。

 美しさと愛らしさの混じる顔………儚げにも見える、元気な笑顔。

「貴方は見た事はないでしょ?」

「………母さん………」

「リンク、貴方が生後3か月の時、ワタシの前で殺された。そして、貴方は川村さんに助けられたのよ。ルキア………彼女はワタシの腕の中で死んだの」

 

 その時、アルの口は何かを………いや、言いたくない思い出の中に居るんだ。僕は黙ろう。


「リンク、ワタシ達は呪いのせいで色んな事が出来なくなったし、失ったわ。何だか分かる?」

 僕は首を横に振っていた。

「ドラはワタシ達と一緒に魔王と戦い、歌う力を失った。ルキアは未来とレイン、そしてリンクを失った。そして、ワタシは希望を失った。それが現実よ」

 何を言いたいのか………分からないけど、アルの顔から笑顔が消えていた。

 でも、彼は何かを知っているはずだ。

「でも、ワタシ達はルキアの残したリンクのお陰で希望を持てたわ」

「僕の?」

 何だ?

 でも、Pちゃんが手を上げて居た。

「ねえ、今回のアイドルのオーディションの委員はアルだったのかしら?」

「ええ。だから、貴女………伝説のPの娘の貴女を呼んだわ」

「胸クソ悪いわね」

 不機嫌そうなPちゃんに、アルは苦笑を浮かべた。

「理由は聞かないわ」

「ドラ、貴方は関わっていないわよね?」

「ボクはパフェが食べたい!」

 陽気な笑顔のドラにPちゃんは溜め息を………つくよね。

「この話しは無かった事にするわ。アル、貴方の本音と用件を言って」

「リンク、ルキアの意志を継いで」

「どんなですか?」

「初めてルキアが来た、この国を守って欲しいの」

「………分からない事があります?」

 何かを隠しているのは間違いない。だから、僕はそれを聞きたい。

「何かしら?」

「僕はここまで本心を聞いていません。アルバートさん、教えて下さい」

「誰もリンクを傷つけたくないの。でも、戦って欲しい。それだけよ」

「言って下さい。僕も男ですから」

 アルバートさんは笑みを見せた?

「ルキアの魂を解放させるには死神を倒さないといけないの。あの、「青い死神」をね。だからといって、貴方だけに戦わせない。皆の悲願だったからね」

「分かりました。母の為ならやります」

 アルバートさんは僕の肩を軽く掴んだ?

「リンク、この異世界にようこそ」

 言って、アルバートさんは笑った?

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― 新着の感想 ―
場末のゲイバーって、なんだかアルバートがかわいそうな。でも、綺麗なんだから褒め言葉なのかな?
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