スタルツィア王国の秘密
「お兄様、私たちに用って?」
「ああ。実は、色々と調べていたんだが、興味深いことが分かってな。」
「興味深いこと?」
「ああ。俺もこの調査で知ったのだが、どうやらスタルツィアには隠された賭場があったんだ。」
そんなはず…
スタルツィアに…?まさか…
「ランスト。詳しく。」
「はい。その賭場は表向きはレストラン。ですが地下に貴族だけが入ることの許されている賭場があることが確認できました。」
「でも、どうして分かったんだ?」
「…ロベルト王子殿下の跡をつけてみたのです。何か手がかりが出るかもしれないと。二人が帰った次の日、ユーリス第一王子殿下の部下の方が来られてからつけてみたのですが、その日から2日に一度のペースでその賭場に通っているところを見ました。」
ロベルトが賭け事を…?
「お兄様。まさかとは思うけど、お父様が寄付したお金がそこに流れているってことですか?」
「そこまではまだ分からないが、可能性は高いだろう。潜入が出来れば分かりそうだが、なんとも言えないな。」
「そうですか…」
ロベルトが賭け事でどれくらいのお金を使っているのかが問題。かなり膨大な金額なら確実と言っていいほどお父様のお金が使われているはず…
将来、国王になる人間が国民のためにある寄付金を横領しそれを賭け事などに使うなんて…なんという最低な行為。国民への裏切り行為だ。
沸々と怒りが湧いてくる。
「だけど、もしロベルト王子が賭け事にロンド公爵の寄付金を使っていたとしても、それだけに留まらないはずだよ。」
「ユーリス様は他にもあると仰るのですか…?」
「これは俺の予想だけど、これは…」
【ステルフィン家の者、全てが関わってる可能性がある。】
ステルフィン家が…!?
でも、その可能性は高い。
ロベルトだけでなく国王陛下や王妃様もお金に関しては使い方が派手だった。次から次へと高級品を買ったりしていた。
「ランスト。そこら辺も調査を頼む。」
「はい。」
「ユーリス様。もし、真実が明らかになれば全てのお金が国民への寄付に回ることは可能なのでしょうか…」
そう。私の心配はそこだった。
真相が明らかになり犯人が捕まったとしても、寄付金などが戻ってこなければ意味がない。今まで寄付してきた分のお金全てが国民に渡らなければ犯人の私利私欲のためにただ使われただけになる。そんなことあってはならない。必ず返してもらいたい。
「可能だよ。犯人が自分の財産を全て放棄して返していくことができればだけど。金額が大きいだろうからかなり時間もかかるだろうけど、必ず返してもらう。」
「ユーリス様…ありがとうございます。」
「ユーリス第一王子殿下。報告は以上です。また、私は調査に出ますのでこれで失礼致します。」
「俺もそろそろ行かなければならない。マーガレット。体には気をつけるんだよ?」
「はい…!ユーリス様も…!あと…またいらしてくださいね?いつでもお待ちしておりますから…」
「ありがとう…!」
「マーガレット。くれぐれもユーリス第一王子殿下を困らせないように!レイスも頼んだぞ!」
「もう!お兄様ったら!分かってますわ!」
「はい!お任せください!」
二人をそれぞれ見送って屋敷の中へ戻る。
事実が分かってきつつあるけど、すでに頭がパンクしそう…
「レイス…私は少し寝るわ…」
「かしこまりました…!」
私は部屋に行きベッドに横になればいつのまにか眠っていた。




