自由
水曜日になり待ち合わせのカフェに行った。
でもそこには春斗くんしかいなかった。
私たちはカフェに入り、メリを待った。
けれど、メリが来ることはなかった。
私たちはあまり話もなく、
私と春斗くんでランチをしているところを
誰かに見られるのも嫌だったので急いで食べてカフェを出た。
帰りに、私は一人でメリの家に行った。
インターフォンを何度か押したけれど、メリは出てこなかった。
それから次のカフェの日もメリは来なかった。
何度か家を訪ねたけれどやっぱりメリは出てこなかった。
ある午後、私は散歩に出た。風が少し暖かく、空気が春の匂いだった。
近所の川まで歩いた。水の音を聞きながら、
私はぼんやり考えていた。
フェリーナは今、どうなっているんだろう。
この世界はちゃんと大きくなっているのかな。
ふとポケットのスマホを見ると、
メッセージは何も届いていなかった。
メリからも、春斗くんからも。
「そういえば……」
私は立ち止まった。
春斗くんの部屋にも、
あれから一度も行っていない。
その夜、日記を書いているとふと変なことに気づいた。
ページをめくると、
最初の日の日記が目に入った。そこにはこう書いてあった。
『今日はメリと春斗くんに会った。
フェリーナの世界を大きくする話をした。』
私はペンを止めた。しばらくその文字を見ていた。
そして、ゆっくり思った。
あれは――
いつのことだっただろう。
今日は何曜日で、何日なのか。今は何時なのか。
時間の概念が少しずつなくなってきている。
水曜日って、何日前だった?
私は春斗くんの部屋に向かった。




